Strange Days

四国南部ツーリング2日目:四万十川(概ね)源流~上流

2008年04月28日(月曜日) 23時20分 , 自転車 ( 自転車旅行記 ) 天気:好天続く

 最大の山だった四国カルストを無事に越え、後は四万十川に沿って下るだけだ。しかし、坂の神は我輩をなかなか放免してくれないのであった。


 目覚めは快適。窓を開けると、すぐに四国カルストの高原が広がっている。いい気分だわ。朝食を取ってから、宿をチェックアウトした。高いが、ロケーションは最高の宿だ。
 さて、今日は高知県道48号を下ってR439、R197と乗り換えて四万十川源流を訪う。そして四万十川に沿って窪川まで下ってゆく予定だ。
 最初のご馳走は、県道48号だ。傾斜がきつく、しかも道が悪いので、ブレーキ過熱によるバーストを警戒して、短い距離で区切りつつ下っていった。しかし、こんな美しい森の中を下ってゆくのだから、ところどころの休止はむしろご馳走だった。リムが冷えるのを待ちつつ、萌黄色の山を振り返って一枚
 ほとんどの車は地芳峠からR439に乗るのだろう、県道48号にはほとんど車が居ない。たまに居ても、僕のように写真を撮りながら降りてゆく物好きだけだ。途中で分かれる林道に入る車も多い。下りきるまで、ほとんど独占状態だった。
 道沿いには湧き水が豊富だ。残念ながら飲めそうなものは無かったが。
 県道48号を下ってゆくと、やがてようやく人界に至った。物凄い傾斜の山肌に、畑と人家が張り付いている。雪の凄い地方では、とてもやっていけないだろう。
 県道48号とR439の合流点は、国道とは思えないくらい道が細く、曲がりくねっている。しかし、少し下流に向かうと、対向2車線の立派な道が走っている。もっとも、少し走るとまた酷道区間が始まるのだが。道沿いには立派な鯉幟が翻っていた。
 R439からR197に乗り換える。こっちの方が道は立派だ。しかし交通量も激増する。東進し船戸地区に入る。コンビニを目印に山道に入ると、再びきつい登りが待っている。しかし気分のいい道だ。交通量も無いので、のんびり登っていった。
 山道を走り続けると、やがて小高い場所に坊さんの銅像が建っている場所に至った。そこを下流から見て左手に入ると、四万十源流センターせいらんの里がある。オートバイの人が数人立ち寄っていた。僕も自転車を置いて、中に入った。なにか腹に入れておきたかったのだ。厨房の人に聞いたところ、うどんしか作れないと言うことだったので、きつねうどんを注文した。まだ11:00だし、厨房の準備が整ってなかったようだ。本当は地物の鶏を使った親子丼なんぞ食したかったのだが。
 とりあえず腹を満たし、さて源流訪問と行こうではないかと考えた。しかし、この源流センター、源流への行き方があまり詳しく掲示されてない。いい加減な案内図を元に往復することにした。厨房の人の話では、片道1時間位かなとのことだった。未舗装路が続くらしいので、自転車は置いて徒歩で登った。しかし、残り1kmくらいまでは舗装路だったのだが。ともあれ、砂利道を含む片道1時間程度の道のりを、テクテク登っていったのだった。かなりきつかった。
 四万十源流の碑に着いたのは、13:00過ぎのことだった。
この先、往復1時間程度の山道を行って、ようやく源流にたどり着く。しかしサイクリングシューズでは厳しそうだったので、この源流の碑を拝んでよしとした。命冥加な奴め!*1
 急傾斜の歩きでは、下りの方が足に響く。その通り、自転車にたどり着いた頃には、両腿、両膝にかなりの疲労が溜まっていた。まあ、残りは平地か下りだろう。
 この辺でまた補給をと思い、R197まで下ったコンビニで軽食を取る。適当なものが無かったので、また冷やしうどんなど食した。
 R197をちょっと西に戻ると、そこからが四万十川に沿って走る道の始まりだ。県道19号を下り始めた。
