Strange Days

2012年12月24日(月曜日)

年末の奈良行3日目

22時53分 , レジャー , 自転車 ( 自転車旅行記 ) 天気:晴れだが雪も舞う

 最終日は、奈良駅からあまり離れないでおこう。というのも、今日もあまり好天に恵まれそうにないからだ。昼過ぎには駅に戻らなければならない。ということで、平城京跡地近辺をうろつくことにした。
 平城京はどこじゃいなとばかりにうろつき、朱雀門にたどり着く。迷ったのは、この近辺が造成中で、車以外の侵入経路がわかりにくかったからだ。再建された朱雀門は、寒空の下ですっくと佇んでいる。
 鉄道の更に向こうに見える大極殿に出ようと、また迷走していたところ、平城京歴史館に行き当たる。時間はあるし、入ってみるか。中はなんてことのない歴史情報館で、館の前にある船*1にも立ち入れる。
 3Dシアターに入ると、大日本印刷作成の平城京再現3Dムービーが放映されている。なかなかの見もの。
 その終了後、彼奴のステージショーが催される。やつ、せんとくんだ! 感激のあまり、握手タイムにハグしてしまったぜ。只者ゆるキャラにはありえない、人を四五人殺ってそうな鋭利な迫力を秘めているぞ。
 平城京公園内は、まだまだまだまだ造成中なので、移動ルートがいまいちつかめない。反対側の大極殿まで自転車で出るにも、なんだか迷走を繰り返してしまう。太極殿は玉座も含めて再現されており、この寒空でなければじっくり見てゆきたかった。なにせ、吹き抜けだからなあ。
 一度、駅周辺に戻る途中で、ステーキバーに入って昼食。雪が結構舞っていたこともあり、しばし腰を落ち着けた。
 最後に、やはり最後に見ておきたいよねと、東大寺方面に向かう。そう、鹿を。じゃなくて、大仏を。こんなご時世なのに、中韓かららしい団体ばかりが目立つ。
 ホテルに戻って荷物を受け取り、奈良駅から京都に出て、新幹線で帰横した。今回もなぜだか充実した気分になれる旅行だった。

2012年12月23日(日曜日)

年末の奈良行2日目

21時31分 , 思考 , , 美術館 , 自転車 ( 自転車旅行記 ) 天気:雨時々止む

 今日は、前回回れなかった、明日香村周辺をうろつきたい。
 ホテルのしょぼい朝飯を食いつつ作戦会議。恐らくは、ホテル前*1の道を延々と南下すると、近鉄飛鳥駅まで出られそうだ。Bromptonを南下させていった。道は比較的広く、まあまあ走りやすい。下手にサイクリングロードを行くよりは楽だった。
 さて、ずっと南下してゆくと、地図上では橿原市に入った辺りで橿原神宮に出る。なんの予備知識も無かったのだが、要するに明治期の国家神道に置いて新設された、神武帝を祭神とする新しい神社らしい。正直、有り難みがないな。しかし、これもいい機会だと思い、立ち寄ることに。
 神社の前に、近くにある橿原歴史博物館に立ち寄った。遺跡の豊富な地故か、地味な佇まいの割に見応えのある博物館だった。
 橿原神宮の参道に回る。偶然にも、すぐ近くに滑りこんできた男性も、Bromptonでやってきていた。旅行にはいい自転車ですよね*2
 橿原神宮は、想像より豪奢ででかい神社だった。ここに見えている拝殿から、さらに本殿までの間はえらく離れている。むしろ遥拝殿の扱いだ。ちょっと、カミとのダイレクト感がない。
 橿原神宮から更に下ると、近鉄飛鳥駅。ここが今日の実質的なスタート地点だ。
 まずは高松塚古墳に向かう。古墳を取り囲む丘陵地を込みで公園化されており、高松塚古墳そのものは外形しか参観できない。別に古墳館があって、内部の状況などを知ることができる。
 高松塚歴史公園を離れ、次はと地図をまさぐってみると、どうもサイクリングコースが設定されているようにみえる。なので、その道を通ることにした。
 公園からやや北上し、こんもりした丘を越える道に入ると、鬼の俎があった。実態は、この近くにある*3鬼の雪隠と合わせて、一対の石棺を成していたようだ。こうした謂れのわからなくなった、しかし明らかに古墳の一部と思われる遺跡が多いのも、明日香村の楽しいところだ。
 一度丘を降り、車道と並走するような裏道にあるのが亀石。これも古墳関係なのだろうとは思うのだが、その用途が想像できない。呪術的な意味合いを持つ埋納品だったのか。
 お腹が減ってきた。橘寺近辺に出て、何の気なしに対面の川原寺に目を向けると、なにやら食事できそうな雰囲気だ。自転車を止めて、寺の脇手で鍋焼きうどんを頂く。雨もぱらつく寒い曇天だったので、この暖かさに生き返るようだった。
 その対岸にある橘寺には、やはり二面石という謎の遺構がある。亀石と同じ古墳関係なのだろうとは思うのだが。
 明日香に来たんだから、どうしても石舞台には行きたい。それほど離れてない場所にある、石舞台歴史公園に向かう。ちょっと雨がぱらついているのを気にしつつ、公園*4に入った。外から見ても中から見ても、明らかに古墳の玄室ですねという造りだ。しかし、たかが人一人を葬るのに、えらい手間だ。権力と富というものは、これを可能にする。
 この辺で雨が強まってきたので、石舞台歴史公園対面の売店で雨を凌ぐ。まあ、どうしても雨がやまなければ、雨具を着て最寄り駅まで走るだけだ。しかし、その前にせめてアレは見たい。雨が上がればいいが。
 そういう願いが通じたのか、濃い雨雲は通過していった。よし、アレを見にゆこう。
 さらに北に続くサイクリングコースに沿って走る。案内表示を拾いながら小公園に至り、山中に分け入ると、あった。酒船石だ。手塚治虫だ! 三つ目がとおるだ! これも、いやこれこそが極めつけに謎の遺構だ。写楽保介が説いたような、薬石混合台という説は無さ気だが、丘の下から発掘された亀型石造物の存在と考え合わせるに、なんらかの流体を扱う場だったという予想は成り立ちそうだ。実際、亀形石造物の方は、どう言い繕いようもなく水盤だ。
 次に見たいのは、飛鳥寺。その辺に向かう途中で、異界への入り口のような光景に出会う。
 更に北上すると、これも押さえておきたい古刹、飛鳥寺に行き当たる。本尊の飛鳥大仏は、その創建当時から動座していない希少な飛鳥仏だという。脇侍のうちの阿弥陀如来像も重文であり、残る釈迦牟尼仏とともに、この三尊は撮影自由らしい*5。ありがたくカメラに収める。
 この寺を突き抜けて、少し歩いたところに、蘇我入鹿首塚がある。なんの説明もなく、中途半端に造成中の場所にぽつねんと置かれ、いささか戸惑った。
 まだ雨の気配が残る中、最後に飛鳥情報館に立ち寄る。ここでは、この近くにある山田寺の遺構に関する展示がされていた。しかしまあ、古寺古刹に古墳だらけの土地だな。
  JRの桜井駅まで走り、輪行でホテルに戻った。食事は、なんだか鰻欲が最強に強まっていたので、三条通のうなぎ屋に入る。しかし炊いたご飯はあまり欲しくない。なので、鰻雑炊という変化球を取った。卵を絡めた鰻の雑炊がうまい。
 明日は平城京跡には行きたいものだ。

