Strange Days

城下町大洲

2014年08月13日(水曜日) 21時14分 , 自転車 ( 自転車旅行記 ) 天気:くもり時々晴れ

 今日は内子に続き、大洲の散策。ここは大洲城がどこからでも見える、まさに城下町だった。


 宿は、大洲の城と駅の中間くらいの位置にあるのだが、部屋の窓がそっぽを向いていて、残念だがどちらも見えない。ホテルの元レストラン*1で朝食を取り、後にする。
 大洲の観光地は、概ね城のある南西、駅のある辺りから見ると股川の川向うになる。大洲神社近くの観光拠点、街の駅あさもやに駐輪してから、徒歩で大洲の待を彷徨いた。
 大洲は、かつてNHKの連続ドラマ『おはなはん』の舞台になったとかで、この短い通りはおはなはん通りと名付けられている。通りの一角に、おはなはん記念館の類もある。しかし、このドラマ、放映は吾輩生誕の頃という年季の入り方だ。そんな昔のドラマが、未だにコンテンツとして成り立っているのか。
 おはなはんを置いても、この辺りはそれなりに風情を感じる。また、石畳の通りが幾条か整備されており、散策する観光客を結構見かけた。
 大洲のこの界隈は、かつての商人町と武家町があった辺だそうだ。東に歩くと、川を望む段丘上に、大洲神社がある。この更に裏手、川際の断崖上に、臥竜山荘がある。中は苔むした、手入れの行き届いた庭園を持つ邸宅だ。この庭園は、かつて大洲城主が憩いに訪れたとか。建物は、実は明治になって作られたもの。この臥竜山荘で最も有名なのが、川際の不老庵。断崖の上にせり出すように築かれており、一部清水寺のように懸造りで支持されている。ここからは、股川の合流点を一望に出来、さぞ良い景色なのだろうと思うが、生憎なことに目の前の河原でうごめいているのは重機だ。
 見返した庭園が、緑の中清々しい。
 ちょうど山荘から見下ろす川中に、流れに削られて取り残された断崖が有り、その上は整備された展望台になっている。ここからだと、不老庵の全貌は見えないが、懸造りの様子は見て取れる。
 城下町の方に取って返す。古い町並みは残されているが、ここはむしろ明治大正、昭和くらいの時代だな。水害への警戒心を伺わせる高い堤防を超えると、川には鵜飼観光の船がズラリと並んでいた
 この界隈の中心になっているのが、このおおず赤煉瓦館と、隣接するポコペン横丁。おおず赤煉瓦館の1Fはショップになっている。ポコペン横丁は、この盆の時期だというのになんと休みで、ガランとしている。しょんぼりしたが、屋内の有料区画はちょっとした見ものだった。これは昭和も30年代位の状況だろう。
 大州城に向かう。その前に、お腹が空いたので、大洲城の足元にあるうどん屋に入り、肉うどんに天かすトッピングしたぜスペシャルを注文。うどんが適度に腰があり、肉もちゃんと牛肉なので美味しい。
 大州城に登城する。ここは最近になって性格に復元された天守閣を持っている。中はちゃんとした木造天守閣最上部からの眺めは、真に男子の野望心を掻き立てるものがある。
 城に近いこの辺には、かつて城に付随した施設が点在している。町中にぽつんとあるお殿様公園なる場所には、かつて三の丸隅にあった櫓が残されていた。
 自転車まで戻り、今日最後の、そして実はこの旅の主たる目的である場所に向かう。股川沿いに少し遡ると、少彦名神社がある。ややこしいことに、もっと上流にももう一つあって、最初はそっちが本命だと勘違いしていた。
 この少彦名神社に、大洲の著名な懸造り建築物が、もう一棟あるのだ。参籠閣がそうだ。これらは明治以降の建築らしいが、建物の過半が崖の上に懸造りで支持されるという、不老庵より大規模な者だ。しかし、近年修復が追いつかず、このままでは早晩崩落の可能性が高いとして、地元の運動により米ワールド・モニュメント財団により世界危機遺産*2に指定されたことで、復興の機運が高まっているという。しかし、なかなか修復が始まらず、このままではどうなるんだなんて記事を見かけた。これは、一目見ておかねばと思ったのだ。
 ご覧のとおり、恙無く修復工事が始まっており、足場が組まれておる。旅立つ直前に現地を襲った豪雨も切り抜けたようで、一安心だ。真横から見ると、過半どころか建物の一部が陸地に接しているという程度で、ほとんどが懸造りで支持されているのが分かる。修復工事が終わったら、また来よう。
 川を下って市街地まで折り返す。先ほどの不老庵を、川向うから眺めた。ここも、かなり気合の入った建物だな。
 次の目的地、宇和島に向かう。大洲駅から輪行するつもりで、駅まで走ると、ちょうど宇和島行きの特急が出た後だった。1時間待ちか。のんびり輪行準備しながら待ち、1時間後の特急列車で宇和島に入った。
 宿は、駅舎真上のホテルだったので、そのままチェックインする。まだ陽はある。港の方まで歩き、夕日を見た。雲が多く、ちょっと隠れてしまったが、一瞬だけ顔を出してくれた。
 夕食は、ホテルというか、駅舎1Fのレストランで、ビーフシチューを。肉が美味しいな。闘牛が盛んなせいでもあるまいが。

Add Comments


____