Strange Days

2016年春 九州南方ツーリング2日目

2016年04月30日(土曜日) 23時22分 , 自転車 ( 自転車旅行記 ) 天気:快晴なり

 今日は、いきなりだが、この旅のメインイベント。本土最南方の佐多岬を襲う。鹿児島市からはフェリーで渡る必要がある。この旅でも一二を争うほどの、辺鄙な場所だが。


 鹿児島の朝は快晴。今日からが、本格的な自転車ツーリングの始まりだ。昨夜のうちにトラベルケースから出して組み立てたポケロケを、一旦は輪行状態にして、駅まで歩く。トラベルケースは、旅最後に泊まる、別府の宿に送っておいた。
 さて、鹿児島中央駅から、指宿枕崎線で、山川へと向かう。フェリーは、この山川駅から、山川湾を挟んだ対面にある山川港から出る。途中、道の駅に寄りながら走り、山川港にてフェリーを待った
 やがてやってきたフェリーに、GWらしく車も人も続々と乗り込んでゆく。船の向こうに、大隅半島が霞んで見える。これだよ。旅の始まりだ。
 船中で昼を迎えたので、山川の道の駅で買った弁当を使う。一緒に買ったコロッケがホクホクで美味しいな。
 やがて、船は対岸の大根占港に入港する。ポケロケで走り出した。
 根占周辺にはコンビニもあるのだが、ここが最後のコンビニだ。立ち寄って買い物をし、大隅半島西岸を南下してゆく。ここは南蛮船が来た当時に係留していたという、大楠。結構上流だけどな。
 根占から一山軽く超えると、海岸線を暫く走る。この辺に見どころが集まっている。ここは薩英戦争当時の砲台跡。置かれている砲身は、もちろんレプリカ。ここからは、対岸の開聞岳がよく見える。砲台は効果的だったが、性能差から英国艦に一方的にアウトレンジされてしまったようだ。
 佐多支所が置かれた垂水辺りから、本格的な山岳戦に突入する。登り口に大山祇神社があったので、加護を祈る。
 既に午後に入り、陽の長い時期とはいえ、かなり傾き始めていた。しかし暑い。直射日光がたまらない。と思いつつ登っていると、なぜかこんなすごい場所に自販機を発見。日本は自販機の国だ。ありがたく、リアルゴールドで喉を潤す。
 更に登ってゆき、ピークを一つ越えたトンネルを潜ると、こんな看板が突如として現れる。平等大慧会という謎めいた宗教団体が運用している道場らしいが、一般人も見学が出来るのだとか。しかし、そこまでの道が半端ない厳しさなので、今回は泣く泣く諦める。
 かなりの強度の山岳戦が続く。途中には高所の展望台もあり、トイレ休憩も可能だ。
 幾つかのピークを超え、大泊という集落に下る。ここは、なんとかまともな店がある、最後の地点だ。といっても、実は今日泊まる佐田岬ホテルは、すぐ近くのはずだが。
 佐田岬ホテルに立ち寄ろうと思いつつ、佐田岬の先端に向かい始めた。あれ、ホテルに出ないな……。ホテルへの侵入経路を間違えてしまった。荷物を全部持ったまま、再び山岳戦を戦う羽目になった。
 幸い、ピークはそこまで高くない。しかし、アップダウンがかなりあって、「俺の獲得高度を返せ」的な展開に、涙目になる俺。荷物が重いし。
 なんとか、最後の坂をよじ登り、佐田岬へ向かうトンネル前の駐車場に入った。バイクや車で一杯だが、同時に何某かの工事が進んでいる。どうも、この辺の老朽化した施設を、一気に立て直しつつあるらしい。
 自転車から開放されて、佐田岬に向かう。ひんやりしたトンネルを、自販機で買ったお茶を飲みつつ、歩いてゆく。トンネルの先は山道になっている。クリート付きだと辛いね。
 御崎神社という、意外に立派なお社を経て、先端部に。いい眺めが現れてくる
 先端には程遠いが、高台で眺めがいい展望台で、記念撮影。今回、Finepix S1にマンフロットの超小型撮影台を付けて来た。リモートで自分撮りするには良いね。
 佐田岬の本当の先端には、小島に佐田岬灯台が立つ。なんか、あそこにも展望台らしき構造物が見えるので、もしかしたら何らかの手段で渡れるのかもしれない。
 展望台の一段下に、もう少し先端寄りの、でも低い展望台がある。ここでも一枚
 さあ、ホテルに戻ろう。ショートカットできそうな道があったので、行ってみたのだが、凄まじい傾斜に遂に負けて、押し上がってしまった。ホテルに到着。
 玄関で、ちょうどホテルマンの人が迎えてくれたのだが、「昨日、ああいう特殊な自転車が51台も走っていったんですよ」と言われる。「ああいうのはトラックに積むのが大変なんですよね」と言われてリカンベントのことと早合点し、リカンベントが51台も? とたまげたが、どうやら宗谷岬までの超長距離ブルベの一行だった模様。
 宿には洗濯機があり、洗濯はしたのだが、乾燥機が使えない。そこで、せっかく広いベランダがあって、しかも物干しもあるのだからと、そこに干しておいた。しかし、この夜は凄まじい無風状態で、風がソヨともそよがない。おかげで、真夜中まで乾く気配がなく、ヤキモキした。
 夕食はここのレストランで。困ったのは、ここはドコモ3Gすらも通じない、陸の孤島であった点だ。インターネット使えない。幸い、ロビーでフリーWiFiを使えるので、なんとか凌げた。
 とりあえず、一番の目的は果たしたので、心安らかに夜を過ごせたのであった。

 

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