Strange Days

2014GW旅行4日目:天塩~稚内

2014年04月29日(火曜日) 22時23分 , 自転車 ( 自転車旅行記 ) 天気:快晴

 遂に旅はクライマックスに近づく。最果ての地、稚内への走行だ。しかし、もっとも心配事の多い区間でもあった。


 天塩から稚内までの、約60kmの区間を走る日だ。ここが一番心配事の多い区間でもある。なにせ、沿道になにも無さそうなのだ。
 オロロンラインは、正式には天塩までであるけれど、この先の稚内までの道も、そう呼ばれているようだ。しかし、ここまでとは様相が違う。
 ここまでのオロロンラインは幹線道路で、数多くの居住地域を抜けてきたのだが、この先の幹線はむしろ内陸部の宗谷本線近く、サロベツ湿原の東を走っている方で、海沿いの道はむしろマイナーな道になってしまう。なにせ、沿道に人家が殆ど無いのだ。そしてそのことは、この先の補給の難しさを想起させる。
 とりあえず、出発時に買って、まだ食べてないパン食と、かなりの量の水を抱えて走ることにする。しかし、トイレはどうなるかなあ。
 朝、天塩からは利尻岳がくっきりと見えた。風も追い気味で、昨日とは大違いだ。
 手塩を離れる前に、近くの厳島神社に寄っておく。北辺の神社は、雪故か守りが堅い。
 天塩の北に抜け、サロベツ原野の南端辺りに取り付いたところで、ずらりと並ぶ風車に遭遇。もうたくさん見てきたが、ここまで一列に並べているのは初めてだ。
 今日も頑張れ、ポケロケ。しかし、この直後に悲劇に見舞われる。
 機嫌よく走っていたところ、気になる現象が起き始めた。周期的に『コリッ』という感じの音がするのだ。クランクだな、これは。しかし、走りながらクランクの回転を観察してみたのだが、何処かに当っている感じはない。これはなんだろう。そうしてしばらく走っていたら、急に左足の回転に違和感が。あっ、と事態を悟って目をやると、やはり、またしてもクランクが抜けた!
 慎重に止まる。また、だ。3月のしまなみ縦走時と同じ現象だ。左のクランクがスッポ抜けている。そして、本来ならば脱落を防止してくれるはずのトルクキャップも、抜け落ちて紛失しているのだ。これは、このクランクの構造的な問題ではなかろうか。
 とりあえず、トルクキャップがないままでも、左クランク後端のピンチボルトを締めあげると走れる。しかし、このボルトは結構トルク低めの指定なので、キツキツに締め上げるのはチト怖い。でも、今日は仕方ない。とりあえずはギリギリまで締めておいた。
 幸いにして、道はひたすら真っすぐかつ平坦で、クランクに負荷をかけつつガシガシ踏むという事態は無さそうだ。
 車は存外に少なく、昨日と同じく独占状態だ。これは気持ちいい。
 周囲は原野か土地改良中の造成地で、視界を遮るものが殆ど無い
 この辺で、Lumia1020でパノラマ写真を撮れることを思い出し、試行錯誤して撮ってみた。実は、Finepix S1でも撮れたなと思いだして、設定メニューを調べたのだが、前にどうやって撮ったかすっかり忘れていた。
 この経路はほぼ平坦なのだが、それでも多少内陸に入ったり、アップダウンがあったりもする。
 この辺りでお昼を、と言いたいが、店なんて無い。それより問題なのが、本当に人工建築物が見当たらないので、既に膀胱耐久試験状態に入っていることだ。もう、その辺でしちゃおうかな。
 そこまで切迫していないので、尿意を覚えつつも走り続ける。と、天の助けのように、黒い休憩所然とした建物が現れた。コウホネの家と書かれている。コウホネはこの湿原に見られる植物だそうな。きれいなトイレがあったので、用を足す。ありがたい。
 自販機もあった*1ので、中に入って、パンをほうばりつつカフィーを入れた。距離的にも半分くらいだろうか。この休憩所の海側には、周囲に遊歩道を巡らせた池があり、多様な動植物を観察できるようだ。また屋上は展望台になっている。
 とりあえず、ハンガーノックと膀胱破裂の危機は免れたので、気分よく走りだす。
 手塩を出てから見かけた集落は、稚咲内の漁港だけだったが、走り続けてやっと抜海の集落に着く。丘の上に何かのアンテナが立ち、変な岩と小社が肩を並べている
 この先も沼地と並走したりするが、次第に集落と遭遇する機会が増えてくる。
 丘の上に自衛隊のレーダーが立ち並び、赤い灯台が間近に見えた所が、稚内の東側の北端、ノシャップ岬だった。結構風があり、寒い。
 なにやら人が多いので、灯台に近づいていくと、どうも祝日なので一般公開しているとのこと。入らせてもらう。海保の人の説明を聞くと、北海道の灯台は、既にすべてLED化されているそうだ。発熱量大きいから、LED化の恩恵は大きいのだろう。
 隣の稚内ノシャップ寒流水族館が、やはり祝日なので無料開放されていた。こちらにも立ち寄る。
 ノシャップ岬には、空自のレーダーアンテナが並んでいた。ここまで来たら、稚内駅までわずかだ。
 フェリー港の標識が見えたので、そっちに近づくと、今日の泊地のホテルが見えた。まだ早い時間なので、港の方に向かう。まず目につくのが、この北防波堤ドーム。長さは200mほどもあって、風が来ないので結構過ごしやすい場所だった。
 海辺にポケロケを置いて撮っていたら、モーターサイクルの人に声を掛けられる。同じ方向だったから、すれ違ったかもしれないねえ。ちなみに、この旅の間に見かけた、本気っぽいサイクリストは、初日に抜いていったロードバイクの人だけだったな。
 ホテルにチェックインする。トラベルケースを回収し、部屋でくつろぐ。\6000なのが申し訳なくなるような、きれいなツインルームだった。窓からは稚内港が一望という贅沢すぎる眺め。
 夕食は、何の気なしにカフェのランチバイキングに入った。ビール込みの飲み放題\1600というキーワードを聞いたので、その程度かと思って飲み食いしたのだが、会計時に\5000超の請求をされて魂消る。飲み放題オプションが\1600で、本体\3500という設定だった。そりゃあただのバイキングにしては、個々のアイテムが優良すぎたし、飲み放題もワインまでついていたのだが。ちょっと舐めてました。

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