Strange Days

復旧途上の阿蘇へ(3日目)

2017年06月11日(日曜日) 20時35分 , 自転車 ( 自転車旅行記 ) 天気:雨のち晴れ

 今日は大観峰に登り、後は思うがままに彷徨こうと思う。


 夜半、雨が降り出す。今日は一日雨になりそうだ。温泉位でも行くか、と諦め気分で居た。ところが、夜が明けると雨は上がりかけている。少し待つと、ついに雨は上がり、この先も免れそうな按配だった。よろしい、大観峰に登ってやろう。
 大観峰は、内牧温泉の背後に聳える、外輪山の一角だ。やや高まった場所で、名前の通り観望が利く。
 宿を出て、外輪山への道を登り始める。傾斜は中岳の登山道と変わりないくらいきついが、標高差がそこまで無いので気はずっと楽だ。それでも、雨後の高湿度に消耗しつつ、登る。
 途中にある展望台から、内牧温泉を望む。なにかホッとする眺めだ。しかし、目を傍らに転じると、崩落したまま修復されてない道がありもする。
 坂道を登りきり、外輪山上を通るミルキーロードを少し東進すると、大観峰に着く。以外に観光客が多い。どうやら、北の菊池や、くじゅう経由で来る人も多いようだ。
 展望台から阿蘇駅方面を望む。望遠が利くカメラだと、こういう時に楽しいな。
 西に目を向けると、外輪山の山塊が、高くはないがずっしりと居座っているのが見て取れる。
 広角で中岳方面に目を向ける。こうして見ると、活火山である中岳を、人の居住ゾーンが取り囲み、しかもさらに周囲を外輪山の阻まれているのがよく分かる。考えてみると、かなり狂気の沙汰ではあるが、ここにあった巨大な湖の水が抜けた跡に出現した沃野は、それでも手を出さざるを得ないくらい魅力的だったのだろう。
 展望台の先端まで出て、中岳の方にカメラを向けていたら、頭上を何かが旋回している。おや、ラジコン飛行機だ。年配のご夫婦が、何機種も取っ替え引っ替え飛ばしていた。
 展望台の周囲は啓けていたので、パノラマ写真を撮ってみた。天気が回復してきたので、見晴らしが利いて気持ちいいことだ。
 お腹が空いたな。しかし、テレビ塔近くにあったレストランは閉店、路頭に迷うところだった。が、土産物屋でカレーパンを売っていたので、ヨーグルトなどと一緒に購入。昼食にした。おお、カリッとして美味しい。
 ミルキーロードをさらに東に向かい、国造神社の背後から下った。途中、手野の湧き水で喉を潤す。冷たくて美味しい。この時期に冷たい水はご馳走だ。
 少し下ったところに、わくど岩という名所がある。この岩、左を向いた蛙(わくど)に見えると解説されているのだが、未だにそう言われてもなあ感が消えない。
 ところで、地震後に頑張って設置したのかどうか、あちこちの名所に説明板が設置されている。マイナー名所マニアにはたまらない情報だ。
 国造神社の参道をてくてく登り、参拝しておく。ここは別に地震被害がなかったようだ。
 更に下った辺り。おや、どこかで見たね。目立つので、道標には良いかも知れない。
 田植えが終わったばかりの田んぼは、まだ水面が啓けていて、山影をくっきり映す。この時期だけの、いい眺めだ。
 阿蘇駅方面に向かう。汗かいたので、湧き水が嬉しい限りだ。阿蘇神社の被害は甚大で、倒壊した本殿はやっと再建に着手したところだ。しかし着実に進んでいるようで、一安心だ。
 湧き水といえば、と、謎の石像群で楽しませてくれる、役犬原の湧き水はどうか。見に行くと、ちゃんと高々と清水を吹き上げていた。しかし、手前の蛙も、以前はものすごい勢いで水を吐きまくっていたのだが、なぜ止めた?
 代りにというわけでもないが、ちんぽを握った河童が仁王立ちしている。まだ日は高いが、高湿度に盛大に汗をかき、消耗してしまった。宿に戻って、明日の苦役に備えよいう。あの二重峠を登り返さなければならないのだ。

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