Strange Days

2002年03月09日(土曜日)

走った走った走った食った! 多摩川ロングライド再挑戦

22時00分 自転車

 今日は神奈川支部主催の多摩川ロングライドに参加する。これはサイクル・スポーツ誌に掲載された多摩川周回ルートを走ろうというものだ。去年、@nak、にち、たか諸氏によって決行されたが、二子多摩川から南への進出がかなわず、是非リベンジをということで企画されたのが今回のツーリングだ。走る、食うのバランスが取れている(どっちも多めだが)カナ支部主催の企画にしては、走り側にかなり振れている。
 とにかく集合時刻に確実に間に合うよう、家を6:00に出発し、地下鉄、小田急、東急田園都市線と乗り継いだ。今日の獲物はBD-1だ。最初はロングライドでは楽なMR-4Fで出撃しようかと思っていたのだが、ダートがかなりあるといわれて、ダートもこなせるBD-1にしたのだ。
 車中でうとうとしながら、二子玉川に到着。駅前でBD-1を展開し、二子橋を渡った。集合場所はこの橋の下と聞いていたのだが、どっちの岸かは聞いてない。探すつもりで、とりあえず道が多そうな東岸に渡ったところ、ちょうど目の前を見慣れたBD-1Wが走ってゆくではないか。こぐ氏駆る重装備BD-1Wだった。こぐ氏に声をかけ、つるんで橋の下をくぐると、@nak(あ)氏の黄色いジャケットが目に入った。集合時間前に合流成功だ。
 集合場所には、いつもの@nak夫妻、同道してきたこぐ氏、Sat'R'Dayのまき氏の他に、分身が何人もいると噂される猛者ミキ氏、こちらは初参加の桑原氏が揃っていた。ミキ氏は俺的憧れのBikeFriday PoketRocketに搭乗。欲しいんだよなあ。でも円安だし、先にSat'R'Dayが欲しいので、買うとしてもずっと先のことになりそうだ。
 ところで、にち氏とたか氏は? 雑談しながら待つうちに、相次いで到着。これで前回メンバー4人+新参4人+途中まで応援(ミキ氏)と9人揃った。ところで、後一人いっとく氏が参加するはずなのだが。こちらは少し待っても到着しない。やむなく出発。いっとく氏が駆るアマンダ20インチも見たかったのだが。
 一行は、川べりのサイクリングロードを進む。道幅は狭く、所々荒れているのでちょっとつらい。あまつさえ、未舗装路も結構現れるのだ。と、それほど走らないうちに、@nak(た)女史にトラブル発生。パンクだ。僕はパンクに見舞われた事がないので、興味深くパンク修理を見守った。
 執刀者は応援団のミキ氏である。ベテランの氏は、18インチタイヤの固さにてこずりながらも、手際よくパンク修理をこなしてゆく。パンクの原因は、直径2mmほど、長さ2cmほどもある線材(?)だった。いやはや、どうやったらこんなものが刺さるんだ。そんな代物が垂直に刺さっていたために、チューブすら完全に貫通していた。ともあれ、それを抜き、パッチを張って応急処置完了。さすが、頻繁にパンクに見舞われるというミキ氏、手際は鮮やかだった。
 そこからはひたすら北上してゆく。川上に向かうにつれ、ダートが増えてくる。手首が弱い僕に、このバイブレーションは拷問に近い。それと、チェーンガードが無いせいもあって、2回もチェーンはずれを起こしてしまった。チェーンにテンションをかけてない状態で、シフトアップすると(つまりテンションをさらに落とすと)、チェーンホイールから落ちてしまうようだ。このことに気づいてからは、もうチェーン外れは起こさなかった。
 川原のダートを走るのは、やはりリスクが付きまとう。しかも、今日はロングライドということなので、自然に25km巡航になっているわけだ。そこで細かいトラブルが頻発し、徐々に全体のスケジュールを引っ張り始めた。集団走行ではこれが怖いのだな。
 川原を走っているとき、@nak(あ)氏が目の前で転倒した。路肩の段差にタイヤを取られての事故だった。幸い、怪我は無かったが、BD-3に着けたセキサイダーが曲がってしまった。段差は、小径車には大敵なのだ。僕は何度やられたことか......。
 所々に休憩を挟みながら走る。昼が近づくにつれ、これに道順確認の休止が頻繁に挟まるようになった。前回、小峰峠を目指しているつもりで、全然別の峠に入ってしまったという経緯もあり、現在地の確認は慎重だった。が、その割に違う道に入っていたりしてな(爆)。「リベンジではなく返り討ちに遭うのでは?」という声も聞かれた。それもまた楽し。
 ミキ氏とはこの辺でお別れ。小径ロードバイクといえるポケロケでダートは突っ走るし、すげえなあ。今日はMR-4Fでも良かったかもと少し思った僕だった(が、後でそれは思い違いだと悟る)。
