Strange Days

南風に完敗 三浦半島周回失敗

2002年07月06日(土曜日) 22時00分 自転車 天気:くもりときどき晴れ

 朝9:00に起床。窓から外を見てみると、雲ってはいたが十分明るく、雨になりそうな気配はない。今日は前から考えていた三浦半島完全自走周回を実行しようと思った。
 出発準備をしながら、天気予報を見ると、今日一日雨になりそうにない。出かける前に吉野家で朝飯を食らい、ちょっとPCに向かっていたら、いつの間にか11:00が迫っている。慌てて出発準備をして、11:00過ぎに家を出た。予定よりかなり遅れてしまった。
 戸塚まで走り、環状2号線を南下してゆく。前3枚化MR-4Fは絶好調で、アップダウンも難なく越してゆける。今日は、雨具などの荷物は、ブラックホールのヒップバッグに収めて腰に吊っている。バックパックと一長一短あるが、一番発汗する肩甲骨付近が開放されるのはありがたい。いちおう、輪行準備も怠りない。
 磯子に着き、ここからは横須賀方面に向かう。ずっと湾岸道路沿いに走ったが、歩道も車道も状態が良く、かつ交通量も少ないので走りやすい。
 磯子と八景島の中間辺りで正午を迎えた。やはり2時間は前に出発しないと、三崎に昼到着というスケジュールは難しいようだ。
 さらに海岸沿いに走り、野島という小さな島に渡った。ここの南半分は公園になっていて、バーベキューを楽しむ家族連れなどで賑わっていた。
 野島を抜け、R16に入る。道幅は広いが、市街地をいくつも貫通しており、その度に路上駐車の車に悩まされる。
 昼を迎えたせいもあるのだろうが、段々脚が弱ってくるのを感じた。ここまでずっと強い南風に吹かれつづけている。最初は景気良く突っ切っていたが、段々堪えてきたようだ。先行きに段々不安を感じ始めた。
 横須賀市街を抜ける。道沿いに米太平洋艦隊司令部なんてのもある。途中、コンビニで軽食を仕入れることにした。このまま突っ走っても、三崎到着は15:00近くになりそうだ。それまで、腹がもたない。菓子パンを二つほど買い、ボトルが乏しくなってきたので麦茶も買っておく。
 ちょっと走ると、三笠公園への案内が目に入ったので、道を折れた。三笠公園近くの街路は気持ちの良い小公園になっていたので、ここで食事をとる。
 さて、三笠公園へは自転車乗り入れ禁止なので、ゲートにMR-4Fを縛り付け、徒歩で三笠に歩み寄った。三笠は、サイズはおおすみと同等だと思われるが、基準排水量で15000トンと重い。戦艦というものの性格が良く分かる。武装は前後主甲板に連装砲塔を装備し、舷側にスポンソンがずらりと並んでいる。最下層の砲員など、艦がなにと戦っているのかも知らないまま、ひたすら射撃に明け暮れていたのだろう。小ぶりにも思える船なのに、鋼鉄の迫力がある。
 三笠公園を出て、さらに南下する。16号線は結構アップダウンがあり、またトンネルが多い道だ。そのトンネルに入るたび、南風が増幅されて襲い掛かってくる。次第に脚に堪えてきた。
 ここはどうしても外せないと思い、観音崎公園にも寄った。浜辺ではフジテレビの27時間TVの関係だろうか、清掃隊のテントが目立っていた。
 観音崎の緩い坂を越え、さらに浦賀、久里浜と走った。ペリー公園で一休みしながら、ここでエスケープしちゃうかと考えた。時刻は既に15:00。寄り道が多かったこと、出発が遅かったこと、そして南風にやられたことから、想像以上に遅れている。しかし、やっぱり鮪丼は食って帰ろうと思い直し、また走り出した。
 火力発電所近くの緩い坂でさえ脚にこたえる。難儀しながらも越え、三浦海岸を走りきると、引橋へのつらい上りだ。引橋まで上り、もうどうにもならなかったなら、下りだけの三崎口に向かって帰ろう。まだなんとかなりそうなら、三崎に下って鮪丼を食おう。そう考えて、引き橋へののぼりに入った。
 山を越えてくる風が吹き降ろしてくるせいもあり、風が凄い。勾配が緩やかなうちはなんとかなったが、きつくなってくるともう前をインナー30Tに落とし、リアもローに入れた状態でも回せなくなった。あんなに軽く感じていたのに、もう回せないくらい重いのだ。自分が情けなくなる。
 こんな状態で上りつづけても効率がよくないので、止まって、道端で小休止。想像以上に紫外線が強く、両腕がひりひりする。薄ぐもりなのに、こんなに日焼けしたとは。これも消耗の一因かもしれない。しかし、やっぱり意地を張らずに、途中でまともな飯を食えばよかったかな。
 日が差したり翳ったりする空を見ながら、どうやらここが僕の限界らしいとしみじみ考えた。なんだか、坂に対する抗力が、他の人に比べて弱いようなのだ。坂を越えること自身を楽しめなくても、越えて行ければ行動範囲が広がる。しかし、越えられなければ、行動範囲がかなり狭まるのが日本の土地だ。でも、その低い限界なりに楽しめる道はあるはずだ。他の人が峠を制すること、長距離を行くことに価値を見出すのなら、僕はそういうサイクリングの王道を外れ、そのわき道を行くことにしようと思った。そういう多様な楽しみ方が、自転車という趣味にはあるはずなのだ。
 また坂道を登ってゆく。休んでも回復せず、結局は6km/hという笑うような遅さで、それこそ這うようにして上らざるを得ない。しかし、なんとか引橋に至った。選択の余地はない。躊躇無く三崎口へと下っていった。
 三崎口でしばし座り込んで、少し回復してから輪行で帰宅した。今日は南風に泣かされた一日だった。


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