Strange Days

大自然に翻弄される俺たち!('05キャンプ初日)

2005年07月09日(土曜日) 23時50分 レジャー 天気:くもりのちすげえ豪雨

 去年は天候にも恵まれ、大いに楽しむことが出来た、このキャンプ企画。今年は雨にこそ降られそうだが、自転車を考慮しなくて良いこともあり、梅雨の雨程度なら大丈夫だろうと思っていた。
 だが、そんな舐め切った態度を取る我々に、常ならば穏やかな梅雨の空が、その牙を剥いたのだった。


 8:00くらいに起床。夜中に思い出した忘れ物を荷物に詰めたり、腹ごしらえしたりしているうちに、にち氏より電話を受ける。今日はマモル氏の車でキャンプ場に向かうことになっている。マモル氏は、にち氏を先に拾い、それから僕を拾うことになっていた。既に長後街道の中田を過ぎているということだったので、慌てて荷物を背負って、立場の交差点で合流した。
 マモル氏の思惑では、長後街道(県道22号線)をまっすぐ進み、適当なところでR246に乗り換える予定だった。ところが、高座郡近辺では新道の建設ラッシュで、できたばかりの新道に紛れ込んだところ、道を見失ってしまい、いつの間にか寒川に紛れ込んでいた。相模川を渡り、北上したところで、R246への乗り換えに成功する。
 寒川近辺では細い道に充満する車に悩まされたが、R246ではさぞかし快調に逝けるだろう。などという思惑は、やはり渋滞気味のR246の現実の前に、崩れ去った。渋沢を過ぎる辺りまで、なおもトロトロとのんびり進行を余儀なくされた。しかし、山北への登りに掛かった辺りから、ようやく流れはスムーズになった。
 集合場所の御殿場駅近辺のダイエーに到着したのは、予定時刻をやや過ぎた頃だった。店内できさ家、こぐ家と合流に成功し、食材とお昼ご飯も確保できた。これでもう、このキャンプは成功を約束されたようなものだ(本当か)。
 ダイエーを出て、ながおねキャンプ場に向かう。きさ家、こぐ家ともに寄り道するということだったので、現地には我々がもっとも早く到着した。先客はいたが、キャンプの一番奥まった辺りに陣取っている。そこから離れた、適当な場所に腰を落ち着けた。
 きさ家、こぐ家が到着し、車を並べて設営に掛かる。車を並べて、その間にタープ代わりのブルーシートを張り、近くにタープを張る。ブルーシートの下には4人用のレンタルテントを張り、もう一張りのテントはタープに隣接させる。我輩だけは自前のテントで寝ることにしていたのだが、それはタープの下を片付けた後、その下に張ることにした。この時に張らなくて、良かったのかどうか。
 去年の経験があるので、設営は比較的スムーズに進んだ。が、設営も最終段階という時点で、心配が現実になった。雨が降り始めたのだ。降り始めはそれほどでもなかったので、あまり心配しないで食事の準備を進めてゆく。今回もカレーが主体だ。炊飯を手伝ったり、カメラ小僧になったりしながら、和気藹々とした時間を過ごす。タープの外を見ると、いつの間にか雨量が増え、芝に水が浮くほどになっていた。しかしまあ、既に設営は終わっているし*1、ひどく濡れることは無いだろう。大丈夫だろう、梅雨の雨なんか高が知れているはずだ。
 そんな我々の甘い見通しを、大自然は見逃さなかった。大自然のお仕置きが待っているとも知らず、我々はのんびりと歓談しつつ、食事を始めたのだった。
 我々の無聊を慰めようというのだろうか、こぐ氏が通称こぐ笛の演奏を始めた。次第に雨脚が強まり、そこはかとなく不安が募ってゆく中で、こぐ氏は「新世界にて」などを演る。なにか、シュールな光景だった。あまりに水量が増え、タープやビニールシートの流水処理に不安が生じたので、そこここを紐で引き下げ、流水経路の確保が図られた。それくらい、雨量は増えてきた。まあ、風が無いのが救いかな、などと話す。