 一行は支流に入り、徐々に細くなってゆく多摩川水系と並走しながら、次第に山奥へと導かれていった。八王子を過ぎ、いよいよ道は上りになってゆく。ここが小峰峠か? いや、雰囲気的にはまだまだなようだ。しかし、オフロードを飛ばしてきたりしたせいで、既にかなり疲労し始めている。坂に激弱な僕だが、今日は一つの発見があった。坂を登っているときには息をしなくては力が出ない(爆)。どういうことかというと、どうやら僕は上りでペダルに力をかけるとき、無意識のうちに息を詰めてしまう癖があるようなのだ。そこで、長距離走の要領で意識的に呼吸しながらペダルを回すと、そんなに苦しくは無い......こともないが、足が止まるほどではない。こういうことでも、意外に気が付かないもんだな。って、なんぼなんでもうかつすぎる。
 しかし、この次には峠を越えるのだ。ちょっと憂鬱になる。出来れば避けたいが......。やがて、一行は幹線から折れ曲がり、峠への道に入った。いよいよ峠の上りだ。
 ところが、目の前に現れたのは、それ以上の侵入を阻むフェンスだった。どういうことだ? 道は明らかに正解だという事だったが。
 そのフェンスに掛かっている看板、近くにいた作業員風の人々への事情聴取によって、ようやく事態は明らかになった。なんと、小峰峠は3月末まで工事中で、封鎖されているのだという。その代わり、武蔵五日市へと抜けるトンネルが、既に開通しているので、そこを使えということだ。小峰峠自身は、整備されて歩行者専用の道になるらしい......自転車はどうなるのよ?
 ともあれ、その新トンネルを通ろうということで、来た道をちょいと引き返す。そのトンネルは、ほとんど走るまでも無く見えてきた。新しそうな、広いトンネルだ。幸い、向かって右側の歩道がかなり広く、自転車での走行に問題無さそうだ。そちらを進むことにする。
 トンネル内は十分明るく、また前後のメンバーがライトを点けたので、僕は点けないで走った。走るうちに、速度がどんどん上がってゆく。お、これは、もしかして下り? そう気づいた瞬間、今までやや憂鬱だった気持ちが、一気に明るくなってしまった(笑)。現金なものである。ダウンヒルを楽しみながら走るうちに、やがてトンネルを抜け、小峰公園に到着した。
 公園にあるバイオチップ利用のトイレを利用したりしながら(確かにきつい臭いはしないが、ケッタイな臭いはする)、少し休憩。気分的には明るく、まだまだ全然走れそうだ。僕のメーターの読みでは、だいたい40km強を走ったところだ。
 さて、昼食の目的地までは後一息だ。小峰公園から下り、少し走ると、武蔵五日市駅前に出た。そこにあるやまねこ亭という店で、今回の昼食だ。
 店内は広くは無いが、8人全員が座ることが出来た。カレーが売りらしいので、僕はキーマカリーとデザートにケーキを頼む。なんでも自転車乗りのメッカらしくて、確かに店内には自転車関係の本が並んでいる。その中に、もう入手困難な東京サイクリングガイド西部編もあった。これ、5年前の発行なんだな。
 カレーはスパイスが効いているからか、単に重労働の後だからか、おいしくおなかに収まった。コーヒーを味わいながら、しばし休息する。
 さて、店を出ると後半戦だ。近くのコンビニで補給食の買出しを終え、また走り出す。道は、武蔵五日市駅の前からまっすぐに続いている。
 しばし、この幹線道路沿いに突っ走り、また川に行き当たった(この辺、着いていっただけなので、記憶があやふや)。川沿いのダートをまた走り(ダート走行が多いオフだ)、しかし春めいた眺めを楽しみながら下っていった。僕は少し神経質なディレーラーに注意しながら、25km以上で飛ばす一行に、必死に追随していった。
 やがて、川沿いのバーベキュー場のような場所で、また小休止。ここで持ってきていたVAAMの粉末を、水で流し込んだ。
 再び走り始める。川沿いの状態の良くない道を飛ばしてゆくので、疲労がどんどんたまってゆく。このまま追随できないのではと思い始めた頃から、徐々に足が軽くなっていった。VAAMが効いたのかなあ。
 福生市拝島近辺で道に迷ったりしながらも、やがて堀のように見える玉川上水に到達した。ここに沿って、ジモティに道を教えてもらったりしながら、延々と突っ走る。途中、小休止を挟み、また突っ走っているときだった。@nak(た)女史のPacific18にトラブル発生。またパンクだ。二度もパンクにやられて落ち込む女史に替わり、男性陣がパンク修理に挑んだ。さっきはミキ氏が片付けてくれたが、今度はパンク経験の少ない連中ばかりだ。かなり難航する。結局、同じカラータイヤの使用経験がある僕が、薄型のタイヤレバーを借りて外し、チューブを入れ替えて、修理完了。空気が急激に減ったわけではないことから見ると、過激な走行にピンホールが開いてしまった可能性が高いと見た。
 やがて日没前に、小金井公園に到着。ここでほっと一息。
