Strange Days

北海道東部ツーリング6日目

2016年08月11日(木曜日) 23時49分 , 自転車 ( 自転車旅行記 ) 天気:まあまあの晴れ(所による)

 遂に納沙布岬に向かい、やがて奪回する北方領土を偲ぶ。そして今日の泊地の霧多布までどうにかして移動するのだ。


 根室の朝は、霧。朝食後、例の展望台に上がったのだが、霧がひどくてまるでお日様が見えやしない。
 今日はまず、納沙布岬を回り、根室から霧多布まで何とかして移動する。どこまで、どこから走ろうか、輪行しようかと軽く考えていた。
 宿を後にし、根室駅に荷物を置いてくる。宿に預けても良いのだが、既に根室から輪行する方向に傾いていたので、時間がギリでも即輪行できるように、駅に置くことにした。
 根室市内は祭りで賑わっていた。祭りの詳細を知らないので、露店を冷やかして雰囲気だけ楽しむ。
 市街地を抜け、時計回りに岬を周るコースに出た。市街の近くは結構大きなアップダウンがあるが、その先は比較的平坦だ。北海道らしい風景に、風車が華を添えている。
 そんな風に走っている時に、出会いたかった相手に遭遇。キタキツネだ! よく見ると、なにか獲物を咥えている。遠目に見つめ合っていたが、やがてそそくさと消えていった。
 ほぼ原野か農地という場所を走ってゆくと、やがて納沙布岬に到着する。北方領土を偲ぶためのモニュメントがある。展望台らしきものがドーンと立っていたが、登ると時間を食いそうなので、パス。
 なんというか、本土最東端というアイコンはどこへやら、露助への怨嗟に満ちた呪詛の空間であった。また来たい。
 帰路も概ね同様の風景の中、今度は南岸を走ってゆく。北方領土のロシア軍と間近で対峙する厳しい環境をうかがわせる、空自のレーダー基地が見える。
 時間的に昼なので、駅に着く前にラーメン屋に入り、餃子とラーメンを貪る。ジモティがたくさんいる店で、美味しかったです(小並感)。
 今日はもう、霧多布の最寄り駅まで輪行しちゃおう。自転車を畳み、荷物を抱えて列車に乗り込んだ。夏も盛りというのに、根室は霧に覆われて、涼しい。列車は本土最東端の駅である東根室を通り、釧路へと向かった。
 途中駅の浜中が、霧多布の最寄り駅だ。無人駅なのだが、降りるといきなりこれだ。ここでルパン三世のポスターに出迎えられるとは。無人駅なので使われてない改札も、こんな按配駅外観はこう。みなさん、記念撮影しますよね。
 なんでも、モンキー・パンチ氏の出身地なのだそうな。知りませんでした。
 駅から、霧多布の方に走る。駅は小高い場所にあり、海岸線へと降りてゆくと、断崖に囲まれた霧多布が遠望できる。霧多布に入り、根本に近い辺りの町にある宿に荷物を置いた。まだ時間は早いので、明日行くつもりだった霧多布岬に、今日ゆくことにした。
 霧多布は半島全体が小高く、町にある辺りだけが低い。つまり、ゴリゴリよじ登ることになる。キャンプ場を過ぎた辺りから、霧が濃くなってきた。そして霧多布岬は、本当に霧の多い岬だ。ブワッと襲ってきて全てを見えなくする猛々しい霧ではなく、ブラッドベリが好んで書いたような、ヒタヒタとやってきてまとわり付く、物悲しげなそれだった。岬の眺めは良かったが、写真に撮ると霧に霞むので、何が何だかだった。
 もう一つ、アゼチの岬にも行ってこよう。要は半島の西南、町の南辺りにある岬だ。こっちはマイナーなのか、人っ子一人居ない。場所的に夕日を見るには良いのだろうが、生憎なことにここも霧。
 夕食は、宿が素泊まりプランだったので、すぐ近所の割烹料理屋に上がり込んだ。注文が出るまでにえらい待たされ、ビールを飲みながらのんびり待った。それにしても涼しい。20℃を切っているのではないか。

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