Strange Days

2008年07月21日(月曜日)

遠野周遊初日

22時44分 , 自転車 ( 自転車旅行記 ) 天気:くもりやら晴れやら

 朝食は7:00からだった。ちょっと不調だなあと思いつつ朝食を取り、すぐに出かければいいのにぐずぐずしていた。結局、、自分の出立は9:00前になってしまう。その間、遠野YHの周りをうろうろしたり、出立する人々をぼけーっと見送る
 とりあえずSatRDayを漕ぎ出す。昨夜の観光案内を聞いて、荒川高原だの早池峰山だのといった高所に登りたいと思っていたのだが、体調が悪すぎてその気になれない。とりあえず、YH周辺散策に目標を変更した。
 とりあえず、山崎のコンセイサマ*1を見に行こうと、北に向かう。途中で伝承園の近くを通ると、まだ早いので人影がない。人気のないカッパ淵も良さそうだったので、急遽立ち寄る。
 常堅寺の裏手に回るとカッパ淵。ご覧の通り、今は淵でもなんでもない小川で、河童が潜む場所などなさそうだが、かつては深い淵だったそうだ。そこで浚渫する計画もあるとか。そこまでやるかな。
 山崎のコンセイサマは、その名の通り山崎部落にある。そこまでは結構な上りだ。途中、道端に思わせぶりに珍々型岩が設置されているが、本命は登りきって祠の中に収められている。高さ1.4mの自然石だとか。すぐ裏手に東北大学理学部の地震観測装置が設置されており、この珍妙な取り合わせに感じ入った。珍々岩の背後に地震観測器か。なんか丸いものが2つ並んでブーラブラしている様を思い浮かべてしまったではないか。
 コンセイサマの祠への上り口には、休憩所とトイレが設置されている。そこの自販機でコーヒーを買い、気力を奮い起こす。体調はますます悪化中。まあ、この辺をノタノタ回るべ。休憩所から南を見下ろすと、濃淡様々な緑に象られた遠野の村落を見下ろせる。なんともフォトジェニックな盆地だ。雲は低く、やや陰鬱な暗さがあってあはれなり。そんな時の彼方に霞んでいるような遠野だが、花の季節ということもあって、方々に彩を添えている。路傍の石と花を撮る。柳田は『路傍の塔石多きこと他国に比類なし』なんてことを書いていたと思うが、確かに凄く多い。これでも随分減ったのだそうだ。
 次は山口の水車小屋に行こう。ここも多少の上りがある。時期的なものなのだろうか。郊外に出るとどの家の周りにも、道端にも、花が丹精されている
 山口の水車小屋は、相も変わらずギッチョンバッシャンとばかりに回り続けていた。緑濃い遠野の水田で、黙ってかつての役目を果たし続けている。
 デンデラ野に向かう途中、道端に古参道と思われる鳥居を見つけた。
 デンデラ野では、実は去年立った草地の背後に、杭となんぞの藁葺き小屋があるのを発見した。小屋の中は泊まれそうな感じだ。虫どもに責め苛まれそうだがな。
 昼食時が近いので、ちょっと離れたふるさと村に向かった。ちょうど昼時で、食堂のほとんどを予約席が占めていたが、他に客が居なかったので助かった。今回は蕎麦を。ここも案外に美味しい蕎麦を出してくれる店だ。
 ふるさと村を散策する。ちょっと歩き回る気になれなかったので、こびるの店で団子など頂く。こびるとは、小昼と書いておやつを意味する言葉だ。
 ふるさと村を後にする。とりあえず市街地で休憩しながら見て回ろうと思い、駅方面に走る。こっちに来て驚いたのが、涼しいことと紫陽花。30℃を超えることは無く、紫陽花は盛りだといわんばかりに青々としている。
 遠野駅周辺では、遠野城下町資料館と博物館で時間を潰す。城下町資料館は遠野南部家の遺産などを展示している場所。大名行列道具の中に、鞘ごと刀を入れて運ぶ筒というものがあった。すると鞘の役割ってなんぞやという疑問が湧くが、これは鞘そのものに美術的価値が生じた故と解くべきだろう。
 早めにユースに帰り、ベッドでゴロゴロしていたら、夕食の時間になった。このユースの夕食は初めてだが、コレは美味しい。『XXの名産はYYでしょ、だからたっぷり使ったよ』という方向ではなくて、素材を吟味して普通の料理にしましたという方向性を感じた。野菜の多くは自家栽培の、しかも無農薬のものだという。コレだけ不調だから喉を通らないだろうと思いきや、完食してしまった。
 夕餉の際、このユースの裏手で蛍を拝めると聞いてびっくりした。裏手も裏手、駐輪場のすぐ裏だという。そこに排水溝があり、ちょっと藪が覆っている。そこに数十匹の蛍が群れているのだ。今年は横浜で見たが、あれよりずっと多くて、しかも体に止まりそうなくらい近くで見物できた。時期的にヘイケボタルだろうと思いきや、ゲンジボタルだとのことだった。かなり気温が低い*2なので、狂い咲きならぬ狂い孵化だろうか。
 21:00からのお茶会でおしゃべりして、すぐに就眠した。