Strange Days

2000年02月27日(日曜日)

風邪か?

23時21分 星見

 NHKスペシャルを見終わった後、いよいよ容態が悪化した。頭痛と正体不明の不快感が交互に襲ってきて、とても風呂に入るどころではない。しかし、一応は風呂を沸かし、昼間に買っておいた材料で寄せ鍋を作った。いつもならビールをやりながら喜んで食うのだが、今夜はそんな余裕も無く、鍋もかなり残してしまう。明朝食えばいいのだが。
 そんな状況だが、どうしても今日買ったMizarの双眼鏡を試してみたくて、寒い中空に向けた。Mizarというとなぜか二線級という印象がなぜか強い。安売りの望遠鏡はMizarかケンコーが目に付くからだ。Vixenのものもかなりあるが、Vixenはハイエンドの望遠鏡も有名なので、いわば望遠鏡の総合メーカーという認識がある。実際にはMizarもかなりのスペックを持つ機種を作っているので、低価格品を多売するという営業方針なのだろう。
 さて、この10*42、見え味は中国製8*30よりも明るく、くっきりしている印象がある。さすが価格的に\7000と中国製の\3000の倍だっただけのことはある(空しい戦いだ)。ただしやや高倍率ゆえか、単に設計が悪いのか、視野中央と周縁とではピントが多少ずれているようだ。でも星団は探しやすくなった。
 望遠鏡でオリオン大星雲を眺めた後、悪寒で死にそうになったので早々に仕舞い込んだ。
 日付が変わる頃には、もう風呂に入る気にならず、布団に潜り込んで朝までトロトロと眠り込んだ。毎週の月曜日が睡眠不足デーばかりだった事を思えば、睡眠時間だけは足りたと喜ばずにいられまい(その前に熱には下がって欲しい)。

NHKスペシャル

20時20分 テレビ

 なぜか異常に頭が重く、帰ってすぐに一眠りしてしまった。一眠りすれば気分も良くなるだろうと思っていたのだが、目覚めても相変わらず、というより更に悪化している。飯食わないとなあ、と思いつつ布団の中で番組を見た。
 今回の「世紀を超えて」は前回の細菌に続いてウィルスの話題。
 去年、マレーシアの養豚場を中心に、正体不明の疾病が流行し始めた。激しい咳と痙攣をもたらすこの疾病は、多くの豚とその世話をしていた人間を落命せしめた。
 事態を重く見たマレーシア政府は、さっそく事態解明に乗り出した。疾病発生当初は日本脳炎だと思われていたこの疾病は、調査によってやがて新型ウィルス性のものである事が分かってきた。ウィルス性疾病の対策としてはその抗体を予め発生させておくためのワクチン投与が有効なのだが、なにぶん発見間も無いウィルスでは難しい。結局、マレーシア政府は感染の疑いがある豚を大量に処分する事によって、事態の拡散をかろうじて食い止めた。
 ウィルスというのは核酸に蛋白質がいくばくかくっついたような代物で、その増殖には他の生物の細胞が必要だ。真核生物は細胞に自身のDNAを複製する仕組みを持っているが、これに割り込んで盗用してしまうのがウィルスなのだ。
 近年、新型ウィルスによる強烈な疾病が増えている。あのエイズはもちろんそうだし、つい最近ではエボラウィルスのド派手な症状も記憶に新しい。また毎年流行するインフルエンザもそうだ。
 ところでこのマレーシアのウィルスはどこからやってきたのだろう。近隣の動植物を調べていったが、豚を介して2次感染していったと思われるものばかりだった。そこで調査団が注目したのが最初に発生した養豚場の環境だ。そこはマレーシアの密林を切り開いた平地で、切り立った崖が間近に迫っていた。その崖には洞窟がいくつもあり、そこに大量のコウモリが住んでいるのだ。ある研究者が、過去にコウモリから新種ウィルスが媒介された事例があったことを思い出した。そしてコウモリを調べてみると、ウィルスそのものは発見できなかったが、ウィルスに対する抗体の存在が確認された。コウモリが最初の宿主(自然宿主)である可能性は高くなった。
 この事例では、自然宿主であるコウモリと距離を置けば、おそらく事態は改善されるだろう。しかし今後も新種ウィルスとの接触は増大する可能性がある。人間の活動範囲はまずます広がり、未知のウィルスと接触する機会は増大しているからだ。
 そもそも、ウィルスは自然宿主と共存している状況では宿主にほとんど影響を与えない。というのも宿主を殺すような強い毒性を持つウィルスは、宿主の内部でそれほど長期間増殖出来ず(その前に宿主が死ぬ)、DNAの頒布という目的からは不利になってしまうのだ。そこで結局、その宿主に対して毒性を持たないか極低いウィルスのみが生き延びる事になる。
 エイズやエボラのような毒性の強いウィルスも、個体の死を放置すればやがて人間と共存する道をたどるだろう。以前、サイエンスにそのような戦略を数学的に検討した論文が載っていた。もちろん、それは現代の倫理観からは相容れないもので、到底実行できない戦略だと強調されてはいたが。
 しかし過去、例えばヨーロッパで大流行したペストなどに対しては、まさにこのような事態が発生した証拠が知られている。遺伝的な証拠から、ペストに対する耐性を持つ遺伝子の所有者が、ヨーロッパでは有意に多い事が明らかになっているのだ。
 いずれにせよ、ウィルスという古くて新しい敵との戦いは、まだまだ続いていく事だろう。先週も書いたが、無限ともいえる遺伝的多様性を相手に勝てる望みは低い。しかし自然との距離を意識し、その脅威の発現を最小限に抑える事で、ウィルスの脅威をかわす望みはあるのだ。
 こうしてみると、人間の活動範囲の拡大が未知のウィルスを呼び覚ますというシナリオを'50年代には書いていた小松左京の慧眼は、まったくおそるべしとしかいいようが無い。

