高千穂から阿蘇までは、タクシーであっさり越える。その分、南阿蘇を楽しもうという寸法だ。だが、意外に昼食場所に苦労する。
高千穂から阿蘇までは、自走でも越えられると思うが、眺めがよくなさそうなので、タクシーであっさり越えることに決めていた。
朝食後、到着した2台のタクシーに分乗する。Brompton2台なら楽勝だが、3台、しかもBD-1だのTikitだのが加わるので、ちょっと苦労する。況してや、我がポケロケなど。結局、ポケロケは抱えて乗ることになった。
よし、いざ阿蘇へ、の前に。高千穂峡を見てゆくことにする。昨日は、暗くなってからの到着だったからな。
高千穂峡は、火山噴出物に刻まれた狭く深い峡谷。
上、
下、そして今いる中の3段の橋が架かっている。うん、いい眺め。ことに秋なので、被写体として魅力的だ。阿蘇もこうならいいのだが。
続けてタクシーで登り、高森峠のトンネルを出た辺りで下ろしてもらった。ちょうど新旧両道の交点で、小公園があった。自転車を組むにはちょうどいい。ここからの眺めもいい。
南阿蘇を見下ろせるぞ。
旧道を下ってゆく。もの凄いターンパイクで、きっと週末には自動車も多いのだろう。が、今日は全く見かけない。
下りきり、高森駅近くで、現地で待っているはずの平野氏と連絡を取り、落ち合った。まずは駅に向かう。こぢんまりした、かわいらしい駅舎だ。
平野氏は、田んぼの真ん中辺りに、
眺めのいい場所があるという。ちょっと電線の類いが五月蠅いが、阿蘇五岳と外輪山を見渡せる、見晴らしのいい場所だった。と、高森町も思ったのだろう、近くにここからの眺望を説明する案内板が立っていた。
まだ昼には時間があると思ったので、高森湧水トンネル公園に向かった。ここでは、永細いトンネルを利用して、有志が季節の飾り付けを持ち込んでいる。今は時期的にクリスマスツリーが並んでいたが、夏の七夕飾りに比べるとずっと少ない。まだ本番じゃないのかもしれないな。
そろそろ昼にしたいねと、第一候補に挙げた山見茶屋に向かった。距離的にはともかく、ちょっと傾斜がある場所だった。が、なんと満杯。こんな日にかよ。まあ、
眺めがいいのは確かなんだが。
紆余曲折の果て、北方の田楽の里を確保した我々は、またアップダウンをこなして店に入った。概ね、かような
鍬の上で、肉野菜、さらにはむすびを焼いて食すスタイルだ。暖かな囲炉裏を囲むスタイルは居心地がよく、おにぎり汁物お代わりできるとあって、ついつい長居してしまった。
ここからは、南阿蘇鉄道に近いR325号の旧道を走った。当初はここら辺に多い水源地を拾いつつ走るつもりだったが、時間が押している。今日は野良喫茶はなし。明後日くらいしか機会がないな……。
それでも、白川水源は訪ねる。ボトルに水を満たし、さらに喉を潤した。でもここ、魚がいるんだよな。
その後は、水源地への標識を拾う程度で、淡々と走る。あまりアップダウンはない。しかし、西端に近づくと、そこそこのアップダウンが出てくる。
渓谷へと一気に下る。ここに架かる橋からの眺めも
絶景。ここにも、やはり
上中下3段の橋が架かっている。
ここで日没を迎える。立野駅から輪行という案に、僕と平野氏の二人を除く6人が乗った。僕と平野氏は、ここから東海大学方面に向かい、できるだけ幹線を避けるつもりでいたが、道を見失って
渓谷へと降りてしまった。でもまあ、こんな
いい眺めがあったのだから、良しとしよう。
山の際の道から、田んぼの真ん中の道をつないで、今日の宿の阿蘇ホテルに向かった。すると、ずっと先行しているものと思っていた輪行組と、ほぼ同時に帰着する結果になった。
宿は、エレベータが1基だけなどの不便はあるが、風呂はちゃんは入れるし、飯はうまいしで、これで本当に昨日の宿と同額なのだろうかと疑うくらいのサービスの差だった。宿はこうじゃなくてはいかん。