Strange Days

春先にしては透明な夜空だった

2001年04月04日(水曜日) 23時55分 暮らし 天気:きれいに晴れたじゃないか

 仕事が一区切りついたので、最近は早めに帰れる。帰る時間にもあちこちの店や施設を利用できるのが嬉しい。帰りに図書館に寄り、スーザン・ブラックモア女史の臨死体験関係の本を読もうと思ったが、一冊も無い。どういうわけか、脳内現象寄りの本は少なく、現実体験派(つまり死後存続派)の本が圧倒的に多い。臨死体験関係の本では、元々こういう傾向が強い。どっちかといえば、後者の方が人の耳に心地よいのだろう。そのうち、臨死体験に関しては再考してみようと思う。
 帰宅して、ベランダに出て星を見た。この時間にはちょっと雲があるように思えたので、20*80双眼鏡と18*50IS双眼鏡、ワイドビノの双眼鏡揃い踏みで冬の大三角形を見た。
 パッと見は、さっきも述べたように薄雲が多いように見えた。が、実際に双眼鏡をのぞくと、意外にも透明度が高いようだ。オリオン大星雲ことM42はかなり強く散光が感じられた。特に20*80で見ると、真冬のそれのように映える。18*50ISでもそれなりに見える。18*50ISの場合、微光星がはっきり見えるほうが大きい。
 M41もそこそこ見えた。しかし、既にかなり高度が低くなっているので、迫力に乏しい眺めになるのはやむを得ない。C8EXで見ればよかったかも。
 M47を見る場合、18*50ISの方が遥かに見つけやすい。三脚に載った20*80より、やはり手持ちであるだけに機動性が高い。
 外に飛び出して(いやベランダから飛び降りたわけではない)、天頂付近にあるかに座に、18*50ISを向けた。プレセペ星団がとてもよく見える。直視型なのでつらい姿勢になるというハンデはあるが。そのうち、寝そべる形のイスでも買って、楽な姿勢で空を見られるようにしよう。
 さらに西に向けると、間もなく観測シーズンが終わる木星、土星が、ヒアデス星団を背景に輝いている。木星の衛星が三つ、かなり近接して見えた。ヒアデス星団は、むしろ10*42で見るほうが楽しい星団だ。プレアデスの方は、18*50ISで見るのにぴったりな星団だ。もう少し早いシーズンで、高度があったら、絶品な眺めになっただろうけれど。
 天頂から少し東に、かなり太ってきた月が輝いている。その輝きに、他の星がかき消されてしまいそうだ。18*50ISで見ると、かなり微細な地形までくっきり見えるのに驚かされる。
 真夜中、また変な時間に寝覚め(というか、そもそも変な時間に寝てしまったというのもある)、自転車で近所を爆走した。ちょっと北に向かって走ると、前は畑と資材置き場だけだったのが、いつのまにかきれいな道と公園らしき施設が設置されている。街灯は一つも無く、これなら星見に最適だ。が、そのうちに街灯が設置されることだろう。どうも球技場と、それを取り囲む小さな公園が整備されつつあるようだ。完成間近という雰囲気で、公園脇の植樹記念碑の日付が、「平成13年3月」となっている。色んな意味で楽しみ。
 部屋に戻って、そろそろ南中しているさそり座に18*50ISを向けた。この時間、透明度が意外に高くなっていたようだ。アンタレス西方に目を凝らすと、やがておぼろげな光の塊が見えてきた。M4だ。これが見えるということは、横浜としてはかなり良い空だということだ。
 さそりの尻尾に目をやると、ちょうど南中しているM6、M7が見えた。M7は大輪の花という感じで、見つめていると明るい星の向こう、暗い微光星が次々に浮かび上がってくる。M6も今夜ははっきり見えた。
 その北東には、いて座がかかっている。明るく輝く火星から少し東、M8干潟星雲が浮かんでいる。散光があまり感じられないせいか、20*80で見た時より、それほど華やかな感じがしない。この点は、やはり口径差がものをいう点だろう。18*50ISでは、微光星の集団という感じだ。むしろ北にある三裂星雲の方が、散光が見えないなりに星の集団としての迫力があって面白い。
 さらに東方、明るめの球状星団M22も、今夜は楽々見えた。50mmでここまで見えたのは驚きだ。まさにガイドブック級の見え方だった。これからはシーイングの良い空を「ガイドブック級」と呼ぶことにしようじゃないか(誰に向かっていってるのだ)。


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