Strange Days

2015年02月21日(土曜日)

オリンパス O-MD E-M5 Mark.II試写

20時36分 デジタルカメラ , 自転車 ( 自転車散歩 ) 天気:晴れ

 今回のCP+で、密かに*1注目していたのが、オリンパスの新機、O-MD E-M5iiだった。Markiiになり、EVFがE-M1と同等になり、5軸ISが5段分に強化され、など、充実の基本機能が魅力的だ。防塵防滴というボディに併せて、従来の14-150mmも防塵防滴でリニューアルされたこともありで、これは自転車用カメラとしての適性が大きいと思った。
 だが、あの軍艦部のデザインはなんだろう。特に、模造ペンタ収納部ともいうべき部分は。なにせフラッシュライトも内蔵してないので、あの出っ張りにはなんの必然性もない。それなのに、いやそれだからこそのだろうか、これはまた随分と図々しくも目立つデザインにしたものだ。こんなものをつけるくらいなら、上面液晶インジケータを一つ足せばよかったのに。なんというか、買う気が失せるデザインだ。まあ買ったんだけど。
 実は、CP+のオリンパスブースで、実機を触る機会があった。1度目行った時には30分待ちだったので諦めたのだが、次にふと見た瞬間には、明らかに列が半減している。たぶん、ニコンとキヤノンで、それぞれ催事が始まったタイミングだったからだろう。そこで並んでみると、案外に10分ほどでトライアウトの栄誉に与れたのだった。その時の印象で、マニュアル操作のしやすさと、EVFの見やすさ、そして軽量さを確認できていたので、これはもう買うしか無いと思ったのだ。醜いペンタ部に関しては、目をつぶろう、と。
 昨日、まだ頭痛に苦しんでいる時間に届いたので、ロクに触れなかったが、今日はじっくり触る。まずは長後に向かい、ココイチでカレー分を補給する。だいぶ食が細っていたので、カレー補給は重要。
 境川を下り、いつもの鉄塔ポイントへ。
 E-M5iiのオブジェクトとしての印象は、Nikon 1 V2よりもわずかに大きく感じられ、一回り重く、そしてホールディングはかなり劣る印象だ。大きさが変わらないというのは凄いが、やはりどんなに頑張っても4/3インチと1インチという撮像素子のサイズ差が、主にレンズにあらわれてしまう。それが重さの差となった。そしてホールディングという点では、実に馴染むV2に対して、グリッピングの心細さ、小さい割に重い点が仇になっていると感じた。でもまあ、及第点。ただ、ストラップの取り付け位置が、どうしても邪魔に感じてしまうのが難点だった。他に移動しようがないよなとは思うが。これも利点があり、長いレンズを付けた状態でも、背中に回すとレンズが上に向く状態で安定するのだ。レンズに余計な力がかからないし、EVFと背面モニタに汗が付かないので、これは便利。
 鉄塔に沈む夕陽。これは添付されているオリンパス ViewerでRaw現像したもの。ある程度自動調整で処理した。なんと、オリンパスRawデータはLightroomで処理できないので、これで処理するより無い。これは大きいビハインドだ。このソフトウェアは、画像処理の機能はかなり使いやすいのだが、ファイル名のバッチ自動生成が無いなど、他のRaw現像ソフトに比べると、小技が効かない。
 画像そのものは、ニコン1に比べると、さすがにダイナミックレンジが広く、ニコン1だと手前の耕地か、夕陽周辺の雲が完全に飽和してしまうはずだが、持ちこたえている。
 操作系としては、マニュアル操作が簡単で、フォーカスも感度も絞りシャッター速度も、上面ダイヤルを使って自由に制御できる。ニコン1 V2は、フォーカス以外はある程度簡単にできるのだが、それ以上に優位性を感じた。なんといっても、マニュアルフォーカスが実に快適。ただし、フォーカスリングが敏感すぎるのか、ズーミング操作するだけで、*2フォーカスアシストのクローズアップが始まってしまうのには、やや閉口した。フォーカスピークは、高精細のEVFのおかげで、実に分かりやすい。フォーカスエイドのおかげもあって、一眼レフに対して、優位な点すら感じた。
 ピナレロくん。オリンパス Viewerの自動補正を掛けてあるのだが、結構露出高めに補正する癖があるようだ。背景が割りと白飛びしかかっている。
 補正なしでRaw現像したデータ。ディストーションは、かなり丁寧に補正されているようだ。というか、このソフトウェアでろくに補正できなかったら、大抵のユーザはキレるよ。
 14-150mmの望遠端で、旧エンパイヤホテル現薬科大図書館のクローズアップ。もう陽は落ち、望遠端での狙撃にはちとつらい状況だったのだが、5軸5段の手ブレは強力で、綺麗に撮れた。しかし、ここまで手ブレが強力だと、特にクローズアップ時には画面が手の動きを慕って付いてくる感じが強く、被写体の微調整にはやや癖がある。半押しを解除すれば、ISも止まるので、そこを気をつければいいのだが。
 全体的に、欠点よりも利点を強く感じた。旅カメラとしてはともかく*3、自転車散歩時のお供としては、非常に有望だ。
 帰路、ふと見つけた、道脇の梅。マクロでも結構寄れるし、マニュアルフォーカスも決めやすいので、こういう花ものも撮りやすい。