Strange Days

第11回東京・南会津サイクルトレイン初日

2008年05月31日(土曜日) 23時55分 , 自転車 ( 自転車旅行記 )

 確か第1回、業平橋集合だった回以来の雨の中の集合となった。いささか憂鬱な気分で浅草橋に向かったのだった。


 4:00起床。寝起きで重い頭も、南会津行きの事に思い至ると、なんとか動き出してくれた。
 朝食を作りながら、荷物をまとめてゆく。一泊だけだし、慣れた南会津行なので、多少の忘れ物はなんとかなるだろう。今回はBD-1+FreePack Sportで行こうと決めた。一番機動力のある組み合わせだしな。しかし、まずは立場駅まで雨の中を走らねばならない。いきなり雨具登場かよ。
 雨具装備の上で、立場駅まで走る。雨はしとしとという程度で、ざーざーとは降ってない。とはいえ、駅に着くまでの数分間で、十分に濡れ鼠になってしまったのだが。とりあえずレインスーツの水滴を落とせるだけ落とし、BD-1を畳んで、改札を潜った。ディレイラーをRD-M772に変えて以来、折り畳んだ状態での自立性が向上したのはありがたい。
 戸塚でJRに乗り継ぎ、新橋に。新橋でメトロに乗り継ごうとホームに居たら、向こうからtussyがやってきた。雨になったねえと話しつつ、浅草へと向かった。
 浅草で地上に出ると、やはり雨だ。いつもの墨田公園のどこで雨を凌げるのだろうと思いつつも、再びBD-1を駆って集合場所に向かった。
 集合場所に近づくと、いつも集まる駐輪場入り口から少し北、東武の架線の下に集団が見えた。なるほど、ここで雨を凌ぎつつ集まろうというわけね。しかし、架線までが高すぎるので、少しの風で簡単に雨が吹き込んでくる。
 受け付けてもらい、顔見知りと挨拶しながら待つ。今回、Cコースは一般参加、しかも団体での申し込みがあったのではと疑っていた。というのも、僕が申し込んだの時には受付番号3番、それが2日後にはあっという間に埋まっていたのだ。なにか団体での申し込みがあったとしか思えない。しかし、見たところ、団体で固まっている新顔の人々というのは見られない。せいぜい、数人ずつポツポツという感じで、後は概ね顔見知りだ。この謎は、後々まで判明しなかった。
 さて、ここから雨の中を浅草まで移動し、電車に乗り込むまではいつもと変わらないくらいだった。しかし、車中で雨具を始末したり、その合間に自転車を固定したり、荷物の置き場所を探したりで、いつも以上にてんやわんやになった。これだけ時間的余裕が無かったのは初めてだ。
 車中、窓の外を気にしていたが、雨は小康状態になって糠喜びさせたり、また強く降って諦観させたりと、我が心を弄ぶかの如しだ。まあ、雨具を着て走れば酷くはなるまいと、いささか諦念の方に落ち着いていった。
 Cコースは会津田島で降りる。会津高原駅で他コースを見送った時には、雨は小降りになっていた。これなら止んでいるのではという期待は、しかし鈍色の空から落ちてくる少々過剰な水滴によって、きっぱり否定されてしまった。降り続くだろうな、これは。土砂降りでないことだけが幸運だ。
 まずは駒止峠越え。そのはずなのだが、この雨ではちょっと心配になる。なにかとポジティブなkurikin氏も迷っているようだ。上りはともかく、下りはスリップもあるので怖いのでは、とネガティブに意見してみる。とりあえず、南泉寺まで走って考えようということになった。
 雨の中とはいえ、山用レインスーツ上下、手先は冬の雨にも耐えるSeirusの全天候グローブ、足回りはシマノの防水防寒シューズSH-MW02と固めているので、顔以外は雨に悩まされることが無い。顔はスペシャの帽子をヘルメットの下に被り、その庇で凌いだ。
 道中、あまり雨が激しくないこともあり、意外に楽しみながら走っていけた。好んで雨の中を走る機会も無いんだから、雨の南会津を楽しむのも悪くは無い。
 しかし、南泉寺に着いた頃には、雨粒も少々育ったかに思われた。いずれにせよ、昨夜からの雨もあり、駒止峠への道には水が出ているだろう。kurikin氏は駒止峠をエスケープすることにしたようだ。随伴のマイクロバスで人員を搬送し、自転車は呼び寄せたハイエースで運ぶこととなる。スタッフ込みで27人分の自転車を運ぶのは大変だが、スタッフの松田氏はさすがビルダー。全ての自転車を2回こっきりで運ぶことに成功した。しかし、人員を一気に運ぶのは無理だった。僕とdahonの人の折り畳み組が、次回の自転車とともに運ばれることになり、寒い南泉寺の門前で先発組を見送る破目になった。寒いので周辺をうろつき、とうとう門に掛かっている鐘を撞いて世界平和まで祈念してしまったくらいだ。ここで体を冷やしすぎたようで、後々不調になってゆく。
 さて、次のハイエースでなんとか残り全員が搬送され、きらら温泉から再開することとなった。さすがに温泉には入れない。
 ここから、再び全員が、只見を目指して走り出した。裏道大好きなkurikin氏の先導ゆえ、交通量の多い幹線は避け、概ね農道、忘れられたような車道を走り続ける。雨とはいえ、冬のそれに較べればずっと暖かい。なので、春雨に濡れる田んぼや人家を愛でつつ、雨が埃を落とし色鮮やかな緑を楽しみつつ、只見へと向かった。
 途中で湧き水にも寄ったが、この雨ではちょっと心配だったので口はつけなかった。
 只見に入り、只見湖を回って宿に入った。田子倉ダムは、今回は勘弁してやろう*1
 宿では、先に宿に入っていた松田氏の情報から、外の温泉ではなくて、内湯に入った。これは正解だったようで、外湯は湯が出ないし狭いしで往生したらしい。内湯も狭いが、ほとんどが外湯に向かったのでがら空きで、湯量も豊富で温まった。
 夕食は岩魚の刺身、山菜を中心にしたもので、差し入れの酒もドンドン届き、嬉しい限りのものだった。会津は米も山菜も味が濃い。そして会津の酒は、それらに負けないくらいきりっとした飲み口だ。濁り酒も徳利で差し入れがあった。これが濁り酒にありがちな甘ったるさが無く、すっと喉を通ってゆく感じ。調子に乗ってぐいぐいやった後で、遊びに来てくれた国権の人に聞いてみると、度数は18%だとか。ヤバイ。案の定、飽食と呑飲の結果、猛烈に眠くなっていた。部屋に戻り、布団にダイブした。雨はまだ降り続けていたようだ。

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