Strange Days

2002年02月23日(土曜日)

走れ、真鶴半島に!

22時00分 自転車 天気:晴れ BGM:Survive(の終わりの方)/VAI

 前日、早々と寝入ったので、朝は8:00に目覚めた。ただし、気を抜いたら気絶していて、8:30近くになっていたが(滅)。
 今日はどこに行こうか前日まで迷っていた。三浦半島をMR-4Fで走ってみたい気分もあった。BD-1、TCR-2では走っていたので、同じ場所をなあという気持ちもあったが、乗り較べるという意味では好都合でもある。しかし、やはり未知の場所を走りたいという気分が勝り、未走だった真鶴半島を走ることにしたのだ。
 朝は、例によって段取りが悪く、出発は10:10にずれ込んだ。おまけに、後で携行ストーブを忘れているのにも気づいた。幸い、他に致命的な忘れ物はなかった。
 最初、大磯まで輪行しようかと思っていた。しかし、だんだん遠距離(俺的には)を走る自信がついてきたこともあり、自走で行くことにしたのだ。
 まずは長後街道を境川までゆっくり走る。無理しないで、のったりと歩道を走る。境川サイクリングロードに入ると、25km/hくらいで南下して行く。ここも無理しない。境川サイクリングロードが途切れると、R467に抜け、そこからR30に入る。高架なんかで、自転車はどうわたればいいねん、と聞きたくなるような場所があるので困る。
 R30はやがてR134に合流する。ここからはひたすら走って行くだけだ。が、今日はいろいろケチがつく日だった。あちこちで道路工事されていて、その度に歩道がどっちか片方しか使えないとか、車道の場合でも車線制限があるような状況だった。ずっと車道を進んでいければあまり影響なさそうだが、渋滞気味の、大型車がブンブン通っているような場所で、余裕のない路肩を走りたくはない。そのせいで、思いのほか道行きは捗らなかった。
 ようやく花水川橋を越え、R1に合流した辺りから、それ以上工事に悩まされることはなくなった。ただし、R1の海沿いのルートは高架になって、自転車の通行は不可能だ。困って下道をうろうろしていたら、その高架の内陸側を走るサイクリングロードがあることに気づいた。これが太平洋岸サイクリングロードらしい。
 この辺で、ふと「段差を越える度に前輪がガタガタ言うなあ」と思い、調べてみた。うわっ、クイックが上がってます。やべえ。まあ普通に走る分に外れることはないが、なんかの拍子でと考えるとやはり怖い。足が当たって上がってしまったのかもしれない。
 その先、車道、歩道を使い分けながら、ひたすら西に走ったが、ここまでのロスは大きく、二宮付近で昼時タイム(お腹グー警告)を迎えた。小田原までは行けると思っていたんだけど。道沿いのコンビニでお好み焼きを買い、恥も外聞もなく駐輪スペースで食らう。これで栄養補給は良し。
 再び走り始める。栄養補給が効いたのか、国府津、小田原と順調に走ることが出来た。
 小田原着は14:00前。市街を通り抜けながら、「ああ、ここでポタリングしてお終いにするか」という考えが頭に浮かんだが、やはり真鶴までは行くことにした。せめて真鶴駅から輪行で帰ろう。
 小田原~真鶴間は、海沿いの道をひたすら走って行く。湯河原街道というのだげな。なるほど、湯河原に続く道なのだ(いや当たり前だけど)。
 根府川から真鶴道路に入る。真鶴道路のうち旧道は自転車交通可という事前情報があったので、迷わず突入。実際、何人かの自転車乗りと行き会った。あまつさえ、徒歩で行く人さえも(あれはいいのか?) ちなみに、同じ方向には一人もいなかった。
 この真鶴道路、走るうちに次第に高度を上げて行く。つまり、結構アップダウンがあるのだ。三国一の坂弱男である僕に、この仕打ちは無い。泣きながらクランクを回し続ける。
