Strange Days

2014GW旅行3日目:羽幌~天塩

2014年04月28日(月曜日) 22時43分 , 自転車 ( 自転車旅行記 ) 天気:小雨のち晴れ

 今日は、やや海から内陸を行く路が多い。その上、朝のうちは天候がよろしくない。


 昨日は、風を完全に背負って走ったので、少々の上りなど笑いのうちだった。が、今日の予報では、かなりの向かい風。今日が試練日か*1
 宿で朝食を取り、後にする。今日は海沿いの道は少なく、微妙に離れた内陸の道が多い。しかも、些かの悪天。雨がぱらつく程度ではあったが、今にも本降りになりそうだ。防寒着代わりに、超軽量レインウェアーの上だけ羽織った。
 この辺、冬場は湖風にやられるのだろう。集落には海側に暴風壁が設けられている。が、風を利用したいという思惑も見える。珍しい、小型の縦型風車が設置されていた。実用にはとても足りない規模と思えるので、実験用なんじゃあるまいか。
 それにしても、この向かい風とアップダウンのコンボは効く。気温も低めなので、つま先がかなり冷えてきた。冬用のシューズなのだが、それでもつま先カイロが欲しくなる寒さだ。
 丘を突っ切る真っ直ぐな道を走り続け、最初の休憩地と決めていた初山別に着いた。もう少し走り、高台にあるみさき公園に向かった。ここには天文台があって、一般入場できるのだが、曇の昼間に入ってもなあ。
 みさき公園はキャンプ地があり、過ごしやすそうな土地だ。が、なにせこの空模様で、この強風。寒さにめげて、手近なレストランに入った。ふぐ出汁ラーメンなるものをいただく。ふぐ出汁、かあ……。そうなのか、という味。
 道の駅にも立ち寄る。自販機でコーヒーを飲んだだけ。
 次の休憩地、遠別に向かう。この間も、気持ちのいい*2が続く。相変わらずの風と雨だし、この辺りが一番つらかった。ただ、雨脚が強まらず、最後まで小雨という程度だったのは助かった。
 今回はFinepix S1を持っていったのだが、正解だった。雨でも気を使わなくて済むので、その点は気楽だった。
 遠別に辿り着く。なんだか青空も見えるようになってきたのだが、風は止まない。とりあえず、珈琲でも入れたい。だけど、落ち着ける場所は、高台にあるレストランしか無さそうだ。自転車をおいて、レストランに入った。そこでかに雑炊を。あれ、さっきなにか食べなかったっけ……。
 ともあれ、人心地付けたかったので、暖かい雑炊を腹に入れた。生き返るねえ。天候は回復傾向のようだ。風はダメかな。ま、レインウェアーを脱げるだけでもありがたい。
 この先、天塩までの道は、内陸側のオロロンラインを素直に行くか、海側の別の道を行くかだ。平坦そうな海沿いの道を取った。しかし、ここもまっすぐだ。平坦ではあるが。
 この道、車が全く来ない。まるで自分が独占しているかのような道だ。気分が良い。同時に寂しくもあるので、歌など歌いつつ走る。変なおっさんがいる!
 遠くの方に、オロロンラインにやたら林立している風車の、新手のやつが見えてきた。向かい風で行き足が遅いというのもあるが、この風車が近づかないもので。見通しが良すぎるのも考えものだ。
 目を海側に転じる。ところどころ雲が切れているので、輝きを取り戻してきた。
 青空がのぞき始めると、テンションが上がってくる。車なんて全然来ない、自分と道路以外の人工物が目にはいらない道を走っていると、まるで自分のためにこの風景が用意されたかのような錯覚に囚われるものだ。
 やっと風車が近づいてきた。まるで近づいた気がしないまま走り続けるのも切ないもので、ホッとする。
 海の方を注意深く見ていると、見えてきたよ、利尻だ。昨日は海の上にずっと雲があり、天売がまるで見えなかったのだが、やっと島影を認める。
 概ね楽しい道行は、今日の泊地の天塩到着で終わりを告げる。早いが、向かい風に疲労したので、宿にチェックインする。宿を併設している、温泉センターだ。宿の真ん前に池があり、キャンプ場になっている。
 宿は、昨日に続き、無線LANを使えた。ここまで、ドコモ回線が使えない場所は、殆どなかったし、通信に関しては意外に苦労がない。
 窓から夕陽を眺めていると、いつの間にやら風は穏やかになり、雲も消えている。人生の終わりにはこうあって欲しいような夕陽が、利尻のシルエットを焼き付けつつ落ちてゆく。明日は順風であってくれよ。
 この宿の近くにもセイコーマートはあるので、おやつを買って宿に戻る。宿の夕食は、鍋もついて満足できるものだった。驚いたのは温泉で、泉質が真っ黒な不透明のものだったので、夜中に入るのは勇気が必要だった。クトゥルー的恐怖を湛えた浴槽であった。

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