Strange Days

本州最西端に立ち寄ってから下関に

2015年08月21日(金曜日) 23時50分 , 自転車 ( 自転車旅行記 ) 天気:雨のちくもり

 今日も少し湿っぽい朝だ。でも、距離的には自走圏内だし、雨ももうすぐ上がる見込みなので、昨日よりはよほど走りやすそうだ。
 雨の様子を少し見ていたので、9:00を過ぎてのやや遅い出発だった。良い宿だった。
 まず寄ったのが、駅の北方にある、中ノ浜遺跡。弥生前中期くらいの集落跡の遺跡で、甕棺が発掘された辺りを整備して展示している。簡単に行けるかと思いきや、家並みの細い道を「これで合ってるのかな」と不安になりつつ走るような場所だった。
 さて、この先は幹線を素直に走るつもりはない。一旦は北浦街道に戻り、南下したが、黒井村駅辺りから海へと向かう。といっても、この辺りでは海に出られないので、毘沙ノ鼻のある本州西端の突出部をショートカットし、南の吉母に出る尾根道を走ることにする。毘沙ノ鼻までは、これが最短ルートのはずだ。
 尾根道は、少しだけアップダウンはあるが、車のプレッシャーが皆無なので、快適。ちょっと湿っぽい天気が、玉に瑕だ。
 途中見かけた、光蓮寺。藤原不比等生誕地との説もあるそうだ。また、山中に観音堂、大師堂の類が多い。
 山道を一つ越え、二つ越え、山間の小盆地をつなぐようにして、大きくは尾根道を超えてゆく。
 吉母に抜けた頃には、まだまだ昼には早い時間。だが、この先に昼食を取れる場所がどれだけあるか、疑問だった。そこで、この辺で店を見繕えたらと思いつつ、海まで抜ける。立派な海水浴場はあるが、既にシーズンオフで、浜茶屋の類は見当たらない。しょぼん。
 仕方ないので、淡々と今日のメインイベントをこなすことにする。本州最西端、毘沙ノ鼻に向かう。吉母から北西、ゴミ処理場の方向に登ってゆく。キツイ坂道を一つ越え、二つ超えてゆく。道案内は励みになるが、高湿度と高気温が重なって、キツイことキツイこと。とうとう、急坂を押し上げるはめになった。
 消耗しつつも、高所にある毘沙ノ鼻展望台の駐車場に到着。手洗いと自販機があったので、一休みする。人気はない。一組、二組と車で来た一団が居たくらいだ。
 展望台は、整備間もないようで、小綺麗なものだ。展望は開けているっちゃ開けているのだが、なにせ湿っぽい天気だし、そもそも眼下に見えるのがゴミ処分場だというのは、かなり致命的ではなかろうか。
 吉母まで戻り、北浦街道に戻る。といっても、なおも素直に街道を行かず、海沿いの道を探しながら走った。なんてことのない住宅街の中なので、ワクワクはないけれど。
 吉見辺りまで来ると、幹線道路が海沿いに走るので、もう選択の余地はない。海の眺めを横に置いて、車と真剣勝負だ。
 いい加減、昼時なので、食事にしたい。しかし、この道沿いの店は、みんな入ったら負け的な佇まいだ。もう諦めて、セブン-イレブンで調理パンを買い食いする。これも負けモードではある。
 今日はできるだけ海沿いに走るつもりなので、やや内陸の山陰本線と並走している北浦街道から、ややもすると離れることになる。ところが、そうして離れた海沿いに、こんな立派な道があった。これは北浦街道のバイパスとして設けられた、新道。できたてホヤホヤみたいだ。すぐに海側に降りたかったので、あえて右側の歩道をホトホトと走った。
 下関市街*1近くまで来ると、長州出島という人工島がある。一目見ておこうと、住宅地の中を迷走したりしながら、架橋部まで来た。かなり凶々しい。
 その後も、幹線を通ったり、住宅地を抜けたりしながら、とりあえず下関駅辺りが見える所まで来た。宿は、下関駅間近だ。しかし、まだまだ日は高い。もう少し迷走しよう。今まで行ったことがない、下関の先端、小倉の対岸辺りに向かった。
 下関、それと一体化して見える彦島とを隔てる、小瀬戸の西端辺りに向った。ここからの、下関の眺めは新鮮だ。
 当然、彦島にも渡る。彦島には、小瀬戸西端のはるか頭上を走る車道の他、数カ所の橋で渡れる。メジャーなのは南端の橋だが、小瀬戸を仕切る彦島水門からも渡れるので、そっちに向かう。こんな風にチャンバーの両面に水門があり、船を通過させる際に切り替えるパナマ式水門になっているのだが、水位差無さそうなのになぜ?
 この水門は、片方必ず下がっており、どちらも自転車歩行者道なので、自転車と歩行者は常に通行可能だ。両面下がっている間は中央の車道も使える。
 彦島に渡り、さらに先にある竹の子島を目指す。ここは橋一つでつながっており、狭い瀬戸を挟んでいることもあって、あまり島という感じはしない。この橋から脇に逸れると、観音堂があるらしいが、気分でパス。
 割りと頑張って来た割に、島の果ての風景は冴えない。海岸沿いには工場があり、出られそうにない。
 宿にチェックインし、夜の下関に繰り出したが、何かの準備が進行中らしい風に見えた。その謎は、宿に戻ってから分かった。馬関祭りというのがあるらしい。なるほど、それで宿が、ここしか残ってなかったのか。


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