物凄い風と雨の夜が明けると、昼は異常なくらい好天気の日となった。もう初夏ですかといいたくなるほどの陽気だ。
こんな日にも僕は布団でグズグズと過ごす。こんなのが同居人だったら、布団から叩き出して性根を入れ直してやるだろう。しかし自分のこととなると、いくらでも怠惰に成りうるのが人間というものだ。起きてもボーっとしたまま、部屋で過ごした。
さて、夕刻に家を出た。いくら怠惰な僕でも、他人との約束は守らねばならない。こぐ氏経由で、まめ氏主宰の食事回に呼ばれたのだ。池袋まで出て、西口をしばらく歩いた酒屋が待ち合わせの場所。やがてまめ氏が現れ、店内にも既に何名か居ることが分かり、三々五々集まってきた。
食事会の場所は、近くにあるまめ氏が馴染みの店、かえる食堂。名前は軽やか、かつ禍々しい雰囲気を漂わしているが、幸いにして食材として両生類を扱っている訳ではなかった。
ナイスなマスターと対面のカウンターは、わずか7席だ。今日はここを貸切で、お任せコースを楽しむという趣旨だ。
いつもは軽食主体のメニューで、まめ氏は栄養補給をここに頼っているとか。
まずひよこ豆の炊いたんが登場し、続いて
レバーペーストと豆腐クリーム合え。レバーペーストは軽やか。このクリームは大桃豆腐というマスターお勧めの豆腐をりんごに絡めたもの。
葱焼き。焼いただけの葱がこんなに旨くていいのか。葱の旨みをたっぷり味わえる。
海南鴨。冷製だが、かえって鳥の旨みが引き立つのが不思議だ。ここでお茶かと思ったら
スープを挟んで、
油揚げを炒めたん。これも大桃豆腐のもの。ここらでご飯が欲しくなってくるが、ぐっと我慢。
豆腐のオリーブソース和えかな。意外に合う組み合わせだった。ってか、旨い豆腐には何でも合うのか。次に
キッシュ。パイ生地にも旨みがジュッとばかりに染み込んでいる。そしてメインディッシュの
鶏と大根のカレーとクスクス。スパイスの香り高い皿だが、クスクスに絡めて含むと、意外にも鶏の旨みとしょうゆ系と思しき味わいが濃厚。鶏も良く煮込まれて、肉離れ良かった。こぐ氏が骨まで平らげたので、マスターもびっくりしていた。
ケーキ、そして
キャラメルアイスで締め。満腹した。
食事が進む間、マスターも巻き込んで食虫文化に関するディープな話題が進む。僕は環形動物を食す地域を寡聞にして知らずと表明すると、九州方面で食すとの情報を得てびっくりした。ミミズぐらいはあるかと思っていたのだが。
散会後、日が日だけにチョコレートの補給なども受けつつ帰宅した。