Strange Days

2000年04月07日(金曜日)

久しぶりに観望

23時59分 星見 天気:結構晴れな感じ

 春の空は春霞でどうもはっきりしない。昼に空を見上げても、晴れてるんだか曇ってるんだかさっぱりわかりゃしない。春から梅雨時にかけては、きっぱり望遠鏡をしまっちゃう人も多いそうだ(その代わりに双眼鏡を使うんだとか)。僕も100EDにカビが生えないか心配になるくらい、ベランダに持ち出せない日が続く。これがいきなり20cm級のニュートン式なんて買っていたら、今ごろ錆付かせていたかもしれない(早すぎ)。
 そんな風に空を心配しながら夜を迎えたが、今夜は結構晴れていた。結構、というのはぼんやりかすんだ感じがどうにも拭えないからで、真っ暗になった丑三つ時に空を見上げると、冬時には無かったような空全体に渡る薄明かりが感じられた。冬に比べて大気中の浮遊物が増え(水滴だけでなく黄砂なども)、光害もさらに甚だしいものになるのではないだろうか。
 それでも宵の口にはまもなく観望シーズンが終わるオリオン座とおおいぬ座の眺めを楽しんだ。トラペジウムはくっきり分離できるので、透明度は悪くないようにも思われるのだが? 風が無く、シンチレーションが安定しているためかもしれない。さらに西の空低くでは、火星、木星、土星の会合に月が加わり、結構にぎやかな眺めだったようだ。しかし僕の部屋からはどうしても西空の展望が不可能なので、この天体ショーは双眼鏡で、屋根のぎりぎりに身を乗り出して眺めるより他は無い。
 夜中に起きだして続きを見ようと思い、少し眠り込んだが、うっかり3時過ぎまで寝てしまう。まあ日付が変わる頃の南天は、明るい星座が一つも無いので、今日見れなくても構わないのだ。起きだして、ちょっとチャットしながら、またもやアンタレスの周辺に目を凝らした。手元のアイピースではもっとも低倍率のH50mm(なにせファインダーとして使えというくらい)でアンタレスとさそり座β星(いやγ星だったかな)を視界に収め、M4があるという辺りを一心不乱に眺めてみたが、念写と違ってそこに映像が浮かび上がるということは無かった。夏至辺りの、もう少し高度があるときならば見えるのかもしれないが、この分では望み薄だ。すっかり闇に慣れた目で夜空を見上げると、空全体が明るくて雑誌が読めそうだった(さすがにこれは無理)。夜明けが近いせいかも知れないが、本物の夜明けは間もなくやってきて、真夜中に感じた薄闇とは違うものだった。
 夜が明けきって、腹が空いたので、例の吉野家まで歩いていって朝飯を食い、それから寝た。