今日の秋葉

20時19分 暮らし

 朝食を摂り、ぼんやりしていたが、存外に目覚めは良い。では昨日行き損ねた秋葉に出かけようかと、11:30には部屋を出ていた。秋葉に着いたのは12:30くらい。まずは丸五で腹ごしらえをして、懸案だったCE機の購入を目論んでソフマップに入った。そこにはお誂え向きのCasiopeaA60の中古機が\29800で売りに出されている。欠品無しの箱付きで、これにしようとその瞬間は決めた。ところが店員が空くのを待って、別の棚に並んだ剥き身のA60を眺めているうちに、なんとなくキーボードがいまいちな気がしてきた。実際、A60のキーボードについては、親指打ち(HP200LXでの必殺技)にも通常のタイピングにも向いてないという説と、そこそこいけるという説の両方がある。事実はどっちに使うにもハンデがあるという事なのだろう。それに、よくよく考えると、このクラスの機械を使ってまとまった文章を入力するというシチュエーションは、日常それほど無いのではないかと思い始めた。むしろそのような時間を無理矢理作るつもりでないと、せっかく買ったCE機も使う機会が無いだろう。それくらいならThumbTypeを必死で習熟する方が生産的なのではないだろうか。そしてMolphyOneの登場を待つのだ。
 ようやく心が決まった僕は、WindowsCEへの未練をきっぱり断ちきり、ソフマップを出た。しかし多少の未練は......(まだいうか)。
 今日は他の買い物はあんまり考えてなかったのだが、巡回コースを半周くらいする間にQuake3、DVDソフト、そして音楽CDが増えていた。またU2なSCSIのディスクが、なぜか値を下げていた。以前買ったIBMの9GBモデルが\23600程度。IDEなら30GBのを買える事を思えば高すぎるかもしれないが、実際にはこれを使いきるのは大変なのである。でも溢れかけてるけど。なので中身を追い出すためにCD-Rも買い求めた。
 巡回の最後にKYOEI秋葉原店に入った。適当な双眼鏡を買うつもりだった。今使ってる中国製8*30より少し高倍率で、できるだけ大口径のを求めていたら、特売品のMizar双眼鏡が10*42で\7000。まずはこれでいいと思って買い付けた。もう一つ、KYOEIがVixenのLVアイピースをカスタマイズしたという、LAアイピースの3.8mmを買うつもりだったのだが、ちょうどロットの谷だとかで売り切れ。ついでにVixenのNikonデジカメアダプタについて聞いてみると、入った事もあるのだが売り切れ中だとか。やっぱVixen光学から直接買わなければならない様だ。

2/27の暮らし

10時13分 暮らし 天気:晴れ後曇り(でも夜半に晴れました)

 前日、夜遅くまでチャットに出撃していたので、夜中の4時過ぎ(どっちかというと明け方だ)までうだうだネット土左衛門と化していた。寝たのはいい加減明け方だが、なぜか10時前には目覚め、ごそごそと起き出す羽目になった。