Strange Days

壱岐行き初日 島の北東死闘編

2016年06月10日(金曜日) 22時58分 , 自転車 ( 自転車旅行記 ) 天気:まずまずの好天

 今日は高速船で壱岐の北部に渡り、今まで行ったことが無かった北東部を彷徨くつもりだ。しかし、まずその高速船に乗るための時間があまり無いという罠を躱さねばならないのだ。


 朝早い地下鉄で羽田まで移動し、福岡行のANAに向かう。手荷物預かりが自動化された結果、大型手荷物の受付ラインに余裕ができたかと思いきや、3ラインあるうちの1が、トラブルでもあったのか延々とnull捌けない。おかげで、実際に預けるまで、えらい待たされてしまった。しかし、セキュリティゲートは混んでなかったので、難なく通過。無事に福岡へと飛んだ。上空はよく晴れ、関東平野を遠くまで見通せた。富士山もよく見えた。
 しかし、福岡でも気忙しく動かねばならない。博多港発の高速船で壱岐に向かうつもりなのだが、時間があまり無い。高速船では自転車はどのみち畳まねばならないので、バスで出られたらいいのだが、なんと直行するバスがない。西鉄とJRの連携の無さといい、福岡の交通機関は独立不羈の気概に満ちているなあ*1。ではタクシー、というのも高くついて負けな気がしたので、福岡空港で自転車を展開し、港まで走り、必死に畳んで高速船に飛び乗った。今回は諸般の事情を考慮してMR-4にしたのだが、畳むのに少し手間がかかるのでこの選択を少し後悔した。しかし、間に合った。
 高速船は、北部の芦辺港に入った猫達がのんびりと迎えてくれた。俺はのんびりする余裕もなく、飢えていた。昼食を探さねば。別に探すまでもなく、心当たりにあった芦辺港にほど近いイオン(旧ダイエー)のかっちゃんで、牛丼にありつく。牛とじ丼なのだが、この火の通り加減が絶品だ。小椀についてくる汁代わりのうどんも、アゴ出汁が効いてうんまい。
 さてさて、最初に島の神様に挨拶せねば。港湾を見下ろす高台に立つ、壱岐神社に参った。弘安の役で壱岐を守備して討ち死にした、少弐資時を祀った神社。なのだが、造立がWW2時の1944年と、えらい新しい神社だ。元々、この近所に資時の墓があった故だそうな。
 この一帯は少弐公園としてキャンプ場なども整備されている。その磯に神社が建っているのが見えたので、行ってみた。波切不動尊。実に諸星大二郎っぽいシチュエーションではないか。
 内陸に向かった墓地にあったのが、このおどろおどろしい塚。これは2度の元軍来襲の度に行われた殺戮の躯を弔うために集めた場所だという。
 小さな看板に「鯨墓」というのが見えたので、寄ってみた。なんか奥まっていて見難いなあ。
 概ね海沿いに北上するつもりだったが、走りやすい道は尾根を走っているので、海をあまり見ないまま北東部に向かう。ここで寄りたかったのが、諸津観音とか白歯雪記念館とかいった謎の文字が見える辺り。何があるんだろうと不思議に思っていた。坂道をヘコヘコ登ってみると、入り口がいきなりこんな有様の園地に出る。この胸の高まりは何?
 期待を胸に入ってみた。ここは仏教テーマパークとなっている。大阪方面で成功した実業家が、地元の愚民どもを啓蒙しようとでも思ったのか、こういう寺とも聖地とも言い難い場所をこさえてしまったらしい。まあ、よく聞く話ではある。中は意外にまともで、大型の観音像、近づくと自動運転を開始する一休さんっぽい読経する何か色々置きたいが場所がないんだよと言わんばかりの仏像群などが散見される。
 神聖な気持ちに浸りつつ、今日最大の目的地へと急ぐ。この北東部にある2つの山、男嶽と女獄は、それぞれ宗教的な聖地で、特に男山には石仏群が置かれているという。少し迷いつつも、さてこの先を抜けるとすぐ神社だ。着いたな、と思いつつ道を曲がると、これだ。衝撃のあまり、しばらく失神していたようだが、目を覚ましてもこの激坂は消えてくれないので、泣きながら歩いて登った。幸い、そこまで長くはない。
 男山神社に詣でる。いきなり展望台っぽいものがあって面食らいが、鳥居を潜ると、有名な石仏群があった。これらは猿っぽいが、牛の石仏も数多い。なんでも、酪農関係者が牛の無事な生育を長って奉納するのだとか。
 などと説明してくれるのが、さっきからお囃子のような笛を吹いていたお兄さん。いや実は、この男獄神社の宮司さんなんだとか。下にある別の神社の宮司も兼ねておられるそうだ。たまたま居られたので、境内を案内してくださった。この神社が古い山岳信仰の形がそのまま残っており、一角にある巨石が御神体なのだとか。触らせていただいた。ひんやりと冷たい。
 この宮司さん、かの宗像神社は隠岐の島の駐在もやって居られたそうな。それは滅多にない体験だったでしょうな。
 例を言って境内を後にする。、気になっていた展望台に登ってみると、場所が場所なので実に遠望が利く。行きは割りと平ではあるが、小さな山は実に数多い。
 島の方々にある神社を訪ねつつ走る。新城神社には文永の役の際に元軍と交戦して討ち死にした、平景隆の墓がある。
 勝本ダムに東からアプローチする。なんかあるよ。怖い写真で有名な吸水口かな。
 ダムをあちこち撮り歩きながら上流側にある橋を渡り、R382に向かう。壱岐も紫陽花の時期だ。
 R382を走って郷ノ浦に抜け、今回の宿、以前にも泊まった壱岐マリーナホテルに入った。周辺を散策し、夕陽を観察する。西に向いた郷ノ浦は、夕日スポットが多い。
 明日はどこ走るかな。

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