昨日は、念願の国賀海岸の眺めを手に入れたが、今日は前回感嘆した、宇受賀命神社を訪ねて中之島に渡り、午後には島後に上陸して南西辺りを走りたい。しかし、天気が悪いのだ。
隠岐島前は別府の朝は、しとしと降り続く雨の薄暗さだった。全てがコンクリートの灰色に沈んだような、港の朝だ。いやはや、今日はどうなる。
宿を後にし、島前の諸島を結ぶ内航船、小型フェリーどうぜんに乗り込み、15分の旅で中之島は菱浦港に上陸する。この頃には、雨は上がっていた。今日は、概ね雨に悩まされないで済みそうだ。と、この時は思った。
西ノ島を西に向かう。一丘越えて諏訪湾岸に出てから、海沿いに走っていった。諏訪湾の入口に近い北分の辺りは、小さいが細長い湾を成しており、その入口にかかる橋からの眺めが良い。水が清いのに驚くほどだ。
去年は、この橋を渡ってから、宇受賀命神社方面に、湾沿いに向かったのだ。今回は、それではつまらないと思ったので、島の外周沿いに、北端を回る形で走った。平坦な道だろうという見込みに反し、これがまた結構なアップダウンで。すまん、すまん。
しかし、目を海に投じると、
隠岐らしい景観が目に入る。
宇受賀命神社に到着したのは、まだ10:00前くらいだったろうか。小高い山を背後に、真っ直ぐな参道の左右に水田、小さいが凛とした鳥居と、真にフォトジェニックな神社である。GWがベストかな。来年、また来るか。
好奇心旺盛なこば氏が、
本殿へのアプローチを発見する。僕もよじ登ってみた。本殿は、隠岐造という、この地独自の様式らしい。
島の中央は低く、そこに集落が背骨のように通っている。そこを走り、隠岐神社に。後鳥羽院の菩提を弔った地に、近世に創建された神社だ。
手洗いの脇に、別の神社への道標があるのに気づき、またしてもこば氏が登ってゆく。ついて行くと、山道の果てに、意外に整備された
小社があった。
昼時にはちょっと早い時間だが、菱浦12:40入港の隠岐汽船便に乗らなければならないので、少し早めに昼食にする。港すぐ傍の隠岐牛店に入った。この店、港についた時に予約を入れておいたので、安心だ。この頃、また雨がぱらついていたので、ちょうどいい。
店はランチメニューで、
隠岐牛のランチセットを取った。この肉がまた、とろけるようで。牛脂の甘味旨味が、口の中に充満する。この島に来たら、ここは寄るべし。
12:40のフェリー、つまり我々が昨日西ノ島に渡った
くにがで、1時間今日の船旅の後、終に島後に到達した。西郷港はさすがに大きい。
宿は、去年も泊まった、西郷港直近の隠岐ビューポートホテルに取った。まずは荷物を置いてから、島の南西方面に向かった。
西進し、内陸のアップダウンをこなしてゆくと、ようやく都万に出る。都万の入江の北端に、
船小屋が並んでいる。船の長屋というが、本当にそういう風情だ。去年、この裏手の橋まで行ったのだが、よもやその海側が、こんな風になっているなんて、思いもしなかった。
少し戻った入江の奥から、
夕陽を観測する。西郷は島の南にあって、都万の辺りが西に控えているので、海に落ちる夕日を見ることは出来ない。
ちょうど、我が
ポケロケ、Tikit、Crusoeと並んでいたので、一枚。
宿への帰りは、いささかきつい夜道になってしまった。安全を心がけて、しかし出来るだけ早く戻った。
夕食は、宿の外で。ホテルの東に向かうと、こんなところにあるのかと疑うような暗い通りに、寿司屋兼揚げ物屋があった。主力は寿司だが、
揚げ物も美味しい。油壷に突っ込んで、自力で上げる形だ。たらふく食って飲んで、
店を後にした。
今日は雨を心配していたが、終わりには夕陽も拝めた一日だった。