Strange Days

湯河原謎蕎麦屋偵察隊玉砕記

2006年12月10日(日曜日) 19時46分 自転車 天気:くもり

 既に予告を出したクリスマスイブイブ*1の『湯河原で蕎麦と温泉のウハウハツーリング計画』のために、目的地の蕎麦屋と温泉を偵察に行かねばなのである。
 ちょっと出掛けるのが遅れたので、小田原から自走という予定を、湯河原まで輪行と小さく変更する。戸塚駅でせきねに電話を入れ、12:30くらいに行くと伝えておいた。
 湯河原駅で降り、BD-1を組み立てた。シートピラーを替えてから、ポジションに関してはほぼ決まってくれた。そうなると、非常に使いやすいので、持ち出す機会も増えるというものだ。
 湯河原駅から、万葉公園の少し上まで走る。こごめの湯がある辺りから、せきねの方に登って行けるはずだ。距離的には大したものではないし、ちょっと登るくらいだろうと考えていた。しかし、毎度の坂の神様は、そんな腑抜けた拙者の性根を、厳しく叩き直すつもりだったのだ。
 万葉公園の少し上流で、こごめの湯への上り口を発見。早速乗り入れるや否や、目に入ったのはこんな光景だった。キャー! 激坂+ブロック張り+雨。自転車には最悪な道だわ。斜度は20%弱くらいだろうか。すぐにインナーに落とそうとしたが、FDが不調で落ちてくれない。たまらず、足を着いてしまった。そうなると、もう走り出す契機をつかめず、押して破目になった。路面に水が残り、さらには落ち葉も散乱しているので、非常に恐ろしい状況だった。押して登るにも辛い道だった。
 こごめの湯の前を過ぎ、さらに少し登ったところで、いったん下りになる。距離は短いのだが、獲得標高は50mくらいあるんじゃないか。
 いったん下った後、せきねがある『万葉の郷』という分譲住宅地への上り口に来る。ここからもひたすら押して登った。途中で傾斜が緩くなったところでまた乗車し、万葉の郷へと乗り込んだのだが……。
 キャー! 住宅街の中なのにこんな傾斜かよ。気絶寸前で踏みとどまると、雄雄しく、堂々と押していった*2
 半分以上押したのに、滝のような汗をかきつつせきねに到着。12:30を少し過ぎてしまった。せきねは、外観はこの辺の民家と変わらない。駐車スペースが3台までと小さく、住宅街の中なので路駐も出来なさそうなので、要注意だ。
 中は靴を脱いで上がるインターフェースで、畳敷きの部屋に席が設えてある。案内していただいたご婦人*3に、自転車で来たというと、少し呆れられたようだった。奥湯河原はともかく、ここは自転車では無理でしょうとのこと。もう一つの道が、不動の滝の少し下流に通じているのだが、そっちの方が多少は傾斜が少ないといわれた。帰りはそちらを通ることにする。
 料理は、蕎麦と水餃子のコースを頼んだ。2500円。どんなのが出てくるかな。
 突き出しと小鉢。右手の蓋がされている小鉢は、鯵とナスの煮付け。鯵は小骨まで美味しく、ナスはナスで実はナス嫌いな僕でさえつるりと喉を通った。一つ置いて、左手前のもう一つの小鉢は、あん肝。これが、冷製ということもあるのか、肝の生臭さが微塵も無く、滑らかな舌触りには陶然とするばかり。こぐ氏にはちと物足りないかもしれない。が、別の意味で喜んでくれるだろう。漬物の量が多いのも好感をもてた。
 あん肝の舌触りを思い返しながら、漬物をつまんでいると、メインディッシュの水餃子が登場した。右が水餃子で、脇の茶碗はきじの炊き込みご飯。水餃子はぷりぷりした食感がたまらん。実は猫舌で、熱いものが苦手な自分が恨めしく感じるほどだった。ちゃんと冷ますための小皿とレンゲも付いてくるのだが、熱々のをそのまま頬張ったら、さぞかしタマランものがあろう。スープも美味しくいただける。きじの炊き込みご飯は、ごぼうのしゃきしゃきした食感が引き締まった印象を与える。きじはもう少し野趣のある味を期待したのだが、出汁の効いた鶏肉という印象だった。でも、お代わりしたかったなあ。
