Strange Days

下北半島イタコ&まぐろツーリング1日目

2007年10月06日(土曜日) 23時55分 自転車 天気:晴れた

 今日は下北半島の付け根、野辺地から、宿泊地大湊まで移動する。その間のルートを任されてしまったので、ちょっと重圧を感じる初日だった。しかし六ヶ所村の風景は、そんな憂鬱な気分を一掃してくれるものだった。


 ほとんど眠れないまま家を出て、立場駅で輪行準備する。戸塚ではなくてここでやるのは、戸塚で忘れ物が判明した場合、リカバリー出来ないからだ。
 東海道線に乗り継いで、東京駅に急ぐ。東北新幹線のホームで便を待っていると、見知った顔が続々と集まってきた。ほどなく乗車し、東京駅を発車する。
 途中でkaz&tomo夫妻、石川氏が合流し、全員が無事に揃った。新幹線は終点八戸に向かってひた走っていった。
 八戸で大湊に向かうスーパー白鳥に乗り換え、これで大湊に降り立ったのは10:42のこと。東京からこの地までは、随分と遠いのだ。
 駅前で輪行解除する。僕も輪行状態のMR-4Fを組み立てる。この状態で自立するし、かなり薄くて扱いやすいのだ。
 今回、僕がMR-4F、kaz&tomo夫妻がアルプスのランドナー、(あ)氏がSatRDay Mk.1USS、(た)女史がAirGride、長岡氏はSatRDay Mk.1ASS、三井氏はFretta旧フレーム、岡山氏と石川氏がBD-1と、BD-1勢とBikeFriday勢が多数を占めた。
 さて、初日の引率は僕に委ねられている。いささか緊張しつつ、駅前を出発した。
 あまり走らないところで昼食のレストラン水銀燈じゃなくて常夜燈に到着する。僕は見過ごしたのだが、後続がちゃんと気付いてくれた。頼りにならない隊長ですいません。
 ここはホタテの料理が美味しいということだったので、僕はホタテのミニ鍋セットみたいなものを、他の方々もホタテ系の料理を頼んだ模様。ホタテはプリプリしていて、なおかつもっちりともしていて、美味であった。が、ボリュームが物足りなかった。
 また走りつづける。今日のルートは、ひとまずはまなす街道を走って、隣町の横浜町との境辺りから西に向かい、六ヶ所村をぐるりと回り、また大湊線の駅に取って返すというもの。平坦な道なので、所要時間は比較的読みやすいと思っていたが、それでも午後一杯しか行動時間が無いこと、また大湊線の列車が少ないことから、気が焦ってしまう。こういう場合、末尾に合わせてゆっくり走ってしまうと、全体の速度が落ちてしまうので、スパルタ式に速度を上げて、死にたくなくば着いて来い方式で走った。
 横浜町との境が近づいたところで、前方に巨大な風車群が現れた。牧場の一部を使って、22機だったかの大型風車を配置しての風力発電を行っているのだ。巨大風車が何十機も並んでいる様は、なかなかの見ものだった。
 少し西に向かうと、六ヶ所村に入る。核動力開発施設だけでなく、石油備蓄基地、先のような風力発電所など、巨大施設が多い場所だ。補助金が豊かなせいだろう。とにかく道が広くてよかった。
 六ヶ所村に入ると、まず巨大なタンク群が目に入った。国家石油備蓄基地といい、日本の石油消費を1週間賄えるだけの石油を備蓄しているという。
 その西のプルトニウム再処理工場との間にサンクスがあるはずだが、またしても見落としそうになる。なぜか道路に背を向け、その辺に大量に建築されている宿舎の方を向いていたのだった。思い切りのいいことだ。
 太平洋岸を北上する幹線に乗り換え、尾駮沼を過ぎり、役場のある一帯に入ったところで、海を見ることにした。西に向かうと、尾駮漁港に出る。太平洋の荒波に直接さらされるこの港は、テトラポッドと高い岸壁に囲まれていた。ここから見ると、六ヶ所村方面はほぼまっ平らで、恐山方面が望めた。
 尾駮沼の北岸にまで引き返し、東に向かった。すぐにサークルKがあるので、まず補給。それから原燃のPRセンターを目指して走っていった。やたら路面のいい道路を走り続けると、すぐ側の原燃施設の塀がどうしても目に入る。高く、侵入者を峻拒する塀が、六ヶ所村の現実をなんとなくうかがわせてくれた。
 ゴルフ場やグラウンド、温泉がある辺りに、原燃のPRセンターがあった。未来的な建物の前で、未来的なSatRDayUSSを記念撮影してみた。
 PRセンターの3F、展望台からは、周囲に点在する施設群、特に風力発電所を一望できる。風力発電所の多さには、なにか執念のようなものを感じた。
 PRセンターの隣には、六ヶ所温泉がある。『日本一深い温泉』だそうな。巨大な底なしプールのような浴槽を想像する向きもあろうが、さすがに掘削深度のことを意味するようだ。
 この先は、大湊線の吹越駅まで走るだけだ。そんなに時間は掛からないものと思っていた。しかし、我々の油断を突くようにして待ち受けていたのは、意外なくらいのアップダウンだった。しかも、大湊線間近の辺りにピークがある始末。これは予想してなかったなあ。しかし、吹越への下りは、ススキの原を横目に一直線に下るもので、爽快だった。
 到着した吹越駅は、ホームと待合室だけのシンプルな構成だった。写真奥に見える踏み切りの辺りからスロープになっていて、自転車のままホームに上がれるほどだ。輪行準備が楽でよい。しかし、やってきた列車は意外に乗客が多かった。
 大湊での宿は、駅舎の隣にあるフォルクローロ大湊というホテルだった。JR東の系列らしい。
 夕食は近所の魚料理の店に上がり、適当に頼んでの宴会となった。魚も美味いが、その他の海産物もいける。新鮮な魚は、それほどの生臭さが無いみたいだ。
 ホテルに戻り、なんとなく音楽を聴きながら横になっていたら、いつの間にか真夜中になっていた。慌ててシャワーを浴び、ベッドに入った。
 ともかく、重責を果たして、肩の荷が下りた気分だ。

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