 この辺で、なぜかVAI(Steve Vaiが一時組んでたバンド)の"Survive"という曲を思い出していた。この曲の最後に、全然別の短い曲がくっついている。その歌詞の"I'm a Zooroo!"というのが、なんだか"真鶴!"と聞こえるように思えてならないのだ。そういえば、空耳アワーでは"尼僧侶!"と聞こえることになっていたな。
 真鶴道路のクライマックスは、料金所(自転車は20円なり)を過ぎた真鶴隧道だ。ここがたぶん、真鶴道路の最高点ではないだろうか。ここまでいい加減上り基調で苦しめられて来たので、この隧道内は亀のようなとろさで通過するのが精一杯だった。隧道を抜けると、眼下に小さな漁港と、それを抱く入り江が展ける。いやあ、この眺めサイコー! 来た甲斐があったってもんだ。
 その後は大きく下り、少し走ると、ほら、真鶴駅だ。ほっと一息つきながら、ここで帰ろうかと思案した。しかし、ここまで来たんだし、真鶴半島は小さいし、やはり真鶴を周回して帰ろうと思った。ところが、これがきついのなんの......。
 真鶴駅から走り出すと、すぐに真鶴港への下りになる。これがもう、嫌になるような下りだ。なにがって、少なくともこの分は上らなけりゃならないわけだし。やけくそで「お母さーん!」と叫びながら下る。
 そこからは、予想通りの嫌になるようなアップダウンだ。大体、三浦半島並みの高度まで、その1/10で登り降りする感じだ。コンデンス三浦半島と呼ぼう!(呼ばなくていい) 特にきつかったのが、琴が浜を過ぎた辺りのヘアピン。なんでこんな上りを作ったんじゃ~! ええ、道路計画担当者を小一時間問い詰めたいですとも。
 午前中の道路工事による妨害、小田原からここまでのアップダウンのおかげで、完全にへばってしまった。上りは時速10km/hを切るのろさで、カタツムリのようにのろのろと上がる。一番軽いギアでもきついくらいだ。
 それでも、休み休み、血を吐く思いで上りきり、ついに半島の先端に到着した。
 半島の先端には、小田急が経営する真鶴ケーブルパレスという店がある。食事と買い物が出来る。さらに遊歩道を降りて行くと、小さなみやげ物屋兼軽食堂もある。その2階は画廊喫茶になっている。
 ここからは三ツ石が拝める。また三浦半島、伊豆半島、大島も見えるそうだ。確かに、大島らしき島影がおぼろに見えた。
 真鶴ケーブルパレスでみやげ物を買いあさった。めぼしいものはない。大体、真鶴の名産が何であるかも知らないうかつな俺様だ。結局、"お茶金つば"なるものを無難に買ったが、良く見りゃ静岡の土産じゃねえか!
 再び(今の状態では)吐血もののアップダウンを過ぎ、再び真鶴駅に。ここで輪行しようかと思っていたのだが、気が変わった。湯河原までは下り基調のような気がしたので、走ってみよう。
 湯河原までは、思ったとおり下り基調だった。ところが、湯河原市街から湯河原駅までは緩い登りなのだ。緩いとはいえ、今の状態ではきつい。しかし、もう急ぐ必要もないので、ゆっくりこいでいった。
 やがて湯河原駅に到着。ゴールだ。これで神奈川県の海岸を、三浦半島から西は走りきった。
 駅前でMR-4Fの輪行準備をする。切符を買おうとしたら、降り悪く団体客がバスで降りてきた。段取りが悪く、なかなか捌けてくれない。ようやく切符を買い、ホームの売店でビールとおにぎりを買った。その時、山陰に日が落ちた。そして東京行き東海道線鈍行便に乗り込み、暮れ行く海を肴に、ごきげんなひとときを過ごした。いやあ、幸せ。
 疲れもあり、大森を過ぎた辺りでうっかりうとうと。いつのまにか戸塚に着いていて、慌てて飛び降りた。そしてフラフラになりながらも、無事に帰宅した。今日も楽しかった。いや、辛かったのだけど、そのうちにまた行きたいと思うようになるだろう。