 次に、昼のコースの主軸になっている、蕎麦が出てくる。あ、写真撮り忘れた。蕎麦は、まあ、あまり自己主張しないタイプだった。量は少なめ。
 最後にデザートが2種出てきた。右はチーズケーキ、左は橙のシャーベット。チーズケーキは、豆腐かと思うくらいしっかりしたものだった。コーヒーが付かないのが惜しい(お茶は出てくる)。シャーベットは、香り付けにブランデーを垂らしてから頂くものだ。柑橘系のシャーベットとしては、今治は浜勝のコースに付いてくるオレンジのシャーベットに匹敵する、絶品だった。爽やかな酸味が、満足度の高かったコースを締めてくれる。
 自転車乗りには、量的に少し物足りないくらいだ。これで2500円はコストパフォーマンスが悪そうだが、満足度で言えば間違いなく高かった。量を求めるなら王将で大盛りチャーハンでも食ってろ*4
 満ち足りた気分で庭を眺めると、ここにはまだ秋が残っていた
 女将さんに23日に予約を入れたい旨伝え、相談する。既に予約が入っているが、まだ大丈夫とのこと。とりあえず、8名で入れ、確定した人数は週末に電話しますと伝えておいた。時期的に、そんなに集まらないだろう。
 帰りは、女将さんに教えてもらった、もう一つのコースを使ってみた。こちらのほうが、かなり傾斜は少ないという。それでも、この傾斜。どうしたものか。自転車は置いて、歩いて登った方が良いかと思い始めた。
 というわけで、湯河原ツーリングの行程は、少し*5変わります。
 次に、ゆとろ嵯峨沢の湯に向かった。ここは幕山公園方面に登り、新幹線の高架で川沿いに出て、後は下るだけだと考えていたのだが。実際には、かなり登る必要があった。さすがに押しが必要なほどではなかったが、気楽なコースではないなあ。ここもどうしたものか。ここくらいは登っても良いんじゃないか。考えよう。
 この辺りで、空に不穏なものを感じ始めた。温泉には入らず、慌てて小田原方面に進路を変えた。今日は雨具を忘れたのだ。降られちゃかなわん。
 帰路はR135を通ったのだが、やけに車が多くて、車に後ろまで迫られる場合が多かった。今までの10倍くらい居たんじゃないかな。そういえば、真鶴道路も交通量が非常に多いようだ。みかんか、みかん狩りの季節だからかっ。
 R135は路肩が悪い場所が多い。車が少なければ問題ないのだが、多いとそちらに追い込まれるので危険だ。そんな嫌な道を走っていた時だった。後ろから迫ってきた車の道を譲ろうと、側溝の方に乗り入れようとした途端、転倒してしまった。わずかな段差に車輪を取られてしまったのだ。幸い、盛り土に飛び込む形になり、本人にはダメージは無い。でもかっこ悪いよお。こういう日は、真鶴道路の方が良かったかも。車は詰まり気味で低速だろうし、路肩もかなり開いているので。
 転倒したもう一つの理由は、BD-1の不調にあった。下っていると、なぜか小刻みに蛇行する感覚があって、速度を出せなかったのだ。転倒したダメージを調べるべく、BD-1を道端で調べていたら、ハンドルにがたつきがあるのに気づいた。ヘッドキャップ*6を締めてやり、がたつきは取った。それでもハンドルが不安定な気がする。一度、分解して調べてやらないとダメか。
 ともかく、小田原まで走っていった。小田原駅東口直前で、パラパラと雨が降り始めた。えーっ、降水確率は10%だったじゃん。しかし、なんとか強くなる前に、駅に着いた。それ以上、強い雨が降ることは無かったようだ。
 JR、地下鉄と乗り継いで帰宅した。走行距離は30km弱だったのだが、坂に負け料理に満足し転倒しと盛りだくさんだったからか、やけに達成感が強い。
 しかし、走り納めは行程を変えなければいかんな。


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