Strange Days

2006年05月20日(土曜日)

天気の神に翻弄される

19時46分 暮らし 天気:晴れ一時雨

 昨日の予報によれば、きっぱり雨と言うことだったのだが。
 昼前に起きると、なんか空が明るいぞ。爽やかな青い空が広がっている。雨雲なんざかけらも残って無い。予報は外れか? しかし、11:00の予報を見ても、相も変わらず降水確率70%で雨、となっている。久々の大外しか。いやいや、昨今の空は油断ならないので、本当に降るかもしれない。もう少し様子を見よう。
 我ながら慎重に、もうしばらく空模様をうかがっていた。14:00になっても晴れです。ああ、もったいないくらいの晴れ空だ。こんな日に外出しないなんて。さすがの僕も、大丈夫だろうと見切りをつけた。13:30のレーダー画像を見ても、雲なんざ箱根の上にちょろっと掛かっているだけだ。
 せっかくの青空なのだからと、久しぶりにBikeEを持ち出し、青空の下を気持ちよく走り出した。――気象の神のどす黒い笑いが、辺りに木霊しているとも知らず。
 境川を南下してゆく。BikeEの外装ギア化はカプレオ式にしようかな、などと気楽に考えつつ走っていると……。なんか、バックミラーに映る北の空が暗いんですけど。えーっ、雲なんか、かけらもなかったのに。しかし、不気味な雲は、確かに広がってゆく。狐に摘まれたような気分だ。その瞬間、僕の耳に、天気の神の哄笑が確かに聞こえた。"良くぞ走り出したな、まんまと罠に填まりおって!"と。
 まあ、雨具も持ってきたしと、努めて気にしないようにしながら、とりあえずサイクリングロード南端を目指す。本当は藤沢のハンズに寄りたかったんだけど。しかし、リカンベントの広い視界を、次第に雲が覆ってゆく。追いつかれたか。晴れ間を追いかけるようにして、南に下ってゆく。
 南端の休憩所に着き、缶コーヒーで一服する。もう晴れ間は、はるか南海上へと駆逐されてしまった。やれやれ、降り出すまでに戻れるかな、としょんぼりしていたら、ポツリと来た。もういらっしゃいましたか。やや慌てて、来た道を引き返し始める。本降りになるまでに戻れるか。
 しかし、横須賀水道の手前で、雨粒が大きくなってきたのに気づいた。水道橋の真下に逃げ込んだ。同じように、雨に降られた人々が、やや途方にくれた顔で、次々に逃げ込んでくる。
 これは、通り雨かもしれない。でも、もう夕刻は近い。さっさと帰らないと。覚悟を決め、雨具を着込んで、走り出した。BikeEたん、家を出る前に清掃したばかりなんだけど。
 雨はかなり強く降っている。上半身は合羽を着ているので平気だが、下半身はジーンズだけ*1なので、あっという間に濡れ濡れになっちゃった。これで雷でも鳴り始めたら完璧だ。しかし、そればかりは免れた。
 こんな雨の中でも、ウォーキング、ランニングの方々は結構通行している。まあ、こんな雨に遭遇したら、諦めて家まで走るしかないのだが。
 レインキャップのおかげで、リカンベント特有の現象、顔面に雨粒を浴びるというそれは免れた。しかし、安物の合羽は次第に染みてくるし、ジーンズは絞れば水が滴るほどに濡れるし。ワシ、なんかした? 空の神様を問い詰めたくなる。まるで誘うように青空を見せつけて、折り返し地点に来た途端に降り出すなんて。
 これはアレか、むしろツンデレか。『べ、別にあんたが来てくれたってうれしくないんだからっ。あんたのために晴れたんじゃないんだからっ!』とかな。誰がだ。
 しかし、家路も後半という頃になって、次第に雨が穏やかになり始めた。そういえば、北の空が明るくなってきた。ああ、読めましたよ、そういうことですか。俺が走っている間だけ降らせて、帰った途端に止ませようという訳でしょう。わー、さすが空の神様だー(棒読み)。
 家の近所の公園に差し掛かったら、さーっと明るい日が差してきた。やはりな。見事、誰ぞの掌で踊らされたわけだ。"どうだ、たっぷり雨を味わったか。それではわしも帰るとしよう"という声が聞こえそうだ。むしろ晴れを味あわせてください。
 いささか釈然としない思いで、次第に晴れ上がってゆく西空を見つめていた。まあ、けちもついたし、また降られないとも限らないので、帰ることにするか。そう思って振り向いたら――
 やはり神様は、俺なんかよりも遙かに上手なようで。