 18:00くらい、どうにも頭痛が募ってきた。寝不足だろうか。マモル号の後部座席で、しばしまどろむ。寒くも熱くも無く、かつ適度の防音性も確保されているので、実はここは快適だった。
 1時間ほど寝て、なぜか一気に回復する。まだ宴が続いていたので、タープの下に復帰して、差し出されたバーベキューとカレーライスを貪った。美味い。すきっ腹に堪える。しかし、周囲は轟々たる降雨の最中である。なんだかシュールな情景だ。こぐ家の癒し犬あゆ嬢は、激しい降水が恐いのか、それとも周囲の見慣れぬ顔が恐いのか、終始テーブルの下に隠れていた。
 食事を終え、本来ならば夜を楽しむところなのだが、激しい雨にその気も失せた。テントは僕以外の男性陣、女性陣それぞれがテントを占有し、僕は自前のそれを張る予定だったのだが、この雨ではその気になれない。こぐ氏はあゆ嬢を心配して、車で寝るという。またきさダー氏も車で寝るつもりのようだ。僕は男性陣用のテントに入れてもらうことにした。この驟雨の中、テントを張るのは辛い。
 ちょっと女性用テントにお邪魔した際に、靴の中が濡れてしまっていた。去年の富士登山の際に購入したトレッキングシューズだが、ゴア張りなのが災いして、一度濡れるとなかなか乾かないのだ。テントの中を濡らすのは嫌だった。寝床に入るときに、着ていた合羽と靴下を脱ぎ、ビニール袋に入れ、さらにタオルで足を拭う。持ってきたイスカの軽量シェラフは、羽毛式なので湿気を嫌う。濡らしたくは無かった。そこで、濡れたジーンズも脱いでしまい、下半身はパンツ一丁なのに、上は長袖Tシャツに半袖シャツを重ね着するという、シュールな状態にまでなった。変質者すれすれ、いや、そのものである。
 なんとか水気を拭い、エアマットを広げ、シェラフにもぐりこんだ。エアマットを持ってきたのは正解だった。テントの下は水が浮いているので、まるでウォーターベッド状態だ。水は通らないものの、直接触れると熱を奪われる。
 電源を切っていた*2携帯電話で天気予報を見ていたら、あゆこ女史から着信があった。受けると、あちらはテントのボトムから水漏れしているという。ダー氏にコールだったが、ダー氏は車で寝ていると告げる。
 寝袋にもぐりこんだまま、風が無いのが幸いだね、などと話していたら、サービス精神旺盛な気象の神様は、我々に強風までも賜った。天井に吊ってあるランタンが激しく揺れる様を見て、もはや笑いすらこみ上げてくる状況だった。テントに水が浸入してこないのが、不幸中の幸いというべきか。
 にち氏が外に出てみると、テントの前のタープが倒壊しているという。その様を見て、さすがのにち氏も引いたという。しかしテントまで巻き込まれる事態は逃れたようだ。
 23:00前頃。風と雨が最強に強まっていたが、我輩の膀胱容量試験も限界に達していたので、やむなくトイレに出かける。面倒なのでズボンははかず、サンダルを借りて雨の中をじゃぶじゃぶ歩いていった。傘+合羽のおかげで身体は濡れないのだが、踝まで浮いた水には閉口した。
 しかし、そこから戻ってきてしばらく、あれよあれよという間に風と雨が止んでゆく。さっきまでの豪雨が嘘のようだ。峠を越えたか、と思ったが、口に出すと大自然のお仕置きPart2を食らいそうな気がしたので、しばし様子を窺っていた。が、どうやら本当に雨は止んだようだ。
 テントを出て、とりあえずタープの手当てをしておいた。みんなが囲んだ夕餉の跡は、頑固親父にひっくり返されたちゃぶ台のごとき惨状を呈している。だが、水が引いてない現状で、これ以上の手当ては不可能だ。
 ともあれ、危地を脱したと思えたので、にち氏が持ってきたブルーベリーピネガーを炭酸水で割り、マモル氏共々乾杯する。
 再び寝床に戻り、妙に静かになった外に意識を向けているうちに、やがて意外に快適な眠りへと引き込まれていったのであった。

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