Strange Days

真夏のしまなみ海道を行く(1日目)

2005年08月11日(木曜日) 21時26分 天気:晴れ

尾道~向島~因島~生口島~大三島


 思えば、2001年の真夏、初めてしまなみ海道を走ったんだっけ。当時はまったくの未体験ゾーンだったので、ろくな準備も無く、干からびながら走ったものだ。でも、なにもかもがカラカラに乾きそうな中、視覚的にはやけに涼しげな島を走るのは、楽しかった。
 今年の夏旅行は、長州方面が頓挫してしまったので、また真夏のしまなみ海道を走ることにした。暑い思いをしながら。物好きなことだ。
 隠れたテーマが、未知の海岸線を行くというもの。向島南岸、大三島、伯方島のほぼ全周、そして大島北岸は未踏領域だ。ここを行ってみようと思った。
 朝は6:00に家を出て、尾道までJRで輪行。9:00には着き、さっそく出発する。手馴れたものである。あっと、その前に、観光案内所で地図をもらっておいた。
 駅前渡船で渡ると、映画のセットを公開中という場所に出る。ところが、木曜日の今日は休み。『木曜日には臨時整備が入るかも』という表現だったので、盆の間はやっているだろうと思っていたのに。来年3月までにリベンジせねば。
 船着場からまっすぐ走り、一度香月に立ち寄る。アイスキャンデーを2本、みかんとレモンをやる。あんまり走ってないけど、この冷たさは嬉しい。
 一度、西に向かって走る。そこから南に向かい、南岸に出る。細い道を走って行くと、多少のアップダウンを越え、南岸へと出た。海水浴場もあり、意外に拓けている雰囲気だった。しかし、今日は南西の風が強い。この分では、ずっと向かい風に悩まされそうだ。
 向島の南岸をぐるりと回り、やがて因島大橋のアプローチに入った。登りきって、橋を渡ると、もう因島だ。
 因島では、既に海岸線は制覇していたし、あまり見たい場所も無い。そこで、今まで通ったことの無かった推奨ルートに従い、島の内陸部を通ることにした。ところが、嫌な感じのアップダウンが続き、また景色も今ひとつだったので、やはり北岸を通った方が楽しそうだ。少し干からびながら、生口橋を渡る。
 ここも全周制覇済みだった。耕三寺界隈まで走り、門前の適当な店でアナゴ天丼を頼んだ。海鮮+油脂分でエネルギーを確保するのだ。
 さらに近所のドルチェ支店でアイス
 この後で、平山郁夫美術館に立ち寄った。今日は時間がある。水彩画ばかりと聞いていたが、大作も収蔵されており、意外に見ごたえがあった。
 求法高僧東帰図という不思議な絵が目を惹いた。これは玄奘など、中国から東方に向かい、仏教経典を持ち帰ってきた僧達の姿を、象徴的に書いたものだという。しかし、東帰というのだから、まさに持ち帰ってきているという状況を書いているのだろう。にもかかわらず、妙にしんみりというか、しょんぼりというか、そういう思索的な雰囲気ではないか。これが元気一杯に、笛太鼓を打ち鳴らしながらとなるとかえって不気味なものにはなるが、もう少し達成感があっていいはずだ。でも、例えば玄奘などは唐の国禁を犯して出国したのだから、帰り着くまでには葛藤もあったはず。そういう、人間の中に届く目を感じさせた。
 もう一つ、広島生変図という絵も見たかったのだが、これは壁画として広島県立美術館に収蔵されているらしい。
 エアコンの効いた美術館にいたからか、外に出るとよけいに暑さがこたえる。しかし時間的にはまだ13:00だ。サンセットビーチという海水浴場に立ち寄って、しばらくぼーっと海を見ていた。
 今日の宿泊地は大三島ふるさと憩いの家だ。そこまでは大三島南岸を通る予定だ。ちょっと手ごわそうなのぼりはあるものの、時間的には十分でしょう。大三島に渡る多々羅大橋をバックに。見事な逆光振りだ。
 大三島に渡るなり、道の駅に滑り込み、なにかの義務であるかのようにアイスをむさぼる我輩の姿があった。むらさき芋アイスは、ほんわりした甘さが良い。またここからの多々羅大橋の眺めも良い。
 いよいよ未知の領域に足を踏み入れる。大三島南岸ルートだ。走り始めると、次第に高度を取り、海を眼下にするようになる。しかし傾斜はそんなにきつくも無い。ミドルギアで登ってゆける道だ。それでも、目を下にやると、海が少し遠く見える。去年のしまなみツアーで、島中央ルートを恐れるあまり、帰路はここを通ろうという方向に進みかけたことがある。もしかしたらこっちの方が楽だったかな。
 一番懸念していたのが、憩いの家に近いあたりでの、明らかな登りだった。地図で見る限り、ちょっとした峠越えになりそうだった。ところが、真新しいトンネルが開通していて、登り皆無で楽々通過できたではないか。その後で多少上ったが、全体的には楽なものだった。
 憩いの家には16:00には着。しばらく部屋で寝転んでいるうちに食事が始まり、やがて風呂、就眠となった。
 そうそう、1回200円で洗濯機を使えるようになったので、着替えの心配が少なくなったのは良いことだ。今回の旅では、三日分の着替えを持ってきていたのだが、実際には一日分あれば事足りた。
 夜、奇妙な現象に悩まされつつも、疲れていたので就眠。そうか。こんな時期だし、学校って人間の思いを集めやすい場所だから、あんな現象も起きるんだな。って、お前は中岡俊哉の眷属かっ。

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