Strange Days

2009年10月31日(土曜日)

BHU公演&東京国立博物館

21時17分 レジャー 天気:晴れ

 まあまあ快適な朝を迎えた。まだ頭が重いが、なんぼかマシだと自分を鼓舞しておく。
 昼前に家を出て、中野に向かった。久しぶりにぽんちえ氏ことおかみふみかつ氏のBHU公演を見に行きたいと思った。ナンセンスな笑いが欲しい気分だった。
 中野駅西の小劇場は、グーグルストリートビューで調べたところ、いささか心配になるような外観だった。余裕を持って家を出たのだが、湘南新宿ラインが恒例の人身事故で遅れ、公演直前に駆け込む体たらくだった。しかも、案内された席は、被りつき中の被りつきだった。
 今回の演目は『パレオパラドキシアの黎明』。内容は、それぞれ身勝手な主張と行動を持つ、善*1*22大勢力の対立を軸に*3、善良であるがゆえに流されやすいヒロインが、そういう筋だの背景だのどうでも良くなるような頓狂な妖精に翻弄されつつ、最終的に間違った方向に成長してしまうというもの。そもそもナンセンスな世界に、さらにナンセンスな妖精なんて代物がいきなり登場するので、ヒロインともども混乱させられる。が、それがBHUワールド。おかみ氏扮する妖精が、妙に処世的な善悪観をのたまわくのが笑える。唐突さを演出するためか、あるいは作り物感を醸し出すためか、舞台の奥はシースルーな控え室になっているのだが、妖精がその真ん中の見えない部分から唐突に登場するのがズルイったらズルイ。
 ちょっと作り物感が強すぎて、中に入り込む前に終わってしまった印象がある。クスクス笑いは多かったけど、大笑いは無かったように見受けられた(処世術)。一瞬、考えさせられるギャグが多かったからではないかと思った。考えさせるというのは、『笑いどころはわかるけど、本当にそうなの?』ということだ。例えば、芸術仮面*4が著名絵画*5の名を叫ぶと、悪の組織側が成す術も無くその通りのポーズを取ってしまう、というギャグがある。だけど『落穂拾い(のポーズ)そっくりだ!』と言われても、写真のように正確に憶えている人は少ないので、一瞬考えてしまうのだよね。その瞬間に、その絵画の画像がスーパーインポーズされるなんて演出があれば良かったかも。テレビ的過ぎますかそうですか。
 閉演後、おかみ氏に一声掛けてから、慌しく劇場を後にした。その後はすぐに行きたいところがあったので、折角の再会だったが中野駅に急いだ。
 その行きたいところと言うのが、上野の国立博物館だった。何故か、急に見たい欲が高まったのだ。何度か足を運んだが、実は平成館にも本館にも入ったことが無かった。ちょうど平成館で『皇室の名宝』という催し物があり、それは見ておきたいと思ったのだ。内容は、さすがに皇室の所有物だけあり、大振りなものに見応えあるものが多かった。しかし考えてみれば、明治に入って徳川家だの佐幕派の大名だのから略奪した品も多いわけだ。しかし、あまりにも参観者が多く、特に小物は低めの位置に陳列されていることもあり、まるで人を見に行ったようなものだった。
 本館にも足を運ぶ。年代順に見たくて、最初の縄文期の展示室を探し回ってしまった。果てしなく広いな、ここは。もう16:00過ぎていたので、焦っていたのだが、実は今日は17:00閉館でなくて、18:00閉館。1時間余裕が出来てしまい、気が抜けた。
 ともかく、縄文期から見始める。実は火焔式土器を見たかったのだ。実物を見て、凄い造形だと感じ入ったが、同時に壁面にはめ込むようにしての陳列にいささか疑問を持った。これの地名度からすれば、お立ち台に載せて四周から鑑賞できるようにしても良いのでは。
 ざっと見て回ったが、もっと時間が欲しかったな。閉館直前に出て、帰宅した。