Strange Days

子供には現実を教えよ

2000年12月26日(火曜日) 23時56分 思考

 gooのニュースチャンネルを見ていると、「マスオサンタに抗議殺到」という見出しが目に入った。なんでも、クリスマス前後のサザエさんで、マスオさんがサンタクロースのふりをしてタラちゃんの枕元にプレゼントを忍び込ませる、という筋の話があったそうだ。これ自体、なんということも無いごく普通のお話だと思う。ところが、この放送の後に視聴者からの抗議が殺到したという。記事によれば、大半は「子供の夢を壊さないで」という親たちからのそれだったという。
 しかしながら、ばかげた話ではないだろうか。いまだに(煙突から不法侵入して有価物件を年少者の枕元に不法投棄してゆくという)古典的なサンタクロース像を信じている子供などどれくらい居るだろう。今では小学生低学年の子供だって、ゲームボーイでRPGをプレイしているのだ。彼らは世界が様々な「お約束」で成り立っていることを、ちゃんと見抜いているのだ。もしもそのような環境に置かれて、なおかつ古典的サンタクロース像を信じているのだとすれば、それはよほど迂闊で現実世界への注意力が欠如しているか、あるいはなんらかの理由で異常に強い宗教的信念を持ってしまったかのどちらかではないだろうか。
 現代において、古典的サンタクロース像を守りつづける意義が、どれくらい残されているのだろうか。むしろ、そのような"純真な"子供は、いざ現実にサンタクロースが実在しないと知ったときに、世界の現実と自分自身の認識の巨大なギャップに悩んでしまうのではないだろうか。こころある大人は、むしろこのような番組の視聴をきっかけに、サンタクロースがどのようなお約束の下に"存在"しているのかを、子供に話してやるべきではないだろうか。
>いつまでも子供たちにサンタを信じていてほしいと願う親の気持ちの表れだったようだ。(日刊スポーツ12/26紙面より)
などと願う気持ちは分からないではないが、そんな子供はバモイドオキ神でも創造するか、ものみの塔にでも入るかしか精神の平安を保てなくなるのではないかと思うのだが。


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