Strange Days

2008年12月10日(水曜日)

airpen mini≒ゴミ寸前

23時55分 デジタルギミック 天気:くもり

 某茄子の日だったので、久しぶりに定時退勤。だがkonozamaな荷物が届く予定だったので、さっと帰宅。晩はすき焼きにしたところ、肉を入れすぎて野菜が少ない不健康な鍋になってしまった。
 さて、amazonからの荷物は、20:00を過ぎた頃に受け取った。中身はairpen mini、その他はそろそろ買い換えたかったeneloopなどの小物だ。
 airpen miniは箱の体裁といい、レシーバーといい、airpenよりも低価格なのが売りだったMVPenとそっくりだ。ってか、そもそもがairpenそのものがMVPenのライセンスを受けたものらしい。しかし、肝心のペン本体が、従来のMVPenと違っている。MVPenの欠点をかなり潰したというのが売りだ。
 早速、適当なチラシの裏に試し書きしてみよう。レシーバは書類用のクリップと一体化されている。大体20枚程度までなら挟めそうなサイズではある。しかしノート一冊挟んでとなると苦しそうだ。
 ペンの書き味はボールペンそのもので、可も無く不可も無い。ふつうにメモ用に使えるというところだ。しかし高級ボールペンの書き味には劣るのが残念。適切なペン先に換えれば改善できるかもしれない。
 さて、レシーバーにデータが溜まったようなので、おもむろにPC側をセットアップする。リモートデスクトップに使っているAthlon64 WindowsXP機にインストールする。レシーバからデータを受け取るもの、OS上で手書きパネルをエミュレートするもの、二つインストールする。そしてレシーバからデータを受け取るべく、起動するや……。アプリケーションエラーですか!
 再起動しても、再インストールしても駄目。なんでやねん。ペンテルのサポートページを見ても、これに類する情報は無い。
 仕方ない。WindowsXP64機に入れよう。しかし、やはりアプリケーションエラーだ。説明書を詳しく読んでみたが、これという注意事項は見当たらない。えーっ、という感じ。俺様、涙目。
 苦し紛れに、リモートデスクトップの踏み台に使っているWindows2000なLibretto L3に入れたところ、これはようやくアプリを起動できた。レシーバをつないで、データ転送も問題なく出来た。
 ダウンロードされたものは、筆跡のベクター情報で、これを画像として閲覧することも、他のフォーマットに変換することも可能だ。筆跡は驚くほど再現されており、メモとして一読するには十分だ。
 さて、やりたいのはこれをテキスト化することなので、変換してみた。しかし、ここで大きな問題が発覚したのだ。
 このアプリ、縦書きには対応してない(身も世も無く泣き崩れ中)。必ず横書きとして処理する。読み取り方向の変更は出来ないのだ。本当に横書き固定なのだ(激しく嗚咽を漏らしつつ号泣中)。
 参ったな。個々の文字の認識は出来ているし、認識率も高そうなので、横書きで使うなら問題は無いだろう。むしろメモ書き用としては便利かもしれない。しかし、僕はこれを原稿用紙で使いたいのだ。我々の業界*1では、原稿用紙は縦書きと決まっているのだ。それがデファクトなのだ。そして最終的なアウトプットも、紙を指向するならば縦書きであるべきなのだ。
 まあ、アウトプットの方はなんとでもなる。縦書き専用エディタだってあるのだし。しかし、肝心のインプットで、こんなことで躓くとは。
 ちなみに、この『縦書き認識不可』という点は、外箱には全然記述されておらず、文字認識アプリのヘルプに、注意事項としてこっそり書かれているのが心憎い限りだ。ちょっぴり目立つようにアスタリスクを付けたりしてな。そんなもん、後で読まされても嬉しくねえ。製品概要で分かるようにしろ。ちなみにペンテルの製品紹介ページにも、表と表の間にこっそりとかわいらしく記述されておりました。ふつう気づきません。
 ペンテルとしては、それはあくまでも文字認識アプリの問題であって、ペン本体には関わりが無いということなのだろう。然り。されど、一つのシステムとして、期待したことが出来なかったのは確かなのだよ。
 アプリの不安定さといい、この1件といい、大いなる期待を裏切られた思いだ。机上に転がっているペンとレシーバがゴミに思えて、捨てたくなってしまった。
 しかし\13000は惜しいな。ここで、発想の転換をしようではないか。横書き用の原稿用紙を使えばいいのだ*2
 考えてみれば、横書きにすると、英数字との親和性、ルビの振りやすさなど、有利な点も多々あるのだ。どうせアウトプットで縦書き指向に調整すればいいんだから、最初は横書きでも良いんじゃない? とはいえ、なんだか安易な妥協だなあ……。
 もう一つ、縦書き認識できる文字認識ソフトに食わせるというのも手だ。が、この手のものは非常に高い。といって日本語対応の文字認識ソフトは、フリーのものが非常に少ないのだ。横書き原稿用紙で妥協するか、文字認識ソフトを別途入手するか。
 いずれにせよ、このままではゴミに等しくなってしまうので、活用法を模索せねばだわ。