今日はフェリーで臼杵に渡り、臼杵周辺を観光するつもりだ。しかし、天気が思わしくない。
朝。八幡浜は小雨がぱらつく天気だ。しかし、すぐに止んで、もしかしたら今日は雨にあわないで済むのではという希望も出来てきた。
ホテルを後にし、港に向かう。臼杵行きのフェリーに搭乗するのだ。
船着場につくと、自衛隊の中、小型トラックが群れている。標識によれば、陸自第14旅団の特科部隊のようだ。四国では演習場を確保できないので、九州に渡るのかな。飛び道具は持ってなかったので、指揮演習の類ではなかろうか。
フェリーは出航する。真北に佐田岬半島が延々と続いているので、何時まで経っても海の只中感は薄い。僕は二等船室に寝転がり、仮眠を取った。ホテルで十分に寝たのだが、昨日の雨中走行はそこそこ応えたようだ。まあ、今日は強度の高い運動はない、はず。
臼杵に上陸。内陸の磨崖仏へと向かう。また雨がぱらつき出して、雨具を着込んでの移動だ。
途中で、少し早いが昼食にしたいと思い、目に入ったファミレスに入る。
なにか肉々しいもので腹を満たし、再び磨崖仏に向かう。といっても、港から数kmなので、瞬く間についてしまうのだが。
駐車場に駐輪して、観覧券を購入する。入り口の土産物屋で、ウマそうだったので揚げないドーナツを購入。店のお姉ちゃんが紀州からこちらに来ているとかで、しばし会話。しかし買い食いが多いな……。
磨崖仏に逢うのは随分、となぜか思い込んでいたのだが、実際には一昨年の同時期に見ているので、約2年ぶりだ。お変わりないだろうか、などと心配する必要もなく、
あの時のままに佇んでいる。しかし雨のせいだろうか、
彩色が残る仏たちの色合いが、随分落ち着いて見える。そもそも、石仏たちもしっとりとした空気をまとっているではないか。ああ、あの時はぎらつく陽光の下だったからな。
なにより、この時期にしか現れない、
木々の萌黄色が素晴らしい。
この石仏群は、かつて栄えた
満月寺の寺域だったのだが、衰えて管理が行き届かず、かなり崩落が進んでしまった。写真に見える小さな寺は、近世に入ってから再興されたものだという。
磨崖仏を後にし、臼杵駅まで移動してから、輪行準備をして列車に乗り込んだ。今日から3泊分、別府の安宿に泊まる。別府駅から、割と近所にある宿まで走った。宿はドミトリーも用意しているようなバックパッカー向けのカオサン別府。一応個室を取った。ドミトリーに連泊だと、荷物管理が大変だからだ。安宿と言いつつも、無線LANが自由に使え、ロビーにはPCも設置されている。そしてキッチンも開放されているという、まさに僕のような貧乏旅行者向けの宿だ。
チェックインしてから、腹を満たそうと裏銀座にある湖月に向かった。が、今日は定休日だ。萎萎になりつつ、近所のファミレスにまで堕落して適当な夕食を取った。
宿に戻り、入浴。安宿とは言いつつも、ここは別府。きっちり温泉があるのだ。どうやら古い旅館を改装したもののようで、古めかしいが、湯は適温でゆったり入れた。何より、この雰囲気にビビったのか、誰も利用してない! 独占して、じっくり湯に浸かった。
さて、雨は止みそうにないな。明日はどうしよう……。