春のしまなみ海道、2日目は余裕をもって、大山祇神社を訪れ、サンライズ糸山を目指す。


　茶梅で朝食後、まずは海岸へと向かう。かつて、大山祇神社への参拝客で賑わったという港も、今はフェリーが到着する前後を除き、人っ子一人いない。静かだ。
　港を見渡すと、東の岬に沿って、灯籠が並んでいるのが見える。先端には鳥居が見える。大山積神の息女、磐長姫を祀る、阿奈波神社だ。磐長姫って、妹にくっついて嫁入りしたはいいが、ブサイクだったので返された女神だよな……。
　大山祗神社の参道は、すっかり寂れているが、おかげでなかなか雰囲気のある建物が熟成されてもいる。
　大山祇神社を参拝する。まだ朝早いので、掃き清められた境内は、あまり踏み荒らされていない。とはいえ、団体客が次々に観光バスでやってくる。
　神社仏閣巡りの楽しみといえば、巨樹巨木だが、大山祇神社の広い境内には、名だたる巨木が立ち並んでいる。これは平安期に能因法師なる人が国司の要請で雨乞いを行った伝承がある、能因法師雨乞いの楠。既に枯死しているが、かつての威容を偲ばせるに足るものがある。
　久しぶりに、宝物館と海事博物館にも寄る。宝物館の方は、きっと昨今は刀剣女子が増えているのだろう。
　大山祇神社を後にする。すぐ上手の教善寺に立ち寄る。高い陽の下で見る枝垂れ桜は、発色が良い。
　山を越え、多々羅しまなみ公園に。売店でじゃこ天を貪食していたところ、裏手の方に自転車やモーターサイクルが入ってゆく。そういえば、地面に曰く有りげな誘導線が惹かれている。読むと、『サイクリストの聖地』だと。行ってみると、こんなものが出来ていた。これは、なかなかの写真ポイントじゃな。
　などと宣いつつも、小腹が空いたので、オムソバを軽く入れたりしてな。
　大三島橋を渡る。ここの佇まいはいいな。
　伯方島に入る。今治造船の間近まで寄れるので、建造中の船舶を良い角度で拝めるのだ。
　造船所は、道の駅マリンオアシスはかたからも見える。立ち並ぶクレーンと、船台上の船がよく見える。
　最後の大島に入る。ここは、最近の慣習として、バラ公園辺りまでの一山を超えた後、北側の外回りコースを取った。
　最後に来島海峡大橋を超える。今日は余裕があった。17:00まで余裕の頃に到着。日没の来島海峡大橋を、部屋から眺める余裕があった。
　晩餐は、いつもの浜勝。宿で合流した廣田家、移川家と共に、美味しいひとときを過ごした。今年も無事に走りきったな。