ちょっと前、こば氏からおいしい話を持ちかけられ、サクっと乗ったのがこのツーリングだ。マイル消化の関係で、ANAチケットがお安く手に入るらしい。そこでテキトーな行き先を求めたら、山口宇部空港への便となった。そして芋づる式に行動概略を決め、この旅とあいなった。要はふぐでしょ。
さて、朝2くらいの便で山口宇部空港に飛ぶべく、羽田でこば氏と合流。どっちもBromptonでの行動だ。
飛んだ山口宇部空港は、意外にといってはなんだが、まあともかく想像よりは栄えた空港だった。近隣の空港といえば広島、萩石見、そして北九州だが、それぞれ鉄道でも1~3時間かかる場所にあるからだろうか。
空港からは、バスで下関に移動した。終点下関駅で下車する。そこからが、自転車旅の始まりだ。まあ、空模様はいまいちだが……。
ちょっと走ると、
ランドマーク的なビルが突っ立っている。かつてはこの前まで岸壁で、埠頭と、直接接続する鉄路が走っていたらしい。
昼食は、この近所の店で、くじら料理。僕は
鯨のカツ定を。まあ、微妙な獣臭さが鯨っぽいか。竜田揚げを頼めばよかった。
今日の宿は、関門大橋の下関側にある。そっちに向かって走る途中、神社の駐車場に『世界一のふくの像』という看板を発見。そりゃあ、
河豚の像なんて作りたがるのはここだけだろうよ。
いよいよ、関門海峡を越える。といっても、
関門大橋は自転車歩行者の通行は不可能なので、関門トンネルに付随している人道
橋トンネルを通ることになる。そこまではこういう
入り口からエレベータで下るのだが、自転車は通行料\20を徴収される。押してゆくしかないのだが。
降りると、こういう
直線のトンネルが走っている。純粋な観光客の他は、どうやらジョガーが屯っている模様。側道がないので、横からの飛び出しが一切無く、ジョガー的には安心して走れる空間なのだそうな。自転車はしずしずと押して歩いた。
地上に出る。ちょっと雨がなあ、と思いつつ、小倉方面に少し走った。振り返ると、丘陵越しに橋が見える
絶景だ。橋の掛かっている半島の北端辺りから、JR門司港駅辺りまで、こういう可愛らしい
トロッコ電車が走っている。港湾鉄道の再利用かもしれない。
門司港近辺は綺麗に整備されていて、こういった
趣きのある建物が残されている。港にあるこういう建物は、大抵そうなのだが、この建物はかつての税関だったそうだ。
さて、雨が心配になってきた。が、食いしん坊のこば氏は瓦そばなるものを食べたいという。港にある店に入ると、熱した瓦に載せられて、
こういうのが出てきた。これで2人前。時間が経つと、熱でそばの下の方がカリカリになるのだが、それが結構美味しい。B級ジャンクフードの王道をゆくような料理だ。しかし、これって秋吉台近辺で出される禅師河童そばに激似だな。どっちが先だったのだろうか。
関門トンネルに戻る途中で、雨が非常に強くなってきた。見つけた軒先で雨宿りし、隙を見計らってトンネルまで戻ったが、今度は下関側から宿まで行くに行けなくなってしまった。宿はすぐ近所なのだが。仕方ないので、こば氏が宿に送迎を依頼すると、車で迎えに来てくれた。これで今夜の宿、
源平荘にやっと辿りつけた。1泊18k\なりと、結構なお値段だが、どうせなら河豚を楽しみたいねと、ここにした。ここからは関門大橋が見えるが、目の前に火の山というロープウェイの掛かっている山が立ちはだかっているので、ちょっと残念な眺め。
この宿、ロビーにビールサーバーと、アイスクリームサーバーがあって、自由にお代わりできる。早速、ビールで酔っ払う、俺とこば氏だった。しかし歯痛が募ってしまった……。
さてふぐ料理。いきなりの
ふぐ刺し。これが歯ごたえといい、淡白な味わいといい、絶妙だった。かつて関東で口にした河豚はなんだったのだと言いたくなる。やはり新鮮さが命の海産物は、地元で味わうべきだよな。
ふぐちり鍋も河豚の旨みがジュワッと染み出し、白菜に絡めて食べると最強。スープを残したのが心残りなくらいだった。うどんかご飯を追加したかった。
変わり種の
ふぐシュウマイ。あれ、ふぐはと思いつつ噛み締めたら、じわっと溢れるスープに河豚の旨味がっ。うまい、うまいぞ。下手物じゃないぞ。
『こふく』のてんぷら。淡白な味わいのふぐだが、天ぷらにすると旨みが濃縮されるのか、割と濃厚な味わい。
締めは
ふぐの炊き込み。おこげも美味しく、ぺろりと入った。つい数時間前に瓦そばを口にしたばかりだと言うのに、デザートも含めて結構な量を完食してしまった。ううっ、また来たい。次は河豚のハイシーズンに。
ロビーでデザートの
アイスクリームを食し、長い食の一日は終わりを告げた。ちなみに走行距離は20kmも行ってない。そりゃ太るわな……。