Strange Days

2016年春 九州南方ツーリング3日目

2016年05月01日(日曜日) 23時35分 , 自転車 ( 自転車旅行記 ) 天気:快晴でやや西風

 今日は佐田岬から大隅半島西岸を北上、鹿屋を経て志布志まで走る。追い風を期待して走り出した。


 ホテルの部屋は東に窓がある。明け方、カーテン越しに既に強い陽光を感じ、目が覚めた。真夏の突き刺すようなそれではないが、人の覚醒を促すには十分な強さだ。書きながらガンダムのニュータイプかよと思う。
 だがあえてもう一眠りし、完全に日が昇ってから起き出した。相変わらず風はなく、水面は鏡のように穏やかだ。
 しかし、朝食に向かう頃から風が出始め、部屋に戻ってしばらくした頃には、まだまだ湿っぽかった洗濯物が、一気に乾いていた。陽光の力はすごい。
 身支度をして、宿を後にする。見送ってくれたお姉さんから、昨日の51台はやはりブルベだったと確認。なんでも、昨日のうちにはもう大分にいたとか。信じられない。
 宿の近くには、一見現役に見える学校があるのだが、既に平成25年に廃校されたそうだ。
 さて、昨日のきつかった山道を、登り返す。きついことはきついが、垣間見える海と森、そして陽光のコントラストが心地よい。遠くの開聞岳は、残念ながら昨日同様に霞んでいた。
 途中、昨日は通過した展望台に登ってみる。海は近いけど、やはり霞がねえ。冬場、空気が澄んだ時期なら、開聞岳もよく見えるだろう。この展望台の対面は、ふれあいパーク佐多という公園で、トイレがある。
 佐多伊座敷に下りきる手前に、昨日は無視した佐多旧薬園がある。薩摩藩時代の史跡だが、まあ地味な植物園という風情だ。
 再び海沿いを快走し、根占の手前の山道をヨイショと登り、根占港に出る前に、気になっていた場所に向かう。根占諏訪神社だ。見ての通り、本殿一つなのに、鳥居が2つ建っている。かなりの変わり種だ。謎の答えの一端は、諏訪神社であること。つまり、かつては大社と同じく上社下社と別れていたのだが、本殿が何らかの都合で相殿となり、鳥居は残された、という説があるようだ。
 港のコンビニで小休止。結構暑い。幹線は行かず、裏道に入ってみた。ここに西郷隆盛が狩りの宿に使っていた、南洲翁宿所跡がある。西郷が西南戦争勃発の報に接したのはここらしい。「ちょしもたー!」と叫んだのがここ。
 この先、海沿いをグイグイ北上してゆく。でも、もう昼前なので、大根占のさかえという店に入り、生姜焼き定食を。忙しそうだったので、すぐ出そうな物を頼んだ。おばあさんとおじいさんが二人で切り盛りしており、客も多くて大変そうだ。がんばれ、超がんばれと、心のなかで応援する。程なく、生姜焼きにありついた。お味は普通だが、炊きたてご飯にありついたのは嬉しい。
 さらに北上する。鹿屋に向かうつもりだったのだが、内陸に登り始める辺りに、海に立つという菅原神社があるらしく、そこを目指す。その途中で見かけた波之上神社。ここは海を背にしている。なかなか映えるではないか。
 菅原神社は、鹿屋へと南方からアプローチする登り口を無視して通り過ぎ、真西から登りだす登り口の手前、海に突き出した小島にある。これくらいの神社となると、ご利益だのなんだのじゃなくて、佇まいがただ素晴らしい。小島の上に本殿があるのだが、そこへの道がプチ山岳信仰だ。
 更に進み、鹿屋へと真西からアプローチする。この道は、南の道よりだいぶ厳しい感じだった。結構登った後は、割りと平坦に東走してゆく。
 市街地に入り、海自鹿屋基地史料館に向かう。ちょっと入り口を探してウロウロしていたが、実は素直に行けばいいと判明。駐車場の一角に自転車を止めた。入館無料。
 ここは海自の航空基地があるだけに、航空関係の展示が充実している。これは館内展示の零式艦戦。ちょっと困ったのが、撮影規制が細かく仕切られている点で、この零戦は問題ないが、その他の特攻関係資料は不可など、なかなか遵守が大変だった。
 海自関係の史料は、撮影自由だ。これはPS-1の風洞実験用木製モデルハープーンと航空魚雷。ハープーンが意外に小さいな。
 P-2Jの乗員用計器が再現されている。スイッチ萌の人は萌え死ねる、スイッチ地獄だ。
 救難機S-61の内部。HSS-2の同型機だが、対潜関係機器が無いだけスッキリしている。使用の跡が生々しい。
 野外展示も充実している。PS-1のコックピットがずいぶん高いのに驚いた。水上機なのだから、そりゃあ喫水分を考えなきゃならないのだな。
 そのご先祖様、帝国海軍の二式大艇もある。これも巨大だ。
 鹿屋から東に、志布志へと向かう。ここは大隅半島の付け根辺りだ。そこを横断するようにして走ってゆく。道は一度登った後は、ほぼ平坦で、たまにアップダウンがあるという感じ。ここが台地であることがよくわかった。
 ひたすらな追い風に助けられ、最後の30kmくらいは激走だった。途中でコメリに入って、爪切りとプライヤーを買ったくらいで、宿までひたすら走った。今日の宿は志布志駅に近いポラリス。チェックインし、夕食を求めて近所をうろついたが、疲れすぎてどうでも良くなって、ジョイフルに入った。ビールを頼むと、店員のお姉さんが忙しすぎて色々おかしくなったのか、「野菜ミックス麺です」といいつつビールを置いていったのだった。

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