Strange Days

2009年01月13日(火曜日)

Exilim FH20をもう少し

22時02分 デジタルカメラ 天気:晴れ

 今日は朝から少し頭痛があり、会社でも調子が出ない。定時で退けたが、遠回りしないでさっさと帰宅した。
 さて、FH20をさらに弄繰り回す。連写時に撮影枚数を掴みにくいと書いたが、撮影音再生ありで何度か試していたら、慣れたのかまあまあつかめる様になって来た。というか、撮影音無しだと高速連写時の開始終了もつかめなくなるので、これは必須だと思った。安っぽい音ばかりなのが難だけど。
 単写モードの画像設定が連写モードのそれに引きずられる現象だが、単純に単写→連写→単写と切り替えても出ない。さらにフラッシュ連写にまで切り替えてから戻すと、7M画素モードになってしまっている。これは、今のところ気をつけるしかない。ファームウェアのアップデートで直して欲しいな。
 ところで、これには期待を込めて16GBのSDカードを入れたのだが、実はRAWモードで撮影すると1枚撮る毎に数秒ほども記録に時間をかけている。これはRAWでは実用的でないので、9M画素/Fineの設定で撮っているのだが、この場合だと実に4000枚ほども撮れてしまう。一方、GX200には8GBのカードを入れているのだが、こちらはRAWで取っているため、これでは400枚強しか撮れない。
 そこでカードを入れ替えてみた。最初、お互いにカードを認識しない挙動不審なところがあったのだが、一度PCでフォーマットしてから、それぞれのカメラでフォーマットすると認識できた。おかしいな、PCからだと単なるFAT32フォーマットにしか見えないのに。
 そうしてFH20で高速連写を試してみると、なぜか記録時間が短縮されている。GX200に譲ったのは高速化を謳っているPhotoFastのDualCore/DualChannelカード、FH20に移ったのはトランセンドの単なるClass6カードだ。PhotoFastのだと40枚連写から操作可能状態*1になるまで15秒掛かっていたのが、トランセンドだと10秒そこそこに短縮されたのだ。こいつの方が速いのか。まあ、どっちも高速を謳ってはいてもClass6対応って表現だから、実際にどれくらいの転送速度かはやって見なければ分からないのだ。
 ともあれ、入れ替えた結果、GX200では800枚以上撮れるようになり、FH20でも2000枚は撮れる。十分だ。しかし、FH20で高速連写すると、一度に40枚ずつ増えるんだよな。そう考えると、やはり出来るだけ高速で大容量のカードが要るのだろう。サンディスクの超高速SDが安くなったら考えよう。

Exilim FH20は普通じゃないデジカメ

11時05分 デジタルカメラ 天気:寒いねえ

 三日間、FH20を使い続けて、大体こいつの正体が見えてきた。こいつは普通のデジカメでは出来ないことが出来る代わり、普通のデジカメでは出来ること*1が出来ない、あるいは難しい奴だ。
 普通のデジカメでは出来ないことは良いとして、普通のデジカメでは出来る事が出来ないのは困る事もある。
 例えば、静止画の連写をしたい場合がそれに当たる。連写ならこのカメラの独擅場ではないか。しかし、通常の、つまり比較的低速の連写を考えると、こいつは途端に不器用な奴になるのだ。
 FH20の場合、まずモードダイヤルありきで、これで単写、連写を切り替える*2。連写モードには高速連写とフラッシュ連写がある。フラッシュ連写は必ずフラッシュ発光を伴う特殊な撮影だから*3、当然高速連写で、連写速度を低速に調整してとなる。ところが、この高速連写モードで、というのが曲者。
 まず、高速連写モードでは、RAWはもちろん、900万画素目一杯使った撮影も出来ない。CMOSの中央800万画素相当からという設定になってしまうのだ。CMOSの読み出し速度の問題らしい。が、これが連写速度に関わり無く適用されるのは参る。
 また、こいつは完全電子式シャッターなので、今何枚撮ったかが非常に分かりにくい。シャッター音を発生させる*4事も可能だが、タイミングが微妙にずれていて、どうにも制御しづらいのだ。
 そもそも、FPSを低速に調整してしまうと、自慢の高速連写をしたい時に、いちいちメニューから再調整しなければならない。本当は、低速でもフル画素で連写できるモードが別に欲しいのだが。
 そんな奴なので、こいつではブラケット撮影が出来ない。まあ使うかと言われると滅多に使わないのだが、いかにも『デジイチと勝負しまっせー』という面構えなのに、機能的にことごとく劣るのは悲しいもんだ。
 他にも、MFの耐え難いほどの合わせ辛さも弱点だな。イマドキの高倍率ズームデジカメなら、MFにもそれなりに配慮されているものだ。しかしこいつの場合、そのMFがおまけ程度でしかない。FH20でのMFは、背面十文字キーの左右で合わせるのだが、長押しした場合の高速モードと、チョン押しでの低速モードの差が大きすぎて、物凄く合わせづらいのだ。またMF時に強拡大*5されるのもイマドキのデジカメらしいのだが、さすがに520mmの望遠端でのそれは、むしろ迷惑だ。もう少しズーム量を抑えてくれたらいいのだが。この辺、PowerShot SX10や、Lumix G1でのそれがあまりに出来が良かったので、比べてしまうと『こいつは使えない!』と思うくらい使いづらく感じた。実際、PowerShot S3ISに比べても、ピント合わせが難しいくらいだ。
 他にも、高速連写時の有効画素サイズ*6に、単写モードのそれも引きずられる*7、などなど、細かい部分での使い勝手がどうにもこうにもなのだ。これ、本当にF1から改良された機種なんだろうか。
 とはいえ、普通のデジカメでは出来ないことが出来るのも確かだ。この前の翡翠との勝負でもそうだったが、高速連写はやはり強い。あれをD90で撮ったなら、絵的にも使い勝手においてもずっと楽に渡り合えただろう。ところが4.5FPS程度の連写速度では、翡翠が水に潜り、すぐに飛び出してくるまでに、ほんの数コマしか撮れないことになる*8。FH20なら、10~20コマくらいは撮れる。これなら、翡翠が突入した瞬間、水中を進む様子、反転に移った瞬間、飛び出してきた瞬間と、ほぼ確実にモノに出来るだろう*9。もちろん、高速連写だとかなり暗くなる*10とか、前述のMFの問題とか、乗り越えなければならない課題はある。でも、特殊なことをしようとすれば、特殊なコストが掛かるのは仕方ないとも思うのだ。
 このカメラの存在価値は、高速連写、高速動画、ムーブインアウト撮影など、特殊な芸にあるのは間違いない。でも、その他の、普通のデジカメとしての機能が、ことごとく完成度の低いものに留まっている。減点法ならどうしようもない奴なのだが、一芸に秀でているという意味では換え難いものがある。そこをどう評価するかだろう。
 とりあえず、スナップカメラとしては十二分に使えるから、僕としてはあんまり問題を感じない。低速連写はいつも保険代わりに使っていたくらいで、別に使えなくて困るようなもんでもない。しかし、PowerShot S3ISの後継としてはどうだろうか。やはり、あのカメラのそつの無さと、このカメラのピーキーさは異質なものだ。この先、いざ当たり前のことをしようとして、また困る事が起きるかもしれないな。