Strange Days

"サイクリング大会"で車種を絞ること

2013年07月12日(金曜日) 22時04分 自転車 , 思考 天気:晴れ

 ここ数日、Twitterで話題になっているのが、サイクリングしまなみのリカンベント(とタンデム)禁止条項。
 この催し、「タイムを競うレースではなくサイクリング大会」を謳っているのだが、その割に首を傾げたくのがこの条項。タイム競わないんじゃないの? なんで車種を絞るの? まるでロードバイク専用と言いたいような参加条件だ。実際、かご、ミラー、ラック、キャリアの使用を禁止する条項もあり、危険な状況で抜き差しすることを想定しているとしか思えない。といっても、今回経路に高速道を含んでいるというだけで、むしろ路面は良好なので、ファミリーサイクルでも問題ないんじゃないのという印象だ。大島の坂を越えていけるのなら、何ら問題ないんじゃないだろうか。
 "サイクリング大会"というお題目と、実際のスポーツバイク偏重っぷりに、なんともむず痒い思いをするのだ。そもそも、ロードバイク的な高運動性能のリカンベントなんて、いくらでもあるのになあ。オンロードのMTB程度ならなおのこと。
 ふと検索してみると、リカンベント禁止の"サイクリング大会"は散見される。実は、ツール・ド国東もそう。国東なんか、以前は平気で参加できていたのに、近年になって禁止に倒された例だ。国東の場合、暗いトンネルが多くて、毎度事故が発生していたので、警察の覚えが悪かったという話も聞く。警察の"指導"に対し、スケープゴート的に差し出されたのが、リカンベント禁止という条項だったんじゃあるまいかと疑う。でも、計時すら止めた今の国東で、車種制限する積極的な理由はないはず。
 その他、計時込みの競技会的なイベントを主催している企業に、『ヒルクライムのみ参加可能』という、謎も極まるような条項があったり、先日開催されたレース的な大会ではファミリーサイクル参加可だが、リカンベント禁止というわけのわからない条項も見つかる。
 リカンベントを巡る各大会での扱いは、真に奇妙至極なものだ。ほとんどの運営者が、実はリカンベントというものの実態を知らないまま、『よくわからないものは禁止』としているのではないかという気がするのだ。
 そもそも、『速さを競わない』、『参加者全員が協力し合い、道を譲りあって』、『安全なサイクリングを楽しむ』ことを目的と掲げている大会で、わざわざ高速化を促すようなロードバイクへの偏重/車種制限を実施することは、その掲げた理想に反するものではないのだろうか。
 自転車の楽しみ方は多様であるはずなのに、その啓蒙こそが第一目的であるべきサイクリングイベントがこの有様では、今のブームが去った後は、ろくに愛好家が残らないんじゃないだろうかねえ。


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