 ここから、玉川上水を外れ、ところどころ市街地を経由しながら多摩川の支流、おそらく野川を下っていった、はず。はずというのは、あまり現在位置を考えないで、ひたすら一団に追随していったからだ。疲労で足は鈍りがちだし、容赦なくダートは突っ走るしで、こりゃハードだなあなどと思っていたもんだ。何度かダートに車輪を取られそうになって、際どい状態になった。落ちれば堤の下とか土手の下とか、かなり危険な場所もある。命懸けだよ。僕一人なら、無理せず幹線を通るか、輪行して帰ったろう。しかし多摩川周回という大テーマがある以上、簡単に進路を変えるわけには行かない。この傾向は、日が落ちてナイトランに突入して以降、ますます強まった。幸い、人通りは少なく、舗装されたそれなりに安全そうな遊歩道を走ることが増え、心理的な負担は多少減った。が、ここでトラブルがあって遅れれば、もう追随できないかもしれない。
 そういう焦りがとうとうミスを生んだ。うっかりテンションを掛けてない状態で、ディレイラーをシフトダウンさせてしまったのだ。次の瞬間、クランクから負荷がスカッと抜けた。チェーン外れだ。「ストーップ!」 爆走して行く一行の背中に叫んだ。幸い、こぐ氏が気づいて止まってくれた。チェーンをかけ直し、すぐに走り出す。もう、全く余裕もなく、ひたすら走り続ける状態だ。正直、この辺では全く楽しくなかった。せっかくおいしいとこ取りできるフォールディングバイクなのに、などと愚痴っぽく考える暇もなかったのだが。
 実は、時間的には出発地点の二子橋に戻っているべき時刻だったのだが、その頃にもかなり上流を走っている状況だったのだ。余裕がないはずだ。今日は細かいトラブルが累積して(そのうちかなりは僕が生産したのだが(爆))、次第にスケジュールが逼迫する結果となったのだ。8人も参加したツーリングだ。そのそれぞれに少しでもトラブルがあれば、全体のスケジュールが遅れてしまう。次回、もしも本気で周回をやり遂げるのなら、少数精鋭で望むべきではないだろうか。多人数のツアーでは、無理のないスケジュールに納める方が吉だと感じた。
 しかし、物事にはなんでも終わりがある。ナイトランで羽田まで行くか、という話も当初はあったのだが、予想以上のスケジュールの遅れに、とうとう出発地点の二子玉川駅でゴールにしようということになった。市街地に入り、やがて「あれがゴールだ!」と指さす場所に到着。なにがなんだかわからないが、とにかく終わった(笑)。かなりハードだった。特にダートが。
 駅近くの中華料理屋で打ち上げをやろうということになり、その前に自転車を止める。サイクロコンピュータの積算距離計から、今日の走行距離を計算した僕は、思わず笑ってしまった。100.1km。ぴったりセンチュリーkmを超えたところだったのだ。
 中華料理屋に首尾よく席を取り、皆思い思いに注文する。やっぱりこれでしょう......ということで、僕は黄金色の液体を注文。みんなでそれぞれ注文の飲み物を差し上げ、乾杯! くぅ、うますぎるぜ。ともあれ、この一口があるから、辛い100kmも許せるってもんだ。
 今日は走るばかりで食う方はおとなしいと思っていたら、最後にやりました。いやまあ食うは飲むは食うは。次々に注文が出され、テーブルに届く度に瞬く間に片づいて行く。神奈川支部の本領が発揮される瞬間だった。
 その後は、駅前のコーヒースタンドで喫茶する。しかし、僕などもう何も話す気力もなく、テーブルに突っ伏す始末。まもなくお開きとなった。
 ぶったまげたことに、僕以外のメンバーはみんな自走で帰るんだとか。僕より遠いたか氏までもが自走するのには参った。僕は体の声に素直に従い、輪行で帰る。
 帰りの車内で5分ほどうとうとしたら、少しは回復した。うむ......これはもしかして、朝から寝不足だったのだろうか。思い当たる節はある。でも、基本的に100kmを連日走破する体力は、僕にはないようだ。
 もし、次回があって、参加することになったら、MTBを担いで行くことにしよう。

さそり座見ゆ

07時00分 星見 天気:晴れてるねえ

 前日、昼間に眠りすぎて夜寝付けず(いつものパターンだ)、4時間ほどの睡眠時間で5:00に起床。こんな早起きは何年ぶりだろう。
 起き抜けに空模様を眺めていたら、おや、真南に見覚えのある星座が。さっそくCANON18*50ISを向けると、やはりさそり座だった。まだ冬は終わりきってないが、夏の星座はもう上り始めているのだな。
 今朝は昨日の春一番で低層の大気が入れ替わったのか、かなりの透明度だった。いきなりだが、M4のボーっとした塊がほのかに見えてくる。暗順応が進んでない状況でこれだから、今日はシーイング最高だぜ。
 さそりの尻尾に向けると、ほらあった、M7だ。冬のオリオン座M42とともに、お気に入りのM天体の一つだ。とにかくでかくて、見ていて飽きない。
 一方、オリオン座のシーズンは、もうそろそろ終わりだ。久しぶりに、ベランダに望遠鏡を出すか。