Strange Days

2000年07月11日(火曜日)

Morphy One動き出す

22時05分 コンピュータ 天気:晴れ

 やっとMorphy Oneの代金請求が始まった。Morphy Oneは予め全購入台数を確定してから生産に移るという方式なので、全ての台数が確定してからじゃないと生産工程に移れない。この確定作業に案外手間取った形跡がうかがえる。購入希望をして半年経っているので、僕自身も予約番号を探し出すのが大変だった。購入希望したこと自体を忘れてしまっている人も少なくはないのではないかな。
 ともあれ、84000円なりを払い込めば、今年中には手に入る、はず、だ。486ベースのパームトップ機という性格設定から、「高い!」とびっくりする人もいるはずだ。しかし僕はそう思わない。僕はPalmだのCEだのといったクローズドな世界の他に、ユーザが自己責任さえ負えばなんでもできる世界が必要だと思っている。PalmにしてもCEにしても、いかに発展していっても、実現できる世界は所詮はユーザの最大公約数に過ぎないし、Palm ComputingやMicrosoftの思惑を超えることも難しい。コンシューマー向けプロダクトの最たるものとなっているPCの世界があれだけ発展したのも、レディメイドの他にカスタムメイドや自作の世界が大きく広がっていたからだというのは否定できないと思う。という意味での「発展性」などには興味はないが、自分が欲しい機械が絶対的に狭いニッチとしてしか成立し得ないことを認識すれば、量産品に期待をかけることは難しい。
 Morphy Oneの第1ロットはわずか800台程度らしいが、その程度の超少量でも設計から生産まで実現できることを示した意味は大きい。もちろん、その実現までにはプロジェクトの中枢にあった人たちの犠牲があったことも忘れたくはないのだが。創造的な作業に犠牲という言葉は不似合いかもしれないが、やはり様々な現実との折り合いの中で犠牲になったという観は否めないように思う。
 Morphy OneのOneには始まりであって終わりでないという意味が込められているのだと思う。全てのデータがオープンになっているMorphy Oneならば、それぞれにとって物足りないところを付け足すことも可能だ。実際、「AMDの最新モバイルチップを使いたい」とか「やっぱりカラーVGAじゃなきゃヤダ」という声はあるようだし、それが実現していく可能性も常に残されているのだから。
 しかし秋に届くのか。そこまで待つのならやっぱりつなぎにCE機でも買っておくべきだったか(この辺がへなちょこ)。