Strange Days

2002年03月03日(日曜日)

必死に登って必死に食った、大山しし鍋ツアー

22時00分 自転車 天気:晴れのちくもり(急激に気温低下)

 朝、8時に起床。今日は神奈川支部(もうなんの支部かは問題ではない!(そうか?))主催の「大山しし鍋食い倒れツアー」決行の日なのである。慌ただしく身支度を整え、BD-1で出撃した。昨日のフロント2枚化(52T/38T)の効果を見る意味もあり、BD-1で出撃だ。だんだん最強化しているぞ。
 地下鉄で湘南台まで、湘南台から小田急で相模大野経由で伊勢原まで。その間の乗り継ぎがことごとく悪く、余裕を見て家を出たつもりが、伊勢原到着は集合時間の10:00ちょうどになってしまった。しかも、海老名辺りから便意を催し、到着の直前からは意識がもうろうとし始めていた(滅)。
 伊勢原で電車を降り、BD-1その他を抱えた体で階段へと急いでいたら、階段の近辺で声をかけられた。なんと、@nak(た)女史だった。ということは夫君の@nak(あ)氏も当然同道しているわけだ。それだけではなく、にち氏、今回初参加のかぷりしぇ女史、更にはまき氏までもが同じ電車からぞろぞろ降りてくる。列車の運行時間ゆえの収斂効果なのであろうか。しかしなにせ我が輩は腹の状況が状況なので(笑)、ほとんど上の空で相槌を打ちながら、階段を上り、急いでトイレに駆け込んだ。ああ、すっきり。
 改札口近辺で待ってくれていた他のメンバーと合流し、北口の階段を降りると、派出所近辺に自走組のたか隊長(神奈川支部ではガイドをこう呼ぶ)、こぐ氏が待っていた。こぐ氏にはneko氏から貸していただけるW化関係パーツを持ってきていただいていたのだが、僕の方がいつものバックパックではなく、容量の小さなBD-1用リアキャリアバッグで来ていたので、帰るときまで預かっていただくことにした。
 各自の得物を展開する。今日はBD-1*2(俺様の物はフロント2枚仕様)、BD-1W*2、BD-3*1、UK Brompton(Inter7仕様)*1、Sat'R'Day*1、トレンクル6500*1、という布陣だ。トレンクル6500で出撃のにち氏は、真の漢といえよう。@nak(た)女史はBromptonでの出動。実はBD-1で出動の予定だったのだが、今朝になってハンドル折り畳み部のヒンジ止めピンが脱落しているのが判明し、急きょBromptonでのの出動と相成ったとか。にち氏はBD-1Wをかぷりしぇ女史に貸与するため、トレンクルでの出動と相成ったとか。
 一同はたか隊長の先導で、一路大山を目指す。その前に、途中のコンビニで各自自己紹介を実施した。初参加のかぷりしぇ女史へのナビゲーションの意味もあったようだ。
 途中、@nak(た)女史のBD-1修理部品を探すため、自転車屋に寄ったりしたが、やがて大山への登山口に取り付き、我が輩が大嫌いな坂道を上り始めた。
 少し登った地点でたか隊長停止。道路の向こう側の店で、豆腐アイスなる物を食せるのだとか。一同に如何を尋ねるたか隊長だったが、一行は寒空の元でさえアイスお代わりツアーなる過酷なツーリングを実行する連中である。答えは知れたことであった。
 僕は無難にバニラを試してみた。これ、普通のアイスなのだが、ミルクの代わりに豆乳を使っているものだと思えた。思えた、止まりだったのは、なにせ朝から冷え込んでおり、味がよく分からなかったからだ(爆)。他のメンバーは抹茶やらストロベリーやらを試していたが、ストロベリーが非常に硬く(凍っているに等しかった)、てこずっていたのが印象的だった。
 さらに登って行くと、やがて阿夫利神社の鳥居が目に入った。といっても、下社までまだまだ登らねばならない。
 やがて、登り一本だった道が、初めて平らな場所に出た。そこで右折すると、いよいよ最後の戦いの場が目に入るのだ。もう、身震いするほど素敵な坂道だ(俺は漢として泣く)。ところが、そんな道でも、ジモティはママチャリでスイーっと登って行くのだ。生活のために走らなけりゃならない連中には、本当にかなわないよ。
 ここにあったみやげ物屋の駐車場(この地形では貴重な平地)で、休憩兼試乗会が開催された。もともと、@nak(た)女史はBD-1Wの乗り味を試してみたかったそうなので、いい機会だった。僕もにち氏のトレンクルを試してみる。これがもう、反則的な軽さ。Mobillyたんよりずっと軽い感じだ。肩に担いで歩いても問題なさそうだ。しかし、乗ってみて、ハンドルがすごくクイックなのにまた驚いた。Mobillyたんが安定しているのに較べ、操縦性が全然違っている。
 さて、乗り較べも済んだところで、いよいよ激坂地帯に突入だ。10%超、最高15%に達する坂は、小径車ではかなり厳しい。というか、俺的には700Cでも辛いはずだ。