2012年12月22日(土曜日)

年末の奈良行初日

22時04分

 雨の朝だった。雨は広範囲に及び、近畿も湿っぽそうな天気。まあ、覚悟を固めてゆくしか無い。
 駅までBromptonで自走する。幸いにして、濡れるほどには降ってない。新幹線で京都に向かい、乗り継いだ在来線で奈良に到着した。
 奈良の街は、ちょいと雨に烟って居る。ホテルは、駅前のスーパーホテルに取っていたので、まずは自転車と、余計な荷物を預けた。
 ちょうど昼時だったので、三条通りの入口に近いCoCo壱番屋でスープカレーを食いながら、作戦会議。Nexus7は、こういう用途には絶好だ。
 とはいえ、大して考えなきゃならないことがあるわけもない。今日は興福寺界隈をうろつくだけで終わりだろう。東大寺方面まで足を伸ばせるかどうかってくらいで。
 店を出て、興福寺まで歩いてゆく途中、近鉄奈良駅前の商店街で、お寺チックな教会を発見。景観配慮型、なのか?
 三条通を登り切って、興福寺の南西にある三重塔から攻め始めた。この仏塔は五重塔ほどに派手ではないが、より古い分だけの重みのようなものを感じる。
 そのまま北に向かうと、北円堂。ここは一般公開されてなさそうなのだが、拝観可能な時期はあるのかな。
 こちらは賑やかな南円堂
 興福寺で一番目立つ五重塔。ここは夜に入るとライトアップされるので、後で寄ろう。
 興福寺国宝館に入る。相変わらず、時空を圧縮したような、重い空間だ。謂れのよく分からない仏が多いのもソソるものだ。
 外は湿っぽいが、傘を差す必要はないのは有難い。国立博物館までてくてく歩く。
 国立博物館は、春日大社にまつわる催事があった。しかし仏像館のヘビーさにお腹いっぱい。地下スペースでの休憩をはさみつつ、結構な時間を過ごした。
 そろそろと暗くなってきた頃に、なんとか東大寺まで歩いた。どのみち、二月堂で夕陽なんて無理だから、大仏殿を拝んで踵を返す。
 帰路、あちこちの建物がライトアップされている。国立博物館の付属棟も、なにやら荘厳な佇まいを見せている。しかし、やはり大物の興福寺五重塔が、青白い明かりの中に凄みある佇まいを見せている。
 ホテルに戻り、夕食に出かける。なぜか猛烈なビール浴と餃子欲にとりつかれたので、血眼になって探しまわって王将に突入。がっつり食って戻った。
 明日以降は好天に恵まれるはずだが、さて。