Strange Days

2013GW旅行 四万十川上流から下る

2013年05月02日(木曜日) 22時40分 , 自転車 ( 自転車旅行記 ) 天気:晴れ

 とにかく、標高0m帯の須崎から、600m近い四万十川源流にまで上ってきた。ここからは下るだけだ、といいたいが、実際には山深い川沿いでは、アップダウンが沢山待ち構えている。さて、今日の宿、江川崎に、無事にたどり着けるだろうか。


 真夜中に起き出して、あの望遠鏡で射手座の方を見ようと思っていたのだが、朝まで爆睡してしまった。昨日は大変だったから。
 その望遠鏡。見ての通り、状態は良くない。まして、今は露天状態なので*1、このままでは稼働不能になるんじゃないか。
 この宿の間近に、稲葉洞という鍾乳洞がある。ここは四国カルストの麓で、おそらく地質的にも鍾乳洞の類いは多いのではあるまいか。
 宿に別れを告げる。騒音一切無しなので、まあ落ち着くこと。
 船戸の集落まで取って返す。ふと、昨日登る際に気になった場所に立ち寄った。満天の星という、真新しい建物。惣菜&お菓子屋さんとのことで、いささか正体不明だ。まだ営業時間になってなかったので入れず。
 この辺りでは、大河四万十も、こんなささやかな流れだ。
 とりあえず、窪川を目指して下ってゆく。高知四国南部のこの辺では、山間部でも田植え準備が進んでいる。水が入れられた耕田は美しい。この辺では谷が浅い場所では、路面と水面が開いていないこともあり、普通に沈下橋が多用されている。いずれも、自然周囲によく溶け込んでいる
 この辺では、県道19号というマイナーな道であることもあって、狭隘な個所も数多い。この辺の道を走っているとき、古ぼけた看板に『寺田寅彦』の字を見つけ、思わず読む。なんでも、この辺の山中に、寺田家の祖先の墓地があるという。高知の人だったのか。
 しばし川沿いの道を走り、集落に行き当たると、道端に不思議なものが伸びている。ちょうど通りがかったおじさんと、SatRDayをネタに立ち話が始まったので*2、聞いてみた。なんでも、上流の方から水を引いていて、小規模な水力発電に使っているのだそうな。確かに、ダムはないとはいえ、取水堰は方々で見たので、水利そのものは盛んなのだろう。それにしても、さわやかな風景だ。
 しばし、川辺を離れて走り、窪川の駅に到達。まだ昼には全然早い。昼はどこにしようか迷いながら、走り続ける道を選ぶ。ここからはR381に乗り換える。
 ここまでが上流域なら、窪川からほぼ真西に転じた辺りからが、中流域といえるだろう。ここから江川崎まで、予土線とほぼ並走する。四万十川は、この江川崎までの中流域が、最も良好な道路状況だ。上流域、江川崎からの下流域となると、結構厳しい、狭隘な道が続出する。そういう意味で、四万十でも一番美味しいのが、この中流域かもしれない。川幅も広がり始め、やがて大河の風格を備えるようになるのだ。
 ってな感じで、淡々と走っていたのだが、次第に空腹感が募ってくる。適当な場所で昼食をと思ったが、窪川を出てからしばらく、これという箇所が見つからない。ならば、道端で野良喫食だ。とりあえず、カップ麺を入れた。
 中流域では、川幅に見合って、沈下橋も延びてゆく。予土線は、四万十川の蛇行を縫うようにして、両岸を何度も鉄橋で渡りながら、概ね並走する。ここは打井川の駅だ。
 四万十川の蛇行は、小さな半島状の地形を多く作り、そこを予土線の鉄橋とトンネルが縫う。しかし半島沿いの道をゆけば、やはり人界があって、なんとも素敵な眺めにも恵まれるのだ。
 土佐大正の辺りで迷いかけたが、ここも川沿いに走って、次に浦越トンネル。ここも川沿いに入ると、意外に開けた集落があって驚く。
 三島トンネルに入る辺りでは、こんな風に鉄橋と沈下橋の競演を目にできる。ここを抜けてすぐの土佐昭和駅の看板には、おお、まだ国鉄が生き延びている。前回来た時にも目にして、気になっていたのだ。
 こんな感じで走り続け、そろそろ17時に近い。しかし、日は全然高いのだ。このまま鉄橋と、川沿いの道を辿っても、余裕だろうと思っていた。
 しかし、宿から電話が入り、何時に着くか確認されてしまった。そういえば、この宿はバンガローで、チェックインの時間制限があるんだった。そこからは急いで、江川崎までの最短距離を走り、なんとかチェックイン期限の18時に、四万十川の駅カヌー館に到着。バンガローに転がり込んで、ようやく荷物を下ろした。
 さて、夕食はどうしよう。この辺の店は夜が早いので、もう時間的余裕が無い。ここは、スーパーで買物一択でしょう。スーパーに向かい、今日の食事と、明日の朝食を買い込んだ。
 このバンガロー、エアコン、コタツが備わり、冷蔵庫も布団もある。しかし、調理機材はなく、恐らくは川沿いの調理場にゆかねばならぬのだろう。が、既に日が暮れているので暗い。そこで、バンガロー前の空間に、自前のガスバーナーを出して、湯を沸かしてうどんを作り、一緒に買ったモーニングミートを焼いた。肉肉したものが欲しかったのだ。
 風呂は、近所の共同温泉は既に終わっているので、ホテルの立ち寄り湯を使う道はあった。が、もう面倒臭いので、管理棟に併設されているコインシャワーで済ませた。
 なんだかんだでこの旅も、明日までだ。

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