Strange Days

(なかなか)鳴らない目覚まし時計

2000年05月31日(水曜日) 19時30分 暮らし 天気:雨

 今を去ること十数年前に買った目覚し時計が、ここ数年いよいよ鳴らなくなってきた。ここ数年、というところに僕の尋常でない気の長さがあるかもしれない。
 この時計、指示針と短針が合致すると機械式に検知され、電子音が鳴り始めるという形式だ。その検知機構がおかしくなったのか、最近(といってももう何年も)合致しても鳴らない事が多くなってきた。予定時刻が過ぎても沈黙したままなのである。
 では役に立たないかというとそうでもなく、指示針が合致した瞬間の「カチッ」とう音が結構大きいので、眠りの浅いときにはそれだけで目覚めるのだ。ところがそれでも目が覚めなかったりすると、少々寝過ごしてしまう。しかし人間の肉体には何か神秘的な機能があるのだろうか、だいたい10分のタイムラグを置いて目覚めることが出来るのだ。その機会を逃すと盛大に遅刻してしまう(でもフレックス勤務制度のおかげで大事にはならない。フレックス勤務制度万歳!)。しかしまあ、だいたい目覚ましにはなっているので、捨てることなく使っていた。ってここまで書いて早く買い換えろよと自分に突っ込みたくなった。
 しかし最近、こいつにいうことを聞かせる方法を発見した。目覚ましをリリースした後で、支持針をぐるぐる回してチャイムが鳴るかどうか確認する。ダメなときは本体の向かって右奥側から衝撃を加え(ようするに殴りつけ)、またぐるぐる回してチャイムが鳴るかどうか確認する。チャイムが鳴るようになったら、指示針を設定し、「そっと」本体を置く。これでだいたい鳴るようになった。僕はスパルタ式目覚まし設定法と命名した。
 この目覚まし、僕が会社に入ったときに買ったもので、その当時買ったものとしては唯一残っているものだ。別に愛着があるわけじゃないが、まあ完全に壊れてしまうまでは使ってやろうかと思っている。
 実はこいつの鳴ったり、鳴らなかったりという辺りが実に生物的で、なかなか味があったりする。昔、物は100年使うと魂が宿るとかいわれ、その前に捨てると良いとか捨てたら祟られるとかいわれたらしいが、さすがに昨今は100年も使える物を想定するのは難しい。精霊たちには住みにくい時代だろう。


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