平野氏のお誘いで走ることになった五能線ツーリング。真夏とはいえ東北日本海側は涼しいだろうと思いきや、やはりアホみたいに暑い。しかし、涼しい海を眺めながら走るのは、気分がいいのだ。
あけぼのの車内では、案外にぐっすり寝入っていたようだ。気がつくと、外は完全に明るい。上のベッドから見ると、
こんな配置になっている。
東能代駅に到着。案外に、他に数組の下車があった。ローカル線の風景だ。
駅舎には、なぜかJAXA、どころかNASDA時代のものと思える
小型ロケットが飾られていて、『能代宇宙イベント』なるポスターが数多く貼られている。この近辺で、ペンシルロケットの発射実験が実施されたのだとか。
さて今日は、十二湖辺りまで、海沿いに走ることになる。そこまでは内陸の車道を走るのだが、
結構なアップダウンがあって、うんざりしてくる。この辺の道路は新しい規格で作られており、要するにパワーのある今時の自動車に合わせ、傾斜など無視して突っ切っているのだ。おかげで、人力な自転車乗りは往生することになる。
途中の橋に、
こんなものが。この地の人々はこういうものが好きなのか、方々でこのようなものを見かけた。
ようやく海沿いに出ると、海風があって、体感温度は一気に下がった。真夏の日本海は想像以上に澄んでいて、海岸線から覗きこむと、海底の砂地が白く見えた。
途中で
馬鹿を撮ってもらった。
食事は、途中のドライブインっぽい店で。
ソーメンと寿司のセット。暑さに、ちょっと食欲が落ちていたので、ツルッと入ってちょうど良いメニューだった。ところで、ぶったまげたのが、この左に写っている茶碗蒸しが、かなり甘いことだった。かなり加糖してある上、具からして銀杏の代わりに栗の甘露煮だ。
エネルギー補給後は、さらに北上してゆく。
この辺の海岸は、火山に由来すると思われるゴツゴツした岩場ばかりで、砂場をほとんど見かけることがなかった。
途中で見かけた
石像。昔の津波で出た犠牲者のための鎮魂碑なんだそうな。日本海側でも結構な地震津波があるからな。日本は全周、常に津波の恐怖にさらされている国だ。
暑いので、もちろん
アイスは美味い。ちょうど
五能線の列車が入ってくる所だった。
この五能線は、写真の対象としては美味しい路線だった。断崖が続く中を走るので、方々に鉄橋があり、しばしば
港とセットで姿を現す。さらに接近すると、
奥手の車道も入ってきて、これまた美味しい。
時折見かける
海水浴場でちょっと磯遊びをしたり。
遮る者のない海沿いの崖上に立つ灯台にも立ち寄ったが、あまりもの逆光にGF2でも勝利をおさめることが出来ず、
Bromptonを撮って誤魔化すことにする。
暑さに頭が煮え始めていたが、小さな道の駅に立ち寄った時、裏手にある名水
お殿水を被り、頭を急冷する。これがまた、大層なごちそうだった。準剃髪ヘッド最大の利点だ。
道はそこそこのアップダウンがあるが、こういう
良さ気なシチュエーションを走れるのだから、文句はない。まあ、もっと涼しければな。
最後の方は、爆走するこぐ氏を追いかけて、後方を無視して爆走し続けていたところ、最後の中間地点の
五能線十二湖駅に到達した。ここで、今日の泊地の送迎バスを見かけた僕とあゆこ女史は、『輪行すれば、この先の最後の上りを走らなくて住むんじゃね?』と、邪な考えに駆られ、その通りに最後の上りをバスで華麗に回避したのだった。坂は登るもんじゃねえ、下るもんだ。
宿泊したのはコテージで、ベッドが6つあってお誂え向き。別棟の温泉に入浴し、ついでにコインランドリーを使う。結構、使用率は高く、待っている人もいたくらいだ。
夕陽を展望台で見ようと、皆は展望台へと歩いていったが、僕は棟のある広場で十分と思い、
夕陽を眺めていた。展望台でも、どのみち海は少ししか見えなかったようだ。夕陽も良かったが、
残照もまた、旅心を誘うものであった。
食事はレストランで取り、コテージでうだうだしてから各自ベッドに入った。