Strange Days

隠岐ツーリング3日目~東半分編

2013年08月13日(火曜日) 22時23分 , 自転車 ( 自転車旅行記 ) 天気:憎たらしいほどの快晴

 昨日と同じくらいに起床し、ホテルの朝食。割とガッツリ食う。昨日は消耗したからな。
 しかし、意外なくらいに疲労感は少ない。ともかく、失った分だけの補給はできていたからだろう。今日も出掛けに、裏のショッピングセンターで、携行食と水を買い求めておいた。
 今日も、途中までは、昨日と同コースを取る。すなわち、島の縦貫コースを走り始めた。
 玉若酢命神社を通過し、実は昨日立ち寄っていた国分寺跡*1界隈も通過。隠岐酒造も過ぎた中条で、北東への道に乗り換える。かなりの傾斜だが、まだ走り始めて直ぐなので、のんびり登ってゆく。それでも、汗は滝のように流れる。
 登り切って、やや平坦になった辺りに、銚子ダムがある。そんなに巨大なダムではないが、それでもこの島の人口を十分に賄えるのだろう。
 銚子ダムからサイドの登りにかかると、峠を一つ越える。トンネルを抜けて、やや下りに差し掛かると、程なく道路の北東側に、ひときわ巨大な樹が立ち上がる。これがかぶら杉。根本から幹が分裂している。高さも一等抜けている。
 で、その足元を見ると……。なんと、ここにも水木しげるワールドが! このまま進んだ中村港辺りには、武良(むら)という地名があり、それが水木翁の本名と同じらしい。で、ルーツはここなんじゃね? ってなわけで、この辺の町興しに一役買っているのだそうな。
 さて、その中村に向かって下りきった辺りで、道が集落を抜ける旧道と、それを迂回した新道という、いかにもな場所に出た。旧道を進むと、その新道から身を隠すようにして立つ、自販機を発見。冷水を求めていたら、近所の農家のおじさんと立ち話が始まった。なんでも、この年は隠岐でも異例の少雨で、そろそろ稲もやばいね、ということらしい。暑すぎる夏だな。
 おじさんがちょいちょいと手招きするので、温室に入ると、そこに実っていたブドウ*2を一房、二房をごちそうしてくれた。ありがたい。高温少雨が逆に幸いしたのか、とても甘くて癒されるブドウだった。楽しい旅だ。
 おじさんに礼を言って、更に少し走ったところで、中村港に到着。案内板を見る限り、店を探すのに苦労はなさそうだ。そういえばと思い、すぐ近くにあった酒屋兼雑貨屋で、AAA電池を買い求めた。先にトンネルを抜けた際に、リアフラッシャーが暗くなっているのに気づいたので、電池交換したのだ。しかし、このフラッシャーはシャレにならないくらい電池の脱着が渋い。買い換えた方がいいかなあ。
 ちと早いが、そろそろ食事にしたい。さほど苦労すること無く、海岸近くで小さな店を見つけ、入ってみた。メニューに隠岐牛カレーというのがあったので、注文する。肉はかなり入っていたが、あまり煮こまれて無くて固い。が、カレーとしては妙に美味だった。店構えを見ると、ハングルっぽい店なんだけどな。朝鮮民族な人が経営に関わっているのか、彼の地からの客が多いのか。
 海岸線に出て、もう少し詳しそうな案内板を見る。見どころは多そうだ。特に真北、島の北方を一望できる白鳥展望台は気になったが、そこまで200mくらい登るので断念。真夏のツーリングでは、ヘタすると死にかねない。そこまで、冷水にありつけるか怪しいし。
 というわけで、港を冷やかした。海水浴場があり、意外なくらい賑わっていた。こんな孤島の極北ともいうべき場所に、どこから集まってきた。
 さて、この地に水木しげる翁のルーツがあるとされていると書いたが、当然でっかい足跡も記されている。町中、廃校を流用したと思しき施設の側に、こんな奇矯な像が建てられているのだ。この像が立つ広場は、実は学校とは無関係で、神事に関わる場所らしい。
 中村から南下を始めた。すぐに田の側に立つ案内板に気づいた。蟹に圧倒される神様って、一体何なのだ。
 トンネル抜けた布施辺りで、もう頭が煮えてきた。幸い、このコースは、自販機に困らない。布施にあるレストラン前の自販機で冷水を買い求め、すぐ先のトンネルの広い歩道に寝転がって、しばしクールダウン。顔を洗いたかったのだが、一見公衆トイレに見えた建物は、正体不明の謎の施設で入れず、近くの神社でというのも気が引けたので、かった冷水で顔を洗った。すっきり。
 十分クールダウンしたところで、また走り始める。トンネルが続くので、景色は見えないものの、体力的には助かる。そして、トンネルの間から見える景色に、心洗われるようだ。水が澄んで、かなり離れた海底の地形がはっきり見えるのだ。北から南まで、日本海沿いに結構走ったが、一番水が澄んだ場所だった。
 卯敷で、また自販機を見つけて、クールダウン。そうでもしないとやってられない。しかし、おかげで熱射病の予兆は、まだ現れない。
 ここから大久までの海岸線が、島後の旅のハイライトだった。とにかく奇観美観が多く、2~300m走っては思わず写真を撮りと、ちっとも先に進めない。
 小休止を取りながら、大久に着き、ここでも自販機の冷水を……と思ったら、水は水でも天然みかん水しか無い。余計なものを。これで指を洗うと、帰ってニチャニチャしちゃうんだよな*3
 大久から西郷へと抜ける道が、この日の最大の難関だった。とはいえ、昨日のような本格的山岳戦には程遠い。また、越えたらすぐに西郷港という気楽さもある。
 プチ峠を超え、ビャーっと下ると隠岐水産高校近くに出る。もう完全に市街地で、公園の自販機で最後の休憩を取った。
 西郷港へと渡る橋から海を眺めると、これがまた市街地の近くとは思えない眺めだ。
 ホテルに戻る前に、内陸のショッピングセンターが集まっている辺りに向かう。この辺にコインランドリーがあるよと、フロントで教えられたのだ。行ってみると、思ったよりも新しい、本格的なのがあった。
 ホテルにいったん戻り、洗濯物を抱えて、さっきのコインランドリーに戻る。そして3日分の洗濯物を洗った。これで着替えの心配は不要だ。
 明日はいよいよ島前に渡る。


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