 この辺りでは、大河四万十もまだまだ細い。水は驚くほど清らかだ。人家が少ないからだろう。下る一方かと思いきや、ちょっとした登りも時たま待っている。道は川を着かず、離れずで走っている。ほとんどが1車線だ。気持ちいい道だった。
 大野見の文字が見え始めた辺りから、川幅は広がってきた。そして初めて、沈下橋を発見した。沈下橋は四万十川だけでなく、支流にもある。また岩国にだってあるのだ。
 快調に走っていたが、ふとロードノイズが高すぎるのが気になった。停めて、後輪をチェックすると、ふにゃふにゃだ。スローパンクしていたらしい。ガタガタの山道を下ったからな。ここでチューブ交換も考えたが、それも面倒なので空気を入れなおして様子を見た。Topeakのe-Shock Master Blusterを取り出し、グランジのポンプヘッド延長アダプタをつないで空気を入れていった。この延長アダプタのおかげで、空気入れとしてはイマイチな出来のこのインフレータでも、楽々120PSIまで入れることが出来る。しかし、e-Shockはボロボロだ。ハンドル留め具が壊れて、ハンドル側を上にしないとずるずると引き出てしまう。もう少し使えるかな。でも後継を考えないと。
 しばらく、山道じみたガタガタ道を走り、様子を見ると、もう抜けている。窪川まで数kmというところなのだが。そんなことを繰り返しているうちに、とうとう穴が広がったのか、完全に空気が抜けてしまった。道端にMR-4Fを停めて、チューブを交換する。最悪のシナリオは、換えのチューブも破損しているというものだった。しかし、無事に交換できた。
 道端で汗を掻き、出発しようとしたら、近づいてきた軽トラのおじさんに声を掛けられた。パンク修理しているのを見て心配してくれたようだ。ありがたいことだ。大丈夫です、と礼を言い、窪川に向かった。ペダルが軽い気がする。
 窪川はくろしお鉄道の駅があり、また遍路の札所もありで、少し拓けた場所だった。今日は、ここの岩本寺に泊まる。その宿坊が立派で、少し前まではYHを兼用していたらしい。古い街道筋と思える道を少し進むと、岩本寺はあった。山門の辺りに居た僧形の女性に尋ねると、自転車は山門脇のガレージに入れてもいいし、上に持ってあがってもいいとのこと。
 本堂の対面に立っている宿坊を尋ね、受け付けてもらった。自転車は玄関の脇にでも止めておいてとのこと。入れてもらったのは個室で、角部屋だった。テレビもあり、立派なものだ。風呂、食事について、細々した事柄を教えてもらった。『朝のお勤めに出ますか?』と聞かれたので、出ますよと答えた。せっかくなので出る気満々だったのだ。
 食事は大広間で一時に取る。和洋折衷と言う感じで、揚げ物と刺身、煮魚が出た。量は十二分だし、ふつうの旅館の料理的においしい。頼めばビールも出してくれるようだ。
 他の宿泊者たちは遍路さんが多い。それも歩き遍路の人が。次の金剛福寺までが遍路道で最長の区間らしく、途中一泊しながら歩ききるらしい。いやはや、元気なもんだ。年配の方ばかりではなくて、むしろ若者が多かったのが印象的だった。
 洗濯機は風呂場の脱衣場の外にコイン機が2台あった。その洗濯の間、自室にiPAQ212とBTキーボードを展開して、ネットアクセスする。さすがにWillcomはビンビンに使える。少しの使用での感想だが、Willcom回線は人里ならたいてい使えるし、人里離れて使えないような場所では、そもそもDoCoMoもauも使えなかったり、使えてもなんらかの支障が出ることが多かった。旅にはWillcom回線だけで十分かもしれないと思う。でも、本当に最後の護りとしてW05Kは手離せない。
 洗濯物は、角部屋で風通しがいいこともあり、衣文掛けを窓際に立てて干すことにした。
 久しぶりに車の騒音を耳にしつつ、就眠。
 今日の走行距離は75km。

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