昨日のグダグダぶりに絶望した拙者。それなりに準備をして望んだのは、初見の地、石見銀山遺跡だった。
いやあ、昨日はグダグダだったなあ。迷走は楽しいものだが、人を引いてのツーリング時にはダメだ。
ということで、今日はそれなりに下調べして、GPSもVAIO Xに入れた地図を見比べながら経路を決めておいた。ともかく、石見銀山遺跡の入り口に辿り着けば。
昨日より早い時間に松江駅に集合する。大田市駅までは指定席で移動することにしていた。いざホームに上がると、結構な人出に、その判断を喜んだものだ。
大田市に着くと、いよいよ石見銀山遺跡まで走る。その経路そのものは、緩やかな上りと言う程度のはずだ。しかし、まだ駅から離れたばかりのところで、いきなりなアップダウンがあって少し慌てた。幸い、石見銀山への石見街道に入ると、予期したような緩やかな上りか、ほぼ平地だった。天気がいいので、この道行は捗った。自転車ツーリングはこうでなくては。
石見銀山遺跡地区への出入りで少し迷ったが、無事に旧代官所界隈に到着した。まずは予習をと考え、その旧代官所を利用した
石見銀山資料館を訪れた。世界遺産との兼ね合いからか、やたらポルトガルを始めとする海外との関係が強調された展示となっていた。もちろん、銀山自身の歴史も。大内尼子毛利の争奪戦は、ちょっと触れる程度。
予習後、早速旧街区の大森地区の散策に向かった。大森地区は細く長く、山上の鉱山群に向かって伸びている。その要路を登ってゆく感じだ。
入っていきなり、
女の子がシャボン玉で遊んでいるという、誰もが撮りたくなるような状況が展開されていた。もしかして、ヤラセ? 時給千円ぐらいでは、というのが、我々の間での見解だった。良い稼ぎだな。
さて、時期的に秋の盛りは過ぎているだろうと予想していたのだが、現地はまだまだ
秋の気配濃厚だった。ちょうど、小高い場所に祠があったので、その周囲から
町を見下ろしてみた。古い町並みの屋根が、明るい日差しを反射するのがよく映える。
いつの間にやら買い食いしながら町の端まで歩き、ちょっと逸れた辺りにある
五百羅漢に入ってみた。拝観料\500ばかり取られるのだが、正直\150くらいの感銘だったろうか。実際に500体ありそうだと分かったのが、唯一の収穫だった。
さて、ここまで来たので、食事処を探しながら降りてゆこうとなった。が、なかなか見つからない。時間的なものもあるのだろうが、5人まとまって入れそうなくらい空いている店が無い。仕方ない。こういうこともあろうかと思い、買っておいた駅弁を、代官所前まで戻ってから、川を見ながら食べた。あまり期待してなかった駅弁だったが、これが美味しい。風光明媚な点もあるのだろう。
ここから、入坑可能な間歩までは、距離的にも高度的にも結構ある。そこまでは、自転車をヘコヘコ漕いで登っていった。余談だが、この石見銀山地区ではレンタル自転車で回ることが推奨されており、実際にアシスト付き自転車で登ってゆく観光客を、数多く見かけた。が、どこもそうなのだろうが、危険運転続出で、こちらがひやりとする局面が数多くあった。
登る途中、あちこちで
秋を見かけた。中国山地の山は、植生の関係であまり紅葉しないのが残念だが、木を選べば大いに楽しむことが出来る。
急坂を登りきり、間歩の一つ
龍願寺間歩に到着。間歩は岩盤に薄く貫入した鉱脈に沿って掘られており、さらに脇に延びる鉱脈に沿って掘った形跡が、そこここに残されている。ここでの労働は過酷なものだったろう。それでも、大きな送風機で送気したり、薬草を炊き込んだりして、環境を改善しようと努力した形跡はある。しかし、一番苦労したのは水らしい。排水のために、大掛かりな揚水装置を設置したようだ。そして、その費用が、ある程度坑道の寿命を決めたようだ。
龍願寺間歩は、くの字型にやや高所に繋がっており、駐輪場までは歩いて引き返さなければならない。その途中に、この辺りの鉱山の守り神だった、
佐毘売山神社がある。拝殿の前に賽銭箱もない、なんとも清々しいまでに超然とした神社だった。
下る途中、どうしても茶をしばきたくなり、見かけた喫茶店に入った。ついでにスイーツも。旧家を改装した、雰囲気のいい喫茶店だった。
先を急がねば。今日は仁万まで出て、夕陽を眺めたい。代官所まで戻り、旧道を通って仁万に下る。車が少ない旧道なので、道行は大いに捗る。しかし、間に合わないか。港まで出る余裕は無いかも知れない。
山陰線を横断したところで、水路が海に向かって延び、そちらに小港か、観望に適した地があるのではないか。それに賭けて向かう。川口は左右に分かれているが、その一方の偵察に向かった(あ)氏が、夕日を受けて明るく見えたので、そちらに向かった。ちょうど、
素晴らしい夕陽が、日本海へと落ちてゆくところだった。今日は全ての目標を達成できたぞ。完璧だ。そう思いつつカメラを向けたところで、あっ、電池切れ osz
まあ何枚かは撮れたからいいか。
仁万駅に引き返し、松江に戻ってから、また宴の場を求めてさまよった。が、結局は一昨日の店に。一昨日はこぐ夫妻も長岡氏も居なかったので、ヨシとしよう。