Strange Days

NHKスペシャル「イグネ 屋敷林が育む田園の四季」

2002年06月09日(日曜日) 23時00分 テレビ 天気:晴れ

 今夜のNHKスペシャルは、仙台平野に点在する小さな人工林、イグネの四季。
 イグネは居久根と書く。仙台平野に入植した植民者たちが、田畑や家屋を守るために作った、人工の林だ。イグネは、仙台平野を吹き抜ける北風を防いでくれる。番組は、イグネが残る長喜城地区の一年を追った。
 この林は人工の林であるだけに、常に人手を必要とする。里山に比べれば楽そうだが。植層が自然にはありえないだけに、木を切ればその分だけ新しい植林が必要なのだ。
 ある農家は、30年程前に家を建て替えた際、このイグネから切り出した材木だけで賄ったという。完成までに15年掛かったということだ。木を乾燥させたり、成長を待ったりするために、これだけの時間が掛かったのだろう。
 長喜城では、農業の共同化を進めており、他の地区よりも労働力不足に悩まされることは少ない。だが、農民の高齢化、若年層の流出により、やはり苦しくなりつつあるようだ。それでも盆には地区外に出ていた家族も戻り、賑やかな宴会が繰り広げられる。
 労働力不足に悩まされた末、とうとうイグネの伐採に踏み切った農家もある。市街地が間近に迫ってきており、将来どこまで林を守り通せるか、不安が残る。
 人の手で作られた林だけに、人手が無くなればあっけなく消えてしまう。だが人の手で作られたがゆえに、どこか心安らぐ小さな森。残して行ければいいなと思った。


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