Strange Days

笑夢っちお別れオフ

2000年02月20日(日曜日) 17時51分 暮らし 天気:雨のち曇

 前日、チャットしてちょっと原稿用紙に向かってと遅くなったので、寝たのは5時過ぎだった。起きたのは10:30。意外にスッキリした目覚めだ。今日は長らく研修で東京にいた笑夢くんのお別れ会。明日戻ってしまうのだとか。そそくさと身支度をして出かけた。
 エアコンの気温センサーの申すところ、外気温は5℃。ベランダ観望用のつもりで買っていたダウンのコートが、この所働き詰めである。
 家から渋谷まで75分くらいかなと見込んでいたのだが、実際には1時間程度で着いてしまった。運賃も戸塚までは地下鉄の定期があり、戸塚渋谷間が690円で済んでしまう。横浜の果てのような土地なのだが、結構交通の便はいいのかもしれない。
 渋谷のハチ公口は一目見ただけでウンザリしてしまうような人込みだった。雨のぱらつく寒い日だってのに、この有象無象どもはなにを楽しみに来ているのだ(それをいうなら僕はなんなのだ)。ともあれ、ハチ公口の派出所を見渡せる地下道入り口の側に立っていたら、間もなく笑夢くんがやってきた。
 寒い日なので震えながら久遠さんを待つ。メンバーはこの3人らしい。やはりさすがにオフ続きで、みんな飽きたか。やがて雨がぱらつき始めたので、傘を差して待っていた。
 久遠さんは例によって来ない。いつもの事だなー、と話しながらふと笑夢くんの隣の男性を見ると、なにやらゼッケンのようなものをつけている。よくよく見ると、「UFOの恐怖」なる文字が見えた。また手提げ袋に本を詰め込んでもいた。思わずたま書房の関係者かと疑う。自著を宣伝するつもりなのか、あるいはそれを売り歩くシンパなのかは不明だが、ちとイってしまっている人のように思えた。やがてその関係者かと思える男性も合流し、かれらはそそくさと出発準備を始めた。しかし笑夢くんはその二人に気付いていない。
 笑えるのは、我々二人がそのUFO組二人と隣り合わせで、あまりにも自然に立っているので、どう見ても関係者としか見えないという事だ。しかし個人的には愉快なので黙っていた。
 やがてその二人の異様さに笑夢くんも気付き、密かに慄きながら離れようとした。が、その二人組みは我々を気にも留めず、渋谷の人込みに紛れていってしまった。その行動が妙に気に掛かる我々だった。
 久遠さんは来ない。寒いし雨は降ってるしで気分的に最悪なので、これで見つからなかったら見捨てていってしまおうと、周囲を巡検し始めた。するとハチ公口から久遠さんが登場したではないか。いま来たのかと思って聞いてみると、実はしばらく前から待っていたという事。広場の中央、目立つ場所に立っていた我々に気付かなかったらしい。
 とりあえず飯を食おうという事で、適当な焼き肉屋に入り、カルビ定食を平らげた。コーヒーで一服し、本日のメインイヴェント、Book 1st攻略に向かった。
 Book 1stは一つのビルが丸ごとという巨大な本屋で、久遠さんの証言では他の店ではとても手に入らないような品揃えだという。まずは、というつもりで文学書のフロアを攻めたが、確かに品揃え豊富で、他では見かけないような出版社のものとかがゴロゴロしている。早川、創元の品揃えも豊富だ。だがどこに行っても下巻しかない「キャッチ22」は、ここでも下巻しか発見できなかった。もしかしたら「キャッチ22」上巻だけを買い占める秘密組織でもあるのだろうか。
 我々は文学方面ワナビーである以前に本好きなので、必然的に何冊かの本を買ってしまう事になった。特に当面、もしかしたら一生再訪できないであろう笑夢くんは、10冊前後の本を抱えていた。僕も白水社から出ているヴォネガットの見た事の無い小説、タルフィーこと稲垣足穂(こんなこといってるのは僕だけだが)の小説、それからなにやらもう一冊を入手した。僕の場合は再訪可能なので、焦る必要はないと思った(のだがこうしていると欲しいものが売り切れてしまうのが世の常)。
 まずは、と思っていたのだが、この文学フロアだけで体力を使い果たした一行は、その後は適当な喫茶店で喋くり、明日は仕事なので18:00に解散した。笑夢くんとの別れを惜しむような涙雨の日だった(と心にも無い事をいってみる)。


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