Strange Days

九州北部ツーリング1日目

2012年07月21日(土曜日) 23時34分 , 自転車 ( 自転車旅行記 ) 天気:晴れだか雨だか雷だか

 会社の引越し休みに休めることになったので*1、早めの帰郷を兼ねて九州北部を攻めることにした。まずは佐賀に飛ぶ。


 4:45頃起床。今回は10速&フロント38T化Bromptonで行く。ツーリングパニアに荷物を纏め、さらにドッペルギャンガーの折りたたみメッセンジャーバッグを背負う。ポケットの少ない夏場、小荷物を背負うためのバッグは別に要る。
 羽田に出て、朝一の佐賀空港行きに乗った。1.5hのフライト後、佐賀に降り立った。地図で予想していた通り、干拓地の端っこにぽつんと、それこそ田んぼと道以外には何も無いような場所だ。とりあえず、佐賀城界隈まで走る。道は広く、2輪レーンも取られた、走りやすい場所だ。なんてったって、まっ平ら。
 さて、実は困っていたことがあった。搭乗前の手荷物預けの際に、『チューブ類ボンベの類はございませんか』と問われ、思わず正直に『そういえばチューブ糊があったなあ』と口走ったのだ。その場で取り上げとなり、パッチだけあっても仕方ないので*2、その場に捨ててきた。というわけで、予備チューブはあるが、パッチが無いという困った状態だったのだ。
 晴れ間も見えるが、実に湿っぽい天気でもあるので、こういう状況で頼りに成るDefyで検索。佐賀城近辺にスポーツバイクつかさという店を発見、立ち寄る。スポーツ系バリバリの店なので筋肉おやじ経営かと思いきや、初老のご夫婦がアットホームにやってたりする。今朝、横浜から飛んできて、なんて話をしながら、イージーパッチを買い求める。本当はスーパーパッチの方が、まだ信頼できるんだが*3
 パッチを手に入れたところで、まずは佐賀城の見学だ。といっても、この天守は江戸期の火事で焼失しているため、本丸に歴史館が再建されている。江戸期の代表的な外様大名の御殿を、しばし徘徊する。
 さて、この後は。興味があったのは、佐賀環状自転車道という道。これは佐賀市街の外縁を一回りする、珍しい環状の自転車道だ。そこを1周したいのだが、天気がなあ……。いささか、暗雲漂う妖気だ。しかし、一番走ってみたい佐賀線の廃線区画、元々は徐福ロードと呼ばれていた辺りは走りたい。そこで、地図を見ながらサイクリングロードに近づくと。来たよ、来ましたよ、雨だ。しかも結構強い。空の雲には濃淡あるので、またすぐ止むかもしれないが。とりあえずポンチョを着て、徐福ロード区画を走り出したが、強まる一方の雨にたまらず、駅跡に立つトイレで雨を凌いだ。遂には雷まで始まる始末。やめてくれ。雨は凌げるが、雷はどうしようもない。ってか、死ぬ。
 成す術も無く、空を見上げていたが、やがて雨は小降りになり、止んで行った。しかしまあ、いきなりやられたものだ。いささか悄然としつつ、さてどうするべと考えていたら、道を2匹の小型犬が、まるで『勝手に散歩に来ました』ってな顔で歩いてくる。飼い主らしき姿は見えない。もしかして、雷鳴に驚いて脱走したか。なんとなく和む。
 とりあえず、雷は怖いので、電線がある区画を選んで走り、市街地に向かう。途中、大隈重信記念館の文字を見つける。早大閥の聖地だな。かつて慶大閥の聖地中津の福沢諭吉記念館を訪ねた身として無視できず、雨宿りも兼ねて入る。中は、まあ普通。しかし、普通でないのが、2Fの窓。紗のガウンを愛用した大隈侯にちなみ、真っ赤な窓ガラスがはめられているのだ。おかげで、窓から見える外の風景が異世界。なんというか、感覚がどこかでひっくり返ってしまう。窓の外に見える形は、普通の市街地なのだが、強烈な色彩効果で異世界感が半端無い。空を謎の生物がうようよ徘徊していても、見下ろす庭で魔法少女たちがガチバトルを繰り広げていても、違和感無い。違和感無いぞ。だが雨が降っている。降っているぞ(号泣)。
 異世界の眺めに酔い痴れているうちに、雨は上がった。繁華街をうろついて、適当なファミレス的な店で休憩兼昼食。この後の行動を考える。雨雲レーダーを見るに、雨の脅威は去っていない。佐賀環状サイクリングロードを走ってみたい気もあるが、それよりは吉野ヶ里に行きたい。途中、JRの路線が並行しているので、撤退の便もよさそうだ。良し、決まり。
 食事後、吉野ヶ里公園まで走る。市街地に近い辺りでは、道幅もあって快適だが、次第に狭まってゆく。
 吉野ヶ里公園に到着。でけえ!(驚愕) いやはや、想像以上にでかい。入り口からしてやたら大きい施設が挟んでいるし。園内を連絡バス(電動)も走っているくらいだ。舐めてましたね、これは。
 入場料を支払い、ゲートをくぐる。中は、発掘状況を元に復元されており、要所要所に案内板が立つ。歩き回って思ったのは、意外なくらいに戦争の臭いがすることだ。やたら目立つ物見櫓もそうだが、こんな風に環濠が巡らされ、逆茂木まで立てられている。中には発掘物の展示館もあるが、鏃が刺さった骨や、首の無い*4埋葬骨格もあり、激しい戦争があったことをうかがわせる。
 物見櫓は、祭政の中心区画、高位者の居住区画などに立っている。一部には上れるのだが、この日は雷注意報が出されたせいで、使用禁止だった。それどころか、雨まで降り出す。しまった、傘忘れたわ*5。そして遂に、雷警報が出たとかで、施設外への退去令が出される。雨が小降りになったのを見計らい、ちょうど近所にあるゲートへの連絡バスの停留所に向かう。バスはちっちゃな電動バスだが、こういう状況では頼りになる。かなり強い雨が降ってるもんな。
 バスはゲートまでは戻らないので、少し歩く必要はある。この雨の中か。しかし、バッグにポンチョを納めているのを思い出したので、なんとかゲートまで戻った。
 ゲートの付属設備で、いささか遅きに失したイントロダクションを眺め、みやげ物を見回っていたら、なんとなく小雨になってきた。すばやく自転車に戻り、JR吉野ヶ里公園駅まで走った。ああ、これで何とか宿に向かえそう。
 輪行で宿に向かう。博多に近づくに連れ、憎たらしいくらい天気が回復してゆく。宿は、時期的に博多中心部の宿が埋まっていたので、少し離れた和白のホテルに泊まった。宿はいいのだが、同時期にスポーツ関係で集団宿泊する学生がものすごく多い。これで困るのが、コインランドリーが埋まることだ。ホテルはもとより、すぐはす向かいにもあるのだが、ずっと埋まる。夜中にしか使えないなあ。
 場所的に博多に近いので、夕食は博多に出て、と考えていたのだが、疲れ切っていたのでホテルに隣接した*6ファミレスで済ませる。なにはともあれ、ビールがうまくて弱る。
 明日はどうするかなあ。

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