Strange Days

R.村上 v.s. 筑紫哲也続報

2000年06月07日(水曜日) 22時30分 インターネット 天気:晴れ

 この件、「共生虫」サイトの専用BBSを読む限り、途中くらいまでろくに音声が聞こえなかったようだ。恐らく、スタッフの経験不足が原因だったのだろう。
 この掲示板、パスワードロックかなんかかけているのかと思いきや、単にURIを秘密にして希望者にメールで通知しただけのようだ。これでは第三者の闖入を効果的に防げず、事実途中から闖入者のノイズが多くなっていった。
 しかしそのノイズを分析してみると、議論する上で必然的に生じる感情的ノイズだけでなく、単に人目をひくために取る異常行動も目立っている。ようするに「私を認めて」という奴だ。バスジャック犯の少年にも人生の経験値として殺人を犯した少年にも同じような気持ちはあった筈だ。これは彼ら犯罪者だけが異常なのではなく、それ以外の僕たちにも似たようなバックグラウンドがあることを示している。
 対談の内容に話を持っていきたいのだが、中継を視聴してないし、本放送は金曜日なのでまだ詳細はわからない。しかし前記掲示板での反応を見ると、対談がすっきりとした結論を出せないまま終わったことを批判しているものが多いように思える。しかしそれは仕方ないのではないだろうか。ここでの話題は日本の対中政策とか干潟干拓とかいった比較的ソリッドな問題ではなく、少年犯罪というそれ自身が多面的で同時多発的な問題なのだから。そこには無数の個人的事情と無数の偶然が絡み合っているはずだ。少年犯罪という言葉自身に絡む曖昧性も指摘しうるだろう(つまり少年とは社会的な定義だという類の)。
 その解は当然「なんでもあり」になるだろうと思う。つまり、無数の個人的偶然的状況を解きほぐしてやるには、それぞれに対してアドホックに戦っていくしかないだろうと思うのだ。それをなにか戦争で秘密兵器を使うように一つの手段で一気に解決できるだろうとは、どこの誰も思ってはいないのではないだろうか。ある少年に対しては宗教家が解決に適しているかもしれない。ある少年には戸塚ヨットスクールのような(まあ極端に言えば)純暴力的教育が適するかもしれない。ある少年は猫を一匹殺して見せたら立ち直るかもしれない(誌的だ)。それは第三者には分からない。しかし当事者とすれば、とにかく当面は手当たり次第に試してみるしかないのではないかと思う。
 それらの無数の試行の中から、貴重な知識が得られてゆくのだ。それを体系化してマニュアルを作るのは、これからの話ではないだろうか。今の時点でマニュアルが揃うとはとても思えない。
 僕が思うに、もっとも必要な処置は、少年犯罪専門のカウンセラーを養成することだと思う。今は無力であっても、試行を重ねていけば彼らが自動的にマニュアルになってゆくはずだ。逆にカウンセラーが存在しないで、知識が統合されない状況が一番まずい気がする。


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