Strange Days

洞爺湖を周回

2012年08月08日(水曜日) 22時23分 , 自転車 ( 自転車旅行記 ) 天気:晴れ

 初めて走る洞爺湖は、非常に走りやすくて美しい土地だった。


 泊まったホテルには冷房がなく*1、扇風機のみだったのだが、それでも何ら不自由のない涼しさだった。これは快適なり。
 さて今日は、洞爺湖をゆっくり一周しよう。反時計回りに走りだす。
 洞爺湖は、ほぼ円形の湖だ。中央の中島は湖岸のどこからでも見える。洞爺湖温泉街の外周、海側には昭和新山などの火山群が聳えており、異形だ。
 道路は非常に良く整備されており、しかも車が少ないので非常に快適であった。起伏も少ないので、Bromptonでもきつく感じなかった。
 湖の南北岸には集落が多いが、東西岸には人家も稀だ。たまに行き会う集落のが美しい。
 集落の多い北岸に入ると、一際大きな集落に至る。ここは旧洞爺町の中心だったようだ。そこに洞爺市芸術館という看板を見かけたので、休憩を兼ねて入館してみた。有料。数年前まで開催されていた、洞爺ビエンナーレという芸術祭の特等作品を一同に集めた展覧会の最中だった。もしかしたら身の丈を考えて、ということかもしれないが、ちゃぶ台に載る程度の、サイズ制限のある彫刻作品を対象とした賞で、日本以外にもアジア各国、ヨーロッパや中東からの応募作があった。重々しさを感じさせる鋳造品が多かったが、それを逆手に取ってアンバランスさを潜ませて軽快さを演出したり、逆に非金属材を組み合わせて重さを強調したりと、手が込んでいるものも多かった。作家って人種は、見るものをアッと言わせたくて、頭を絞るもんだ。
 芸術館から少し走ったところで、水の駅の看板に吸い込まれる。食堂を覗くと、なぜかさぬきうどんの文字が見える。なぜに、北海道でさぬきうどん? ぶっかけを頼んで、壁の掲示を眺めていると、この洞爺湖畔を開拓したのは、讃岐の人たちだったと知る。それで、さぬきうどんが伝承されたのだとか。
 食後、外に出て自販機を見ると、ガラナの文字を発見。懐かしい。子供の頃、広島の方でもガラナドリンクが売られていたものだ。ここではキリンがガラナを限定販売している。水辺の公園では、結構な自転車乗りを見かけた。走りやすい故か、ロードバイクが目立った。
 集落の端辺りに、こんな場所が。先ほどの水の駅に置かれた観光案内所で、まさにこの場所の写真を見かけていたのだが、『どこにあるの?』状態だった。近所にあったのね。浮見堂という。聖徳太子を祀っているとのこと。この浮島に渡れるので、接近して1枚。近年に火事で焼け、再建されたものだということだ。静かな湖面に、赤い小堂が映える。
 西岸に回ると、ずっと気になっていたものに近づいた。外輪山の上に、まるで西洋の城塞のように聳えている建物。サミットの舞台にもなったウィンザーホテル洞爺なんだげな。一生縁の無さそうな価格設定のホテルだ。
 洞爺湖温泉街にまで戻る。時間に余裕があるので、中島に渡る遊覧船に乗りたい。船着場までゆくと、ちょうど出たばかりで、次は30分後。その間に、と近所のラーメン屋で塩ラーメンを食べる。しかしラーメンが出るのに予想外に時間を要し、次の便も逃がしてしまった。まあ、その次でも全然余裕だが。
 首尾よく観光船に乗り込む。乗客は、3割が韓国人、3割が中国人、残りが日本人という感じで、どうも東アジアからの観光客が多いようだ。
 洞爺湖は水が澄んでいるので、浅瀬ではそこまで綺麗に見える。これでも、かつてよりは大幅に濁ったそうだが。船は中島を構成する*2小島の間を抜ける時、結構な浅瀬でそこが見えるので、ハラハラできる。喫水の浅い内水汽船ならではだ。
 中島に立ち寄るので、降りて次の便までの間、徘徊する。この小島にはエゾジカが居る。人為的に導入したものが増えた結果、この小島の生物に新たな淘汰圧をもたらしているという。小島のそれぞれには、江戸期に菅公、弁天といった諸神が祀られたという伝承があり、麓に小堂が並んでいた。
 湖岸に戻り、また外輪山*3を超えて洞爺湖駅まで戻る。ちょうどトワイライトエクスプレスが停車中だった。
 特急で札幌に出る。札幌は大都会で、昨日とは一変している。駅横のヨドバシカメラで、VAIO Xに使えるAC電源を探すも、見つからない。10.5Vという低電圧が災いしたか、互換品が見当たらないのだ。
 やむなく、今日の宿に向かう。ススキノにほど近い、カプセルホテル。カプセルで3泊はきついので、仕切りで独立させられたコンパートメントを取った。これでも3.5k\程度なので安い。しかし、出入口はアコーディオンカーテンで仕切られるのみなので、最低限のプライベートしか確保できない点では、カプセルと変わりない。きついのが、客室飲食禁止な点だ。エレベータホールまで出ると自販機があって飲料が買えるし、別フロアには遅くまでやっている食堂があるのだが。水ばかりは手元にないときついので、持ち込んだ。
 着いた時刻が遅かったので、食事は食堂で取る。うーん、外で、いやもしかしたらコンビニで食ったほうがマシだったかも。飯より参ったのは、近所にゲーセンでもあるらしく、深夜まで重低音が伝わってくることだ。客室が非常に静かなだけに、これはかえって弱った。

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