Strange Days

木星に落ちる影

2000年09月18日(月曜日) 23時55分 星見

 帰宅してビールをかっくらっていると、抵抗不能な睡魔が襲ってきた。2.5時間ほど寝て23:30頃にまた起き出した。東の空を見ると、土星、木星と月がランデブーしていた。高い位置にある月を狙ってみた。
 C8EXにUW6.7を着けて月面散歩だ。うわっ、明るすぎて目が死にそう(x_x)。早速、ムーングラスを着けて光を和らげる。
 昨夜は筒内気流がまるで収まっていないうちに見たので、細かい像は激しく揺れてよく見えない。急に気温が下がったので、こういう目にあったと思われる。
 それでも300倍での月面散歩は楽しい。100EDでは見えない月のディテールが楽しめた。それもUW6.7の80度超の視界でだ。まさに月面散歩という感じ。見かけ視野45度くらいだと真っ暗な空間に穴があるという感じだが、80度超ともなると目の前一杯が月の光景という感じで、インパクトはまるで違う。月の表面の数キロメートル程度のクレーターが、広い海にぽつんと開いている様は、なかなか面白い眺めだ。またティコの中央丘陵もかなり良く見える。残念ながら筒内気流が悪化して(ってこれって酷くなるものなの?)、やがて細かいものが良く見えなくなってしまったのだが。
 ちょっと間を置いて風呂に入ってきた。1時間弱置いたのだが、まだ筒内気流はかなり残っている。というかこれ本当にそれだけ? 地表でも風がかなりあったので、シンチレーションも安定してなかったと思われる。ダブルパンチだ。
 それでも望遠鏡を木星に向けてみた。アンダースローだったので物凄く狙い難い。アンダースローというのは、赤道儀のバランサーとの位置関係が上下逆になることをいっている。窓の位置の関係で、こうしないと高い位置の星は狙えないのだ。この状態ではファインダーが下になるので、まず覗き込めない。
 最初はSWK22で導入してみた。鏡筒自体を等倍ファインダーにして導入すると、濃い色の縞とぽつんとした点が見えた。あ、大赤斑がこんなに良く見えるんだと思い、UW6.7に換えたところ、それが大赤斑ではない事にすぐ気づいた。すぐ近くを巡るイオの影が、木星の表面に落ちているのだ。
 びっくりした。こんなものが見えるとは思ってもみなかったのだ。だが大赤斑が見えるのなら、コントラストのくっきりした影が見えてもおかしくは無い。遥か彼方の木星で数時間前に起きた現象を"今"見ているのだと思うと、なんとも不思議で愉快な気持ちになる。あんまり感激したのでデジカメ画像を撮ってやろうとしたが、これは失敗。揺らぎが大きく、細部は写らなかった。
 今夜も面白いものを見たなあ。


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