 途中で休憩を取りながらも、一行は黙々と登って行く。登りながら、僕はなぜこんな辛い思いをしてまで自転車に乗っているのか、そして他の人々はなぜ平気な顔をして登って行けるのか、いろんな思いが脳裏に渦巻いてしまう。
 やがて最後の激坂地帯だ。15%超と、後荷重のMobillyたんならウィリー必至の急傾斜を、BD-1のインナー(38T)をうならせてじりじり登って行く。ケイデンス選択を誤りながらも、なんとか目的の旅館にたどり着いた。やがて後続も到着。いよいよしし鍋タイムだ!
 この旅館、たか隊長の同僚の御親族の店らしくて、真っ昼間、怪しい自転車集団にもかかわらず、歓待していただいた。
 早速、食膳を囲む一同だった。今日は豆腐祭ということもあり、また丹沢は鮎で有名な土地でもあるので、こんな豪勢な光景が。たか隊長、これで3500円は凄すぎます。どうやらたか隊長が知り合いということで、店の方で頑張ってくれたようだ。
 まずは、これも店からの心尽くしのビールで乾杯。なにせ重労働の後だ。ウマイったらありゃしない。箸を取る。大山豆腐というものもあるくらいで、大山の豆腐はレベルが高い。最初に口をつけた冷や奴は、ただの冷や奴の癖に口当たりがまろやかで、店売りのそれとは確かにレベルが違っていた。サイコロ状に切った豆腐とマグロを湯葉で包んだ料理もいけます。写真には撮らなかった揚げ出し豆腐も、豆腐のレベルが高いので当然ウマイ!
 さらにメインのしし鍋。これは普通のすき焼きのように卵でいただくのだ。隣にはグルメで博識なこぐ氏。氏共々、「しし肉は予想以上に獣のにおいがしない」とか「豚より高密度」と評しあった。いやまあ、うまければいいのだ。
 ある程度箸が進んだところで、次に鮎の塩焼きが登場した。神奈川のこの辺の水系は、鮎の名産地だ。それだけにこれは外せないところだろう。時期的に養殖かと思うが、やはり内蔵や骨まで喰らえる鮎のさわやかな食感が、さらに食を進めてくれた。
 最後はお澄ましとご飯(紫蘇振りかけ)で締め。まさに食い倒れツアーの観を呈してきた。しかし、これだけの量が苦にならないくらい美味だった。たか隊長の骨折りのおかげである。
 質的にも量的にも満足した我々は、思わずその場でごろごろし始めた。ここで昼寝したい気分だ。しかし、大山に登ったのだから、せめて阿夫利神社下社には詣でないと。
 一時間ほどごろごろした後、旅館で自転車を預かってもらい、阿夫利神社詣でに出かけた。旅館の近くにバスの折り返し点があるのだが、ちょうどその辺で豆腐祭のイベントが開かれていた。その中に、仙人鍋を振る舞うというものがあった。これ、湯豆腐らしい。さすがに今の腹では入らないということになり、帰路に考えようということになった(というかまだ食う気だったのか)。
 ケーブルカーの駅までは、みやげ物屋が軒を連ねている。今日の寒さのせいか、客はそれほど寄りついてないようだ。
 やがてケーブルカーで急斜面を一気に登る。そして下社の駅で降り、下社へと歩いた。下社の石段の下でトイレ休憩となり、行きたい人はトイレまで歩いて行き、後の我々は茶屋のおばさんの呼び込みに閉口しながら待った(この天気では客の出も少ないんだろうなあ)。
 やがて一同そろって下社の参拝である。途中、むやみに逞しい狛犬に引きつけられながらも、我々はそれぞれ参拝を済ませた。交通安全のお守りを購入した人もいたようだ。
 さて、そろそろ山を下りよう。夕方近くになってさらに気温が下がっている。旅館まで戻り、我々はダウンヒルで一気に麓まで下る。下り、大好き。途中で土産に大山まんじゅうを買おうと思ったら、祭の関係でお茶とまんじゅうをただで振る舞ってもらえた。祭、大好き。
 再びたか隊長を先頭に、鶴巻温泉を目指して突っ走る。その時、俺様のBD-1が異音を発し、チェーンが外れた。チェーンが外れるのは良くあることだが(をいをい)、たか隊長の指摘でプーリーのナットが紛失しているのに気づいた。みんなで道を探してもらうが、見つからない。やむなく、インアー・ロー時のチェーンこすり対策に張ってあったガムテープで処置し、また走り始めた。ガムテープって万能だよなあ。後で気づいたのだが、実はこのプーリーにはもともとナットは着けてなかったのだ。早く気づけよ! すいません、気が動転してたんです(寒かったし)。ともあれ、BD-1の変速機を使わず、シングルギアで突っ走った。
 やがて日没直前に鶴巻温泉に到着した。広い湯船でゆったり和む一同。ツーリングの後の温泉は、確かに気持ちいい。
 休憩室でしばしゴロゴロした後、最後の目的地の天ぷら屋に移動した。ここもたか隊長の調べ。
 僕が頼んだのは天ぷら定食。嫌いなイカ、苦手なエビなどもあったのだが、何が何が、あまりにうまいので全部ペロリと平らげてしまった。昼間のカロリー過剰摂取を考えると、やはり大変美味だったのだろう。
 最後は鶴巻温泉まで移動し、解散。みんな輪行で帰宅していった。
 今日も走って食べて食べて食べて、楽しかった一日だった。