最終日は、礼文の南方をうろついてから、帰りましょう。
やっとのことで天候に恵まれた4日目。北海道とはいえ、紫外線は強い。
宿の朝食は、当たり前だがコースじゃなくて定食スタイルだった。
宿で荷物を預かっておいてもらおうかと、宿の人に相談したところ、港前の土産物屋に移送しておいてくれるとの事になった。それはありがたい。こんなところにまで登りたくはないからな。その、"こんなところ"にある
宿までの坂。全力で拒絶したい坂だ。もう一つ、近所の学校経由の道もあり、実はそちらは緩やか。とはいえ、ここまで登り返すのはなあ。
しかし、今日はまず、島の反対側に抜けるので、実はここからさらに登ってゆくのだ。こば氏ともども、急坂をヘコヘコと登ってゆく。反対側にはトンネルで抜けられるのだが、その上に展望台があり、そこへと向かう分岐路を横目に、トンネルを通過する。
反対側に下ると、この辺の奇岩を眺めるための観望台がある。桃岩と猫岩があるらしい。
桃岩はでかくて山上に経つので、目立つ。これは確かに、桃に見える。この桃岩の間近にあるのが、北海道三バ……個性的ユースに挙げられる
桃岩荘だ。
で、猫の方はというと、どうやら
海中に立つコレのよう。猫、猫ねえ。耳がそれっぽく見えなくもないか。むしろ、ある日海から現れた奇怪な猫っぽい生き物が、更に異様な変異を遂げようとする寸前に、謎の僧の法力で岩と化した、とでもいうべき形状ではないか。
もう一つ、
地蔵岩というのがある。これは、北に向かった漁港をはさみ、反対側にある。かなりの大きさで、大きく屹立する姿が面白い。が、これをどう見たらお地蔵さんに見えるというのか。
トンネルまで戻り、上の展望台へと登る。結構、立ち寄る人が多いようだ。ここには
山歩きルートがあり、下から登ってくる人も見かけた。
展望台は、さっきの桃岩の背後にあり、さっき立っていた
観望台を見下ろせる位置にあるのだ。右手は桃岩の背面だが、こっちにはよく見るとルート指示の杭と階段用に丸太が設置されており、少なくとも以前は登ることが出来たらしい。
最後に、自転車で行けそうな最後の地点、島の南端へと向った。香深港へと登り返し、海沿いに走ってゆく。漁港の眺めだ。その端の方で、やがて遂に人家は途切れ、
道なき山肌が立ちふさがる。稜線上には更に西にある灯台への道があるようだが、自転車で行ける道はここまでだ。
北海道の海に別れを告げ。フェリーで稚内に戻り、稚内空港までは面倒なのでタクシーで向かい、羽田に戻った。
利尻礼文は何度も行きたいと思いつつ、果たせなかった土地だ。思いを果たせて、次はオホーツク海側だなと